松阪牛・ブランド確立の工程

 
松阪牛取り扱い、一本化 新法人組織、設立へ−−準備会開く /三重
高級ブランド牛、松阪牛の個体識別管理システムが8月中旬から運用開始したことに伴い、松阪牛関係の新組織設立準備委員会第1回会議が9日、松阪市役所で開かれた。

新組織は、松阪牛の取り扱い窓口を一本化するとともに、消費者が安心、信頼できるシステム運営を行うのが目的。会議では来年4、5月をめどに新しい法人組織を設立することを決めた。

会議には、生産者や流通業者、行政の代表ら約20人が出席。

今後、新組織の規約や事業計画を決め、来年1月ごろをめどに法人申請する予定。

松阪牛関係団体は現在、生体の品評会を運営する「松阪肉牛共進会」▽精肉業者らで組織する「松阪肉牛協会」▽生産者らでつくる「松阪肉牛生産者の会」――の3団体があるが、団体によって松阪牛の定義が異なっている。

このため、準備委員会では、新組織設立のための協議と併行して、既存の3団体との協議を行い、消費者が分かりやすいよう松阪牛関係団体の一本化も目指していく。【田中功一】(毎日新聞)

[10月10日19時52分更新]

消費者に好評、反面手間 / 松阪牛の個体識別システム稼動1ヶ月

【松阪】
松阪牛の誕生から出荷までの個体履歴情報をインターネット上で公開する「松阪牛個体識別管理システム」が、十九日で稼働一カ月を迎える。

まずまずのスタートのようだが、東京市場での価格高騰に加え、県内精肉関係者の中には作業の手間などを理由に積極的な情報開示に難色を示す姿勢も見られるなど、多くの課題も抱えている。

この一カ月間に解体、出荷された松阪牛は百四十五頭。松阪市大津町の県松阪食肉公社(社長・野呂昭彦市長)が業者の申し込みに応じ、個体履歴を証明するために有料で発行した証明書は百九十枚、シールは二万七千枚だった。

シールを活用した市内の精肉店店主は「シールが必要かどうかはお客さんに決めてもらっているが、好評」と評価。

その一方で、中勢地区のある精肉店は「手間も掛かるし、作業の流れが止まってしまう」など、シール活用に消極的だ。

また県内の業者の中には、売り場に証明書を掲示しながらも、松阪牛以外の肉を証明書の肉のように誤認させるような陳列をするなどの販売方法を取っている店もあり、業者の判断や良心を疑問視する関係者の声もある。

しかし、東京食肉市場で取引された肉の中には、一頭につき千二百枚のシールの発行申し込みもあったといい、同公社は「都内ではシールが消費者のよりどころになっている」と、分析する。

野呂市長は「大消費地でシールが定着すれば、地元でも定着するだろう。県のDNA鑑定も始まれば、システムも完全な形になる。長い目で見ていきたい」と、当分はシステムの動向を見守る姿勢を示する。(下 村)

【写真はシステムの松阪牛であることを証明する印=松阪市の県松阪食肉公社で】

松阪牛の個体管理システム、開始−−県松阪食肉公社、初日は19頭認定 /三重
BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)に対する消費者の不安解消と、産地偽装防止を目的とした、高級ブランド牛「松阪牛」の個体識別管理システムの運用が19日から始まった。

システムを管理する松阪市大津町の県松阪食肉公社(社長=野呂昭彦松阪市長)では、解体のために運び込まれた牛の確認作業などが行われた。今週中にも、松阪牛であることを証明するシールが張られた精肉が小売店の店頭に並ぶ見込み。【田中功一】

◇証明シール付き精肉、今週中にも店頭へ
システムの対象となる牛は、雲出川流域から宮川流域までの松阪市を中心とした22市町村の約110戸の農家で肥育している約7000頭。

