食の安心・安全で需要再開発の2003年度
 
食肉需給の推移

単位:トン
年次 区分 牛肉 豚肉 鶏肉 合計(馬・羊含)
1994年
(H6)
生産量 602,341 1,390,288 1,259,547 3,260,253
輸出量 69   3,347 3,347
輸入量 8,425,771 704,450 454,727 2,110,646
1,443,849 2,094,568 1,710,927 5,367,313
1995年
(H7)
生産量 600,905 1,322,065 1,256,433 3,188,197
輸出量 147   2,797 3,029
輸入量 927,647 828,776 549,252 2,421,027
1,528,405 2,150,756 1,802,888 5,606,195
1996年
(H8)
生産量 554,509 1,266,446 1,239,416 3,068,092
輸出量 113   3,174
輸入量 898,897 932,676 559,208 2,488,776
1,453,293 2,199,053 1,795,632 5,553,694
1997年
(H9)
生産量 530,300 1,283,316 1,234,097 3,055,969
輸出量 139     3,193
輸入量 923,683 730,696 508,249 2,246,742
1,453,844 2,013,987 1,739,319 5,299,518
1998年
(H10)
生産量 529,349 1,285,875 1,220,561 3,043,891
輸出量 280     3,766
輸入量 951,270 720,731 509,346 2,262,187
1,480,339 2,006,588 1,726,439 5,302,312
1999年
(H11)
生産量 540,377 1,277,094 1,204,713 3,029,779
輸出量 986     4,874
輸入量 968,541 856,861 564,982 2,462,174
1,507,932 2,133,857 1,765,905 5,487,079
2000年
(H12)
生産量 530,303 1,270,685 1,196,463 3,004,933
輸出量 358     3,985
輸入量 1,028,272 929,865 584,234 2,604,956
1,558,217 2,200,262 1,777,358 5,605,904
2001年
(H13)
生産量 458,613 1,241,737 1,183,846 2,890,562
輸出量 592     3,967
輸入量 963,615 1,011,845 533,113 2,568,545
1,421,636 2,013,987 1,714,121 5,299,518
2002年
(H14)
推定
生産量 519,610 1,231,457 1,206,686 2,964,641
前年比 113,3% 99,2% 101,9% 102,6%
輸出量 693,287 1,104,271 520,000 2,370,049
前年比 71,9% 109,1% 97,5% 92,3%
1,212,897 2,335,228 1,723,686 5,331,190
前年比 85,3% 103,6% 100,6% 97,7%
2003年
(H15)
推定
生産量 491,031 1,225,300 1,206,700 2,929,761
前年比 94,5% 99,5% 100% 98,8%
輸出量 892,857 992,857 520,000 2,460,714
前年比 128,8% 89,9% 100% 103,8%
1,383,888 2,217,657 1,723,700 5,386,975
前年比 114,1% 95% 100% 101%
出典:食肉通信社

現状所感
日本の食肉需給は、もはや食の安心・安全を抜きにしては需給の向上、新規需要の獲得は語れない。

O-157 、コウテイ疫 、残留農薬、 疾病問題、 BSE 、偽装等表示問題 、等 立て続けての災禍に見舞われた。

食肉の消費が拡大するのとあいまって、上記の問題が毎年のように発生して、その都度、拡大状況にある需要が冷やされる結果と成っている。

このことは、業界にとって非常に不幸なことであり、特に代替の所得が獲得できない畜産生産者にとっては再生産の意欲が損なわれる結果になっていることに将来の大きな不安定要素が含まれる結果となるであろう。

しかし、これだけ食肉の安全性や、表示、トレイサビリテイーが強調されるようになった背景には、それだけ、食肉に日本人が注目し、食生活の基盤としての食肉を重要視するようになった結果。ともいえるのではないか。

