「EZ BEEF」(Easy Beef)内食を取り戻すアメリカのMD技術
 
1998年から、アメリカのNCBA(全米牛肉生産者協会)が料理用途別の売場陳列改善「Beef Made Easy」の改革プログラム推進をすすめており、これによってアメリカの牛肉家計消費が伸びてきている。(ミートジャーナル 8月号参照)

 

Beef Made Easyは、消費者にたいするスーパーへの牛肉の売場改善方法の全国的な提案方法で、その売場で消費者の購買行動に基づいた商品作りを連動して行おう、と言うのが「EZ BEEF」(牛肉料理は簡単)というキャンペーンである。

 

EZ BEEF のキャンペーン骨子
・ 拡大傾向にある外食からの顧客の奪還。
・ 消費者キャンペーンを併用した売場の活性化(栄養価・簡単・ヘルシー)
・ 消費者にメニューアイデアを提供する売場つくり
・ データーに裏づけされた、戦略的アプローチの実践。
にある
データーによって明らかになった消費者の事実
「Today's Changing Consumer(今日の消費者の変化)」
1.労働省の20歳代から50歳代の女性を対象にした調査の結果75%以上の女性が就業しており、家庭の雑役の大半を彼らがこなしている。
それは、女性が家庭で過ごす時間が年々減少している。と言うことになる。

2.家庭での時間が減少してきているものの、生活の複雑さから解消できる方法を探してきており、家族といる時間を増やそうと言う意識や、家族とともに食事をする頻度は増加してきている。

・女性が主にショッピングの主体。
・週平均2.2回のショッピング
・週平均1家族あたりの食費は83ドル。
・70%の人がショッピングリストを持っていく。
・購入した商品の35%は予定外の商品。
・68%がその日の食材を決める。
・子供がいる10家族のうち約7家族は週に平均5回以上は夕食を一緒に食べる


 
「The 4:30 Dinner Dilemma (4時30分のジレンマ) 」
・家族と共有した時間を増やしたいと消費者は考えており、その為に食事を作る時間等を考えると、スーパーで素材を買って調理したくなくなっている。

・しかしながら、アメリカの牛肉の70%は、スーパーで販売されている。
新しいチャンネルを開発することは新鮮な牛肉のものすごい成長の機会ができることになる。

・ 消費者が家庭で食事を作るとき、夕食に何を食べるかは夕食の時間までなかな決められない。

・ 現在の主婦は、彼らの前の世代ほど食事を作るための時間を使わない。

・ 夕食の献立は3分の2の主婦がその日に決定する。そのうち大半が4時30分
(ショッピングに出かける時間)ぎりぎりまで決めていない。これが「4時30分のジレンマ」といわれる所以。


「Easy Beef(簡単な牛肉料理)」

これらの傾向は、牛肉産業にとって意味するものは何か?
牛肉をたくさん販売するには、消費者ニーズに合わせなくてはならない。
特に、 「 simplicity and convenience 」 が重要である。

年々調味料を含む食材アイテムの減少がみられる。簡単にできる食事に移りつつあることの現れである。

このような背景から、調理済み食品が定番化しつつある。 40%の消費者が必要と考え、30%の消費者が購入増加を考えている。

従って、調理、加工済みの食材は高い潜在需要がある。

「NCBAの販促サポート」

EZ BEEF キャンペーンを推し進めるに当たって、NCBAは販促用のツールを
インターネット上で申し込みが出来るようにしている。

POP販促ツールとして、
・ RAIL STRIPS  棚オビ
・ IROMAB SIGNS  プライスカード
・ BANNERS    バーナー
・ DANGLERS   
などを用意している



また、「BEEF IT'S WHAT'S FOR DINNER 」 (牛肉こそ、夕食に最高)と言う、統一ロゴで マーチャンダイジングの最先端の情報として関連商品の紹介や、15分から30分で出来る牛肉料理の紹介や、広告のサンプル。新しい調理牛肉製品の紹介等をおこなっている。

簡便性の追求

女性が社会進出をし、台所で料理をする時間が減ってきたことに伴い、これをサポートする一環としてNCBAは、1998年から BMEで売場改善をする一方で、簡便性の商品の販売に力を入れている。

特に、電子レンジで暖めるだけの調理済み食品("Heat-Serve Beef Products")の販売に力を入れており NCBAによれば、99年1月から2000年9月23日までの間において、31の食品会社から50のこうした新製品が販売されており、売上高については97年12月からの3年で8427万ドル とほぼ倍増している。




NCBAが主催する「2000年牛肉最優秀賞」の小売部門の受賞商品は「CAB を使った トップサーロインのバーボンソース漬け」が受賞した。 これには、調理時間が8分、と強調されているほか、Premium(高級な),Signature(特製の) といった高級感を演出する言葉がある。

この賞のほかに、フードサービス部門、中小メーカーによる牛肉製品部門、革新的で商業的成功が見込まれる部門で3賞が設けられている。これらの賞は「簡便性」という消費者ニーズに合致する牛肉商品の開発および販売に資することを目的として、牛肉販売時に徴収されるチェックオフ基金を利用して98年から実施されているものである。


ちなみに、調理済み製品の普及は、これまで不需要部位とみなされることの多かったカタやモモ肉の高付加価値化というメリットも生み出している。 
また、こうした試みは、すでにこの分野で大きくリードする家禽肉業界に挑戦するものと捉えることが出来る。(ワシントン駐在 樋口 英俊、渡部 裕一郎 氏のリポートから抜粋)

アメリカでは このように、牛肉を簡単に食卓に上らせる、簡単に調理が出来るようにする販売サイドでのキャンペーンが、牛肉の消費拡大に大きく貢献しているのである。
つまり、牛肉産業の未来は 今日の消費の形態を変えることから始まるのではなかろうか。             

以上