初日のこの日、同公社に運び込まれた牛は58頭。職員がパソコンに向かい、運び込まれた牛の子牛登記証明書などと事前入力してあったデータとを照合し、うち19頭を松阪牛と認定した。

認定した牛の枝肉には「松阪」の字と字の間に「証」と書いた印が押された。

また、小売店などで産地偽装の疑いが出た場合に備え、DNA鑑定するための検体として保存・管理する耳の一部を切り取る作業も行われた。

同システムは、全国の牛の生年月日や性別、出生地、移動歴などを一元管理する国の家畜個体識別システムのデータに加えて、血統や肥育日数、飼料、肥育者の顔写真など松阪牛を一元管理。

出荷時に、この情報を記入した証明書や証明シールを発行して消費者に松阪牛であることを保証するほか、インターネットでも情報を検索できるようにする。

運用開始にあたって野呂市長は「全国でも最先進のシステム。

その効果が発揮され、最高級ブランドの松阪牛に対する消費者の信頼が維持できると期待している」と話した。(毎日新聞)

[8月20日19時53分更新]

松阪牛個体識別管理システム 19日から稼働
会見で野呂松阪市長 来年新組織を発足
【松阪】
松阪市の野呂昭彦市長は一日、世界的ブランドである松阪牛の誕生から出荷までの個体履歴情報を、消費者が小売店やインターネット上で知ることができる「松阪牛個体識別管理システム」を十九日稼働する、と発表した。

同システムの事業主体となる県松阪食肉公社社長でもある野呂市長は「最高のブランドは、消費者の最高の信頼の上に成り立つことを肝に銘じ、これからも努力する」と話した。

同システムは、国が個体番号で牛の性別、生年月日、出生地などを一元管理するのに対し、さらに牛の号名、父、母の父、母の祖父のそれぞれの号名や農家情報などを上乗せし、同食肉公社で管理。

牛を出荷する際には松阪牛を証明する「松阪牛証明書」を発行するほか、精肉業者には個体番号や、肥育農家の住所・氏名、肉の格付けなどが消費者に分かるシールを発行。

DNA鑑定に備えた検体も採取する。

システムの運用にあたり、肥育エリアを松阪市など二十二市町村と決めたほか、松阪牛の定義、導入日とと畜日、肥育期間などを細かく規定した。

野呂市長は、システム稼働に伴い、これまで複雑だった組織を一本化し、新組織を来年三月には発足させる考えを明らかにした。

新組織は、具体的には、システムの円滑な運用のための連絡調整▽ブランド名の維持・推進▽食肉偽称防止へのPR▽関係団体の連絡調整―を骨格とする。

システム導入で、「松阪産和牛」「松阪産牛」などの紛らわしい表示は改善されるが、肥育農家らにも「安心で安全な松阪牛を生産したい」という動きが出ている。

これまでは、「松阪牛」をチェックするシステムがなく、肥育エリアに対する認識が甘かったために、志摩郡や鈴鹿市で肥育された牛の一部が東京で「松阪牛」として販売されていた事実があるが、いずれの肥育農家も今回の稼働で新しいエリアに牧場を求めて移動。

松阪市役所農林課には、牧場地を求める問い合わせの電話もあるという。

松阪牛に携わる人々の思いはさまざま。ある精肉店社長は「机上で考えたシステムなので、今後は現場も知り、改善も加えていってもらわなければ」と厳しく注文。

市内の肥育農家は「消費者の皆さんに安心してもらえる。私たちはこれまで通り精魂込めて育てるだけ」と語った。

夕方、市内のスーパーで買い物をしていた主婦は「システムが始まれば、シールの張ってある肉を買いたい」と話していた。

【新システム稼働について話す野呂市長=松阪市役所で】

シール発行で意義薄く 退会 例年の5倍  松阪肉牛協会
【松阪】
松阪肉を扱う全国の生産・精肉関係者ら四百五十店舗で組織する松阪肉牛協会(会長・野呂昭彦松阪市長)の本年度の退会店舗が、例年のおよそ五倍で、過去最高の七十六店舗になることが二十三日、分かった。