日本人には、「魚と米」が主食として考えられていたものが主食として畜産物を重視し始めた再確認が出来たといえる。

BSE禍のなかで、日本の魚の消費が伸びたかというと、BSEで消費ダウンした消費カロリーを魚では獲得できないことが、昨年は再確認出来たのではないだろうか。むしろ、鮮魚部門の生産性・収益性が悪いことが露呈したのではないだろうか。

むしろ、食肉の販売不振な小売業は 食肉部門の生産性が落ちたことで 会社の収益を圧迫するということも再確認でき、 小売量で食肉のもつ 生産性や根強い需要を再確認できた良い1年であり、ピンチをチャンスとしてとらえられた1年であった。

牛肉

需給動向
牛肉は、1995年(H7年)に、152,8万トンを記録し上昇基調にあったが、翌年度に発生したO-157 によって、落ち込み、再び 上昇しはじめ2000年に輸入牛肉も枝肉ベースで初めて100万トンを突破したが、BSEで平成14年度は121万トンまで落ち込んだ。

需要は、景気の低迷や不当表示でこれまでのピークの平成12年度に比較して22,5%の落ち込み。

供給面では、14年度は、出荷の停滞牛や前年出荷を手控えた分や、通常出荷と合わせて13%以上増加。このため、15年度は供給減が予想される。
 
輸入牛は、国産の伸びを補う分の増加が見込まれる。が、多くは需要の回復にかかっている。

豪州は、13年末から素牛の導入を手控えているので、減少傾向が続く。

米国産は契約輸入が主体で、需給調整に利用されながらも14年よりは回復する。

15年度は、138万トン位まで回復の予測。

国内生産
14年2月1日現在の肉用牛飼養頭数は1,1%の微増であった。

15年出荷分は48万頭で、早出しの分3万頭位が予測されるので45万頭を若干下回る。

乳用去勢牛は15年出荷対象となるのは33万6千頭で0.9%増。

交雑種は、15年度は30.4万頭 11,63%減。

15年度は国策でホルスの増加を勧めているので、交雑種の分娩数減少が予測され、出荷も大幅な減少が予測される。

乳牛は70万から74万頭の出荷を予測。

あわせて115万頭から122万頭と予測される。

枝肉ベースで49万トン。5.5%減と予測。

相場動向  和牛はじり安に
14年2月1日現在での飼養頭数は 肉用牛 283万8千頭(1.1%増)、和牛などが171万1千頭(1.1%増)、交雑種を含めた乳牛肥育牛が112万7千頭の前年並みであった。

乳牛・交雑種牛の出荷適齢となる25ヶ月齢は12年11月から13年10月前後に生まれた牛となる。この時期の交雑種の分娩頭数は前年に比べて2ケタ台の減少になっている。交雑種の和牛との交配は年々減少しており、ピークは過ぎたといわれている。

乳牛は12年6月から13年5月前後に生まれた牛は1%程度の増加となっている。

乳雌は年間30万頭ほど出荷されるが昨年は滞留していた生体牛もほぼ一巡した。従って前年並みせ推移する。

今年も消費者の国産志向は続くと思われるが、売価に見合う消費がどこまで付いて来るかだろう。 枝肉の高騰で量販店が特売を打てなくなり、年末に相場が暴落したが、これはいくら国産志向といっても

消費者はあくまでも価格が前提という事である。
価格しだいでは、国産志向は弱まる可能性があり、量販店は再び輸入牛の品揃えを強化を始めるであろう。

いずれにしても、国産の根強よさはあるものの、深刻な不況下ではスソものに需要は集まる。売価は上がると消費は冷え込むと言ったパターンを繰り返す。
値ごろ感訴求はいっそう求められる1年となるであろう。

