狂牛病対策売場作り技術7つのポイント
 
ポイントその1 取り扱い牛肉の品質等級を明確に伝える

 国産牛肉全体の安全性については、行政を通じて多くのアナウンスがされることになり、JAグループもトレーサビリテイ(1頭ずつの生産履歴の確認)で生産者までさかのぼっての調査と確認が出来ると言うことで信頼の回復が進んでいくと思われる。

 しかし、ポイントは今まで和牛と言ってもそれがどのような規格なのか、国産牛といっても それがどのような規格なのか、基準をあいまいにしてきたことがある。

 取り扱いの牛肉に規格と基準の表示がないのである。

 オーストラリアでは、「消費者に簡単に肉の柔らかさ、美味しさを判断してもらえる基準」として、「オーストラリア・ミート・スタンダード」を設けて、1から5段階の数字をトレイに表示をして牛肉の判断を解りやすくしている。

 アメリカでは、「プライム・チョイス・セレクト」を中心に規格が明確になっている。

 日本でも、規格はあるが部分肉にその表示はないので、川上から川下まで不透明な部分がある。そこで、取り扱い牛肉の規格や品質の等級、解りやすい取り扱い牛肉の区分を売場に表示することが必要だ。

ポイントその2 国産牛の消費を取り戻す

 和牛の品質の良い枝肉は、市場では不足気味なので、相場は狂牛病の発生後でも、堅調に推移すると思われる。
相場が戻らないのは、いわゆる乳オスの「B−2・B−3」である。この部分帯が肉質的に輸入牛肉のグレインフェッドと競合し、安全性や信頼度の面で需要の回復が遅いと心配される。

 おそらく、価格が戻るには半年くらいの時間がかかることが予測される。

 そのためには、まず、再度食べてもらうことから始めることだ。

 モモセットを中心に各パーツも比較的販売しやすい価格で流通しているので、アイテムを多くせず、「切り落とし」を中心に、牛丼・なべ用で1パック498円とか、980円で、その分容量を500g とか、比較的大容量で買いやすい価格を設定し、輸入牛肉や和牛と区分して設定する。

 アイテムも「切り落とし」で2アイテム。用途も絞って代表的な用途別で各2アイテムで、余分に商品化しないことだ。
乳オスは、比較的販売しやすいし相場展開になると思われるので、値入を多くせず、ロスが出ない価格帯で、売りきり・売り切り、の展開で消費を取り戻したい。

ポイントその3 安心して食べられるキャンペーン

「安心して牛肉を召し上がれる」キャンペーンが、国産牛・アメリカ産牛肉で展開されている。

 いくら行政やスーパーが安全です。と言っても不手際をみていると国産牛の消費者の信頼回復にはかなりの時間を要すると思われる。それまでは、輸入を中心に販売量を戻す努力が必要である。アメリカ産を始め輸入牛肉は原産国を表示しての販売しやすくなった。

 また、売場で「安心して食べられる。安全な牛肉です」というPOPや接客でのアプローチは必要で、輸入牛肉をはじめ、まずは、BSE発生前と同じように食べてもらえる習慣作りをすることである。

 その意味で、売場に「安全・安心して」と言うPOPは必要で、比較的にその点を輸入牛肉は訴求しやすい。そのような訴求をしないと輸入牛肉まで消費減の影響を受けてしまう。 「アメリカはBSEの発生の無い国」と言う、安心して食べられる輸入牛肉の売場は消費が回復するまではPOP・SPシール含めてデイスプレイに活用したい。

ポイントその4 ロス対策でのトレイを活用

 BSE 発生後であっても、平日の売り上げは落ち込んでも週末は売り上げの減が比較的少なくて済む店舗も多くあった。

 これこそ、ストアーロイヤリテイの差であるが、平日と週末の売場の維持がBSE発生後ますます難しい課題になっている。

 特に、和牛などの価格帯の高い商品の平日ロスが目立つ。

 そこで、平日と週末の使用とトレイを変えて、平日の陳列量を少なくする工夫が必要である。
低発砲のトレイ、特に蓋付きのトレイをも用いることで陳列量の調整が出来る。
また、蓋付きであることでPSP使用時と比較してラップに肉の表面がかからないことで変色や劣化をある程度抑えることが出来る。

 低発砲のトレイと比べてPSPトレイの発砲トレイを利用するほうが、消耗費は低くて済むが、牛肉のロスが多くて同じことだ。販売できることを優先したい。

ポイントその5 お手軽簡単クッギングで訴求

消費減少の中でも、「フライパンで簡単クッキング」や、「野菜と炒めて健康焼き肉」、「野菜を1品加えてお手軽中華」などの商品群は、その簡便性が評価されて比較的安定して販売ができている。

 そこで、「26センチのフライパン料理」などのカテゴリーでくくれる商品の充実が必要である。手間隙かけずに、美味しい本物の味を消費者は求めているからだ。

 牛肉の味付けコーナーの展開や、牛肉以外の「サムギョプサル」や「タッカルビ」などの新しいコリアンBBQの提案は、韓国商材のクロス販売とあわせて導入したい。

ポイントその6 食肉の持つ健康食品の機能で訴求

 「発掘、あるある大辞典」などで取り上げられている食肉の食材は、今までの食肉のダイエットに対する考えからを大きく転換させてくれた。
 
 肉を食べて健康になる。という新しいコンセプトを消費者に植え付けることに成功したのだ。
 
 もともと、食肉は体を維持するために1番重要な食べ物と言うことの認識が日本人は薄いといえる。
 
 食べて健康になる。この肉を食べることでどのように体に良いのか?
と言うことをもっと売場で告知し、食肉の栄養効果を理解してもらうようにしなくてはならない。

 体に良い食肉の食べ方を知らしていかなくてはならない。自分の体を自分でどう守っていくかと言う「食育」の問題解決策の情報も売場で展開すべきである。

ポイントその7 豚鶏肉のカテゴリーの強化

 国産牛ばかりでなく、牛肉全体の消費の回復には6ヶ月から2年位のスパンでの時間が要するように思われる。

 そこで、精肉部門の売り上げ利益確保のためには豚肉や鶏肉のカテゴリー強化に取り組む必要がある。

 豚肉は、「黒豚+通常豚(白豚)」での展開が通常であるが、この2種類の価格帯の間に、もう1つの新しい機能を持った豚肉を導入する。それは、データーに裏づけされたものでなくてはならない。同じく、鶏肉の「地鶏+ブロイラー」の間にもう1種類の鶏肉を導入する。

 竹酢・木酢(ネッカ)・ハーブなどを添加した飼料を与えて、健康に牛や豚・鶏を育て、栄養価が高く、癖や匂いが無く、美味しい食肉が開発されている。

 食べて健康になる食肉を、ハイ・クオリテイー商材とコモデテイー商材の間に、クオリテイーのある、豚肉・鶏肉を導入するのである。

 それによって、豚・鶏肉の選択幅を広めるカテゴリー強化に取り組くんで、食肉の持つ新しい役割について考えることが出来る良い機会ではないだろうか。