二十四日に松阪市役所で開く同協会松阪側役員会で報告し、十一月の東京都内での通常総会で正式に承認する予定。

野呂会長は退会者が増えたことについて、八月に稼働した松阪牛個体識別管理システムで松阪肉にシールを発行していることを挙げ「シールの発行で会員証である看板を店に置く必然性が薄くなったのではないか」としている。

また、同協会事務局は、倒産などで例年十数店舗の自主退会があり、本年度は偽装問題による除名処分だけでも十五店舗を数えた上、東京市場での松阪肉高騰で商いが困難な店舗が出ていることが追い打ちをかけたのではないかとみている。

同協会は現在、来春の松阪肉関係三団体一本化に向けて準備を進めているが、野呂会長は「看板は証しだが、(システムの稼働で)協会そのものの基盤が崩れることは予測していた」と話しており、今後は各店舗の趣向や営業方針などで加盟を決断する動きもあるとみられる。

同協会は昭和三十三年、松阪肉の東京市場での流通促進の目的で設立。

協会員数は四百五十店舗と決められており、毎年十一月に手続きを更新。

会員には会員の証しである「ケヤキ看板」と、会員証が発行される。北は北海道から南は熊本までの会員店舗があるが、会員になるために長年にわたって順番待ちをしている関係者もあるといい、現在もおよそ六十店舗が空きを待っている状態という。

【写真は退会などで会員から返還されたケヤキ看板=松阪市殿町の松阪肉牛協会事務局で】

「○○産松阪牛」不法も / 産地表示で公取委指摘
【松阪】
松阪牛の産地の定義を県内一円に広げるよう、北勢地区の生産者有志が県に要望した問題に絡み、公正取引委員会中部事務所は三十日、松阪牛生産三団体が統一化した松阪市周辺二十二市町村外で育った牛を「○○産松阪牛」として販売した場合、「ケースによるが、不法と断定される可能性がある」と指摘した。

公取委は、産地名と“松阪牛”の併設表示を「日本どこでも松阪牛を名乗ってもよくなってしまう。『本当の松阪牛なのか』―と、消費者に混乱を招くことになる」とし、「ケースによるが」としながらも「不法と断定される可能性がある」と話した。

また、わざわざ“松阪牛”を名乗る必要性については「松阪牛なら、消費者の嗜好に合う、高く売れるというような思いからではないか」と推測した。

これらに対し、県は「法律に違反かどうか確認した上で、担当者レベルで協議し、近く松阪市に説明する」と話している。

松阪市の中村明雅農林水産課長は「雪印食品などの食肉偽称問題があり、消費者が食肉流通に対する深い疑惑を招いた中で、安心・安全な松阪牛を届けようとシステムを構築してきた。

県は○○産松阪牛について、消費者に対して一体どのような説明をしていくつもりなのか」と、これまでの県の対応を批判した。

モゥ〜絶好調 / 高値続く松阪牛   新システム稼動要因か
【松阪】
松阪牛の取引値が二日、東京食肉市場(東京都港区)で、史上最高のキロ七千三百七十六円を記録した。BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)発生前のおよそ三倍。

関係者は、先月十九日に稼働した管理システムが一因していると分析している。

東京食肉市場では、国内初のBSEが発生した昨年八月以降、松阪牛の高値取引が続いている。

この五月上場の最高価格は六千八百五十六円、六月六千百三十円、七月六千五百七十二円と、発生前の二倍以上に膨れ上がっている。

一方で、県松阪食肉公社(松阪市大津町、社長・野呂昭彦松阪市長)は先月十九日、松阪牛の「個体識別管理システム」を稼働。DNA鑑定を含めた情報を消費者に提供しており、個体情報を知る番号を印字したシールの東京側の売れ行きも好調という。