牛肉輸入
14年度もこの傾向は続き、港湾ストの影響もあり、70万トンを割った。

15年度はSGの発動基準数量が大幅に低いため早ければ8月にSGが発動する可能性があり、予測は不透明感が強い。

また、産地高・円安から伸び悩む要素もある。

この結果、輸入数量も部分肉で62万5千トン 枝肉ベースで90万トン止まりと予測。

牛肉消費
牛肉消費は、自由化で価格の下落が起こり、大幅に消費量を伸ばした。

しかし7年を境に、欧州のBSE,O-157 の影響から消費量は減少した。

9年から微増に転じたが13年のBSE発生で14年秋以降に95%までやっと回復した。

15年度の牛肉消費量は、増加傾向に向かう。

豚肉
豚枝肉価格の推移と15年の予測価格
  12年 13年 14年 15年予測
1月 374 431 472 415
2月 424 446 518 430
3月 443 424 503 431
4月 404 430 502 440
5月 430 483 583 470
6月 512 538 575 514
7月 539 558 533 529
8月 530 518 517 510
9月 462 442 480 451
10月 382 468 372 406
11月 364 494 416 398
12月 376 555   429
平均 437 482   452
出典:食肉通信

需給動向
平成15年度は需要の伸び悩みや前年度の輸入急増、 牛肉の需要回復で 0.5%程度減少すると推定される。

輸入は2年続いた100万トンを下回り、国内生産も10年をピークに5年連続の減少が予測される。

2年続いたSG は15年度の発動はないと予測される。


国内生産
生産は2年をピークに減少し、10年をピークに再び減少傾向にある。

14年2月1日の飼養頭数は 961万2千頭で 前年比1.8%の減少であった。

飼養頭数は961頭で、87.9%が子豚からの一貫生産。

子取りのメス豚は91万6400頭で0.6%減。肉豚生産基盤を支える繁殖母豚の伸び悩みが続いている。

15年は、国産志向と原産地表示義務やトレイサビリテイーなどから需要の増加が見込まれ、卸価格も安定し、生産者の生産意欲も高いので国産豚肉の減産に歯止めのかかる可能性が高い。

輸入豚肉
コウテイ疫は欧州のデンマークなどで発生がなければ14年波の安定した輸入が予測される。 米国は主要穀物生産州の生産量が減産となり、生体相場は高値推移で生産頭数も減少が予測される。

ただ、輸出マインドは高く、24万トン。デンマークは20万トンの輸入に達する可能性が高い。カナダはやや増加でメキシコは前年並み。フランスや韓国からの輸入が解禁になりどこまで伸びるかが問題であるが、需要面からは増加にはならず、減少すると予測。

豚肉消費
消費は伸び悩みが続いたが、13年9月のBSEが追い風になり牛肉からの代替需要が入り、豚肉の消費は好調に転じた。

15年は、牛肉消費も回復して、その分2から3%の減少することは避けられない。

3割を占める 食肉加工品仕向けはこの数年前年実績割れが続いており15年度も、上回る可能性は少ない。

外食・中食向けは約20万トンで、例年並の原料確保なら輸入フローズン中心となる。

鶏肉
チキンのモモ肉・ムネ肉(加重平均)月間推移
  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 年間平均 合計
94年 578 554 561 584 578 514 476 499 511 535 529 593 543  
333 295 292 302 306 299 317 330 327 328 315 335 315 858
95年 577 506 510 539 524 462 461 587 503 549 559 633 526  
307 259 262 289 272 234 216 270 280 295 275 281 272 798
96年 667 635 597 575 595 573 554 565 604 638 657 708 614  
280 259 265 268 307 321 349 348 333 314 313 343 308 922
97年 680 625 622 604 576 512 455 449 481 560 609 678 571  
321 291 294 314 320 301 284 281 278 268 263 283 292 863
98年 661 610 598 607 599 552 524 536 583 658 663 677 606  
258 234 236 241 243 247 267 264 260 275 276 283 257 863
99年 684 643 640 631 633 598 554 526 511 559 597 636 601  
282 260 256 249 247 241 238 232 227 210 203 206 238 839
00年 647 598 601 615 626 581 546 538 557 634 629 651 602  
207 198 193 192 193 188 187 187 188 197 191 199 193 795
01年 690 664 619 568 540 498 499 538 555 642 714 739 606  
203 189 191 206 222 251 258 187 259 266 289 315 236 842
02年 724 676 643 637 646 629 610 613 625 641 658 700 650  
306 275 249 235 227 218 206 202 196 193 195 230 228 878
出典:食肉通信社