野呂市長は「消費者の皆さんも食品の安全衛生に不安を感じている時に、DNA鑑定まで組み込んだシステムに注目が集まるのはやむを得ない」と、システム稼動が一因と分析し、ある程度の高値取引はやむを得ないとの見方を示す。

ただ、今後については「(システムは)始まったばかりなので、半年、一年という長い目で価格の動向をじっくりと見ていきたい」と話す一方、「全国の和牛生産関係者がこぞって努力を積み上げてもらわないと、一流ブランドが品薄になる」と、著しい高値に不安ものぞかせている。

松阪牛かどうか、消費者がネットで確認OK
松阪牛のシール
(三重県松阪食肉公社のホームページから)
「松阪牛」の偽装を防ぐため、三重県松阪食肉公社(社長=野呂昭彦・松阪市長)は19日、松阪牛の血統や肥育農家の情報を、消費者がインターネットで検索できる「個体識別管理システム」の運用を始めた。

管理システムには、松阪牛の肥育農家92戸が年度内に出荷予定の約1800頭について、人間の指紋に当たる鼻紋や、肥育日数、肥育者の名前などをデータベースとして登録。

消費者は店頭で購入した松阪牛のパッケージに張られている「松阪牛シール」の10ケタの個体識別管理番号を、公社のホームページ(http://www.mie-msk.co.jp)で入力すると、その牛肉の情報を確認することができる。

また、同公社では将来、松阪牛と特定するため、DNA鑑定もできるよう解体された松阪牛の耳の一部の冷凍保存も始めた。(読売新聞)

[8月20日1時34分更新]
1ヶ月で利益800万円 / 松阪牛個体識別システム
【松阪】
松阪市大津町の県松阪食肉公社(社長・野呂昭彦市長)の「松阪牛個体識別管理システム」が、八月十九日に運営開始から今月十九日までの一カ月間でおよそ八百万円の利益を挙げていることが二十六日、分かった。

同システムは松阪牛の個体情報を消費者に公開すると同時に、累積欠損金がおよそ七億四百四十万円となっている同公社の経営支援策としても期待がかけられている。

野呂社長は「これまでの経緯があり、そう簡単に赤字対策はできないが、一、二年たてば経営の中で、システムの収入がどれほどの割合を占めるのかが分かるだろう。将来の統合の問題もあるが、経営改善の基礎的数字として考え、プラス要因としてうまく運用したい」と述べた。

市によると、システムエリア内で肥育される松阪牛は約六千五百頭で、このうち、一カ月間に解体されたのは百十九頭。

システム登録料やシール、証明書の発行で合計およそ八百万円の利益につながったという。

公社関係者によると、システムは予想以上に順調だといい、野呂社長は「公社は新システムの中心の担い手機関。

システムが経営にも資する大きな要因になってもらえばうれしいし、ありがたい」と話していた。

【写真は新システムで、ホームページ上で公開されている牛の個体情報=松阪市内で】

販売縮小の動きも / 東京で高値続く松阪牛   本物%手困難に
東京食肉市場(東京都港区)の松阪肉の取引価格が高騰を続けている。二日に通常取引で初のキロ当たり七千円台に突入。

九日はそれも更新する同七千八百四十六円と、取引ごとに史上最高価格を塗り替え、株価低落に悩む小泉首相に聞かせたらうらやましがる話だろうが、安定価格での入手が困難な精肉関係者がやむなく販売を縮小する松阪肉離れ≠フ現象も出始めるなど、関係者に不安が広がり始めている。

■手が届かない◆
東京市場でのこれまでの取引価格は、中元や歳暮の需要期でも最高でせいぜいキロ四千円前後、平均単価は二千円台だった。

ところが、ことし二月から事態は急速に変化し、最高価格は四千二百二十五円から八月の六千七百五十三円へ、半年間で五割増。昨年九月の国内第一号のBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)発生以前の平均単価と比較すると、およそ三倍にも跳ね上がっている。(グラフ参照)

BSEの発生で関係者が予測した価格下落とはまったく逆の事態。野呂昭彦松阪市長も「消費者の手が届かなくなる」と、手放しで喜ぶことができないのが現状だ。

松阪市役所の農林水産課はこの異常事態の第一の原因を、まず第一に「ことし一月の雪印の食肉偽装に始まる一連の偽装問題」と分析する。

偽装によって受けた社会的制裁の大きさから、全国の精肉関係者がこぞって本物の入手に走ったとの見方だ。

■震え上がった◆
六月の国による改正JAS法が、この本物志向に拍車を掛けた。

偽装をした場合の社名などの公表など罰則が強化。「正直な商売をしなければ、大変なことになる」と、関係者が震え上がったとみる。

さらに、偽装防止のDNA鑑定も取り入れた松阪牛個体識別管理システムの稼動(八月十九日)。

「確かなシステムで、より安心で安全な松阪肉を消費者に提供したい」という関係者がシステムに乗った松阪牛を買い求め始めたのではないかという。

原因はそれだけではない。

複数の農家が「松阪牛が足りませんのやろ」と言う。これまで、松阪牛は産地や定義などが拡大解釈をされ「生産の関係三団体が定めた以外の牛も奉松阪牛として流通していた」(精肉関係者)が、定義外の牛の流れがシステムの稼働でストップし、品薄で価格が跳ね上がってしまったというのだ。

■松阪牛やーい◆
「牛を早く大きくしてくれ―と、肉屋さんから催促されるんですわ」と、飯南郡内の肥育農家が苦笑する。
多気郡の農家も「これまで付き合いのなかった精肉業者が、牛を譲ってほしいと声を掛けてきましたよ」。

長年松阪牛を売ってきたはずの精肉業者が、ここへきて新たな仕入れ先や量の確保に慌てだす。

奇妙なことだが、「胸を張れる商いをしてない店もあった」と、市内の業者がこれまでの紛らわしい販売の実態を指摘する。

自身は、松阪牛の契約牧場を持っており、年末需要の分まで頭数の確保はできているという。

「そこ(牧場と契約)までせんだら、安定した入手は難しいですやろ。幻の松阪牛や」。

■進む価格格差◆
東京の市場価格高騰は地元の取引価格にも影響が及び始めている。

松阪牛の出荷方法は二通りある。

価格が高騰している東京市場と、もう一方は肥育農家と精肉業者があらかじめ契約を交わし、県松阪食肉公社(松阪市大津町)で解体する相対取引。

県内の精肉業者も、いずれかの取引で購入している。

これまで、市内の相対取引と東京出荷の価格にほとんど違いはなかった。

出荷する生産者は「東京へ出すのは手間がかかるし、地元で使ってもらいたい」という考えの持ち主が少なくなかったが、東京価格が高騰し始めると、農家心理も穏やかではない。

「肉屋とは昔からの付き合いだから、東京とあわせて値を上げることは考えていない」と、ある肥育農家。
が「若干、価格は上げてもらった」。

一方、精肉業者の中には通常価格での入手が困難になり「松阪肉の売り場を縮小して、県産黒毛和牛などと並行して販売するのも致し方ない」と言う業者も出始めた。

■選択の時代へ◆
野呂市長は「一喜一憂せず、価格の動向を見守りたい」と、当面は価格の推移を見守る姿勢を示している。
「高値だからといって、チェック機能のないシステムが良いということではない」と、かみしめるように続ける言葉に、内心のいらだちが見え隠れする。

県産黒毛和牛か、たとえ高額でも安心で安全な本物の松阪肉か―。

東京価格の高騰で揺れる精肉業界の現状は、消費者が選択する時代が到来したことを物語っている。(松阪紀勢総局・下村友惠)

【写真は東京出荷に向け、DNA鑑定に備えた牛のしっぽの毛根を採取する作業=松阪市の全農家畜市場で】