チキン国別輸入量の推移
米国 内骨付モモ 中国 内骨付モモ タイ 内骨付モモ ブラジル 内骨付モモ 合計
94年 122,766 75,765 127,403 198 114,632 4,631 73,885 5,973 444,109
95年 125,248 73,804 196,951 408 115,000 5,935 94,437 5,474 535,939
96年 128,642 79,949 205,588 944 96,020 5,904 112,618 5,691 546,574
97年 99,729 55,427 207,432 1,053 87,907 5,217 97,789 5,548 496,144
98年 102,272 64,739 200,591 1,082 119,813 6,176 70,249 1,359 497,247
99年 104,726 70,588 213,141 1,990 130,575 6,393 99,220 2,050 551,356
00年 87,324 60,414 238,215 3,035 127,943 6,009 112,935 3,385 568,272

需給動向
鶏肉の需給量は平成7年の180万トン大をピークに、その後は増減を繰り返し、13年には171万トン台に減少した。

13年は中国産鶏肉が家禽ペストで輸入停止となり、米国産もインフルエンザで州によりストップとなった。14年は172万トン台となり、15年は前年並みうぃ維持する可能性が高い。

国内生産
14年2月1日の飼養羽数は1億565万羽で、0.6%の減少。

しかし、国産の卸価格が高値安定で15年度の生産数量は120万7千トンで前年並み。

減算地表示やトレイサビリティーなどから国産鶏肉への需要回帰がさらに進むなら、前年並みの生産確保が出来るのでは。

輸入鶏肉
輸入は最近は現地安、実需に合わせた規格品などの加工・外食用として増加傾向にある。

主要国別輸入チキンのCIF価格
骨付きモモ肉 その他 為替
米国 タイ 中国 ブラジル 米国 タイ 中国 ブラジル  
97年 158 229 216 195 202 286 243 238 122
98年 166 231 229 208 218 267 243 254 132
99年 118 206 203 182 184 236 206 211 115
00年 104 177 163 128 147 182 165 148 109
01年 135 217 182 129 195 21 201 178 123
02年 139 230 192 192 226 248 211 222 127

チキン加工品(調製品)輸入量の推移
  米国 前年比 中国 前年比 タイ 前年比 合計 前年比
97年 10,017 98.4% 32,063 130.5% 35,411 117.4% 79,922 117.6%
98年 12,493 124.7% 40,920 127.6% 37,892 107% 91,710 114.7%
99年 10,328 82.7% 47,000 114.9% 33,518 88.5% 91,205 99.4%
00年 14,436 139.8% 88,988 189.3% 46,638 139.1% 150,807 165.3%
01年 19,102 132.3% 107,293 120.6% 57,718 123.8% 184,965 122.7%
02年 3,579     110,414 133.2% 50,661 134.7% 175,805 122.9%
02年は1月から10月まで  資料:食肉通信

馬肉・羊肉
馬肉の需給は年々減少しており、平成6年からは4万トンを下回り、9年からは、3万トンを切った。さらに、13年は国内生産量が落ち込み、消費も一時期の生食(馬刺身)ブームも去り、輸入量も伸び悩んで2万1千トン台。

02年の国内生産は6,677トン(99.2%)、輸入10.769トン(82%)計17.446トン。03年は国内生産6,500トン、輸入13,000トン計19,500トン。

羊肉は、国内生産がスクレイピーから立ち直り増加。02年は211トン、03年は230トン。輸入は95年8万4,700トンから減少し02年は41,722トン。03年は42,230トンと予測。