生産履歴の開示・事例研究

 
県産和牛の流通透明化 追跡システム始動
2002/09/09
兵庫県産和牛の「トレーサビリティー(追跡可能性)」システムが整い、今月から運用が始まった。

県産の主流となる但馬牛を対象とし、小売店の店頭商品から繁殖・肥育生産者までたどることができるシステム。

但馬牛のうち、霜降りの度合いが高い「神戸ビーフ」は既に同様のシステムが構築されており、これで全県産和牛の流通の透明性がより高まることになる。(宮下裕史)

BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の発生以来、生産や流通体制の整備が急がれている。

兵庫県では今年四月から県やJA全農兵庫、神戸肉流通推進協議会など関係機関が連携、独自のシステムづくりに取り組んできた。

構築に当たっては、対象となる肉牛を「兵庫県産・但馬牛」に限定。同牛を(1)県産但馬牛が素牛(2)協会の指定生産者が県内で子牛から出荷するまで肥育(3)県内の食肉センターに出荷―と定義づけた。

流通面では、県産和牛の枝肉や部分肉が食肉センターなどから、卸業者・小売店・スーパーなどに卸される場合、新たに「肉牛枝肉購買証明書」を発行することを決めた。

証明書は市町から加工やせりを任されている荷受業者が、卸肉に専用のスタンプを押したうえで取り扱う。

新設した同証明書は、県産・但馬牛の子牛が繁殖農家から肥育農家に移る場合の「血統書」、肥育農家から食肉センター・卸売市場に移る場合の「肉牛出荷肥育農家証明書」と連動させ、小売店店頭から繁殖農家までを相互にたどることができるようにした。

今後はスライスした牛肉のパック容器に識別番号を表示するなど、消費の現場でのシステムの拡充策を検討する。
食品の安全をひと目で 県が独自の認定マーク
2002/09/11
食品原料の流通段階の透明化を目指し、県は独自の「HACCP認定制度」を普及させるため、認定施設や食品に表示する「認定マーク」=イラスト=をつくった。

食の安全への信頼を揺るがす出来事が相次ぐなか、消費者に対し目に見える形で衛生管理の安全性を情報提供するのが狙い。

HACCP(ハサップ=危害分析・重要管理点方式)制度は食品の衛生管理の手法。

県の認定制度は、国のこの制度を独自に補う形で今年度から導入したもので、食品の処理や製造、加工、販売などの各段階で安全管理を県が認定。マークはその証明となる。

まず牛、豚、鶏など食肉が対象となり、処理場などの施設の看板や、店舗で並ぶ製品にマークが張られる。

マークのデザイン募集には全国から三百八十九点の応募があり、静岡市の学校教員、杉山浩さんの作品が選ばれた。

兵庫県の「ひ」をモチーフに、安心して食べ物を口にしている様子を青色を基調に描いたという。

県は、食品営業者を対象にした認定制度の説明会を十月一日から順次、県内六カ所で開く予定で、生活衛生課は「今後、水産物や弁当類などにも対象を広げたい」としている。

牛肉パックに識別番号 甘木、朝倉のAコープ販売開始 ネットで生産情報 消費者の信頼回復へ

牛肉偽装表示問題などで失墜した消費者の信頼を回復しようと、福岡県と同県農協中央会などの生産団体は二十九日、同県甘木市の「Aコープあまぎ店」と同県朝倉町の「Aコープあさくら店」で、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の検査結果や飼育内容、生産者名などを公開した牛肉の販売を始めた。

県と生産団体が共同開発した「生産履歴の情報開示システム」で、九州初の試みとなる。牛の耳に付けられた個体識別番号を利用、牛肉のパックに識別番号を印刷したシールをはり、店頭にも生産者の顔写真や生産情報をパネル表示する。消費者は、番号シールをもとに店内に設置したパソコンや、自宅でもインターネット上で牛の品種や与えたえさなど生産情報を閲覧できる。

Aコープあまぎ店では、開店に先立ちオープニングセレモニーがあり、県農協中央会の花元克巳会長が「生産者が安心して食肉を提供し、消費者が安心して購入できる仕組みができあがった。
今後も各店舗への導入を進めたい」とあいさつした。(西日本新聞)

[7月29日14時48分更新]

牛肉の安全性、買い物中に確認 携帯電話からでも履歴情報−−全農県本部 /広島
牛の生産履歴情報をホームページ上で公開している全農県本部はこのほど、携帯電話からでも履歴情報を確認できるサービスを始めた。
消費者が売り場で情報を確認してから牛肉を購入することができるようになった。

情報提供に対応できるのは、NTTドコモの「iモード」▽KDDI・Auの「EZ―web」▽J―フォンの「J―SKY」の3種。携帯電話サイト(http://www.moupass.net/m/)に、牛肉パックに表示された10けたの個体識別番号を入力すると、飼育農家からの出荷年月日や処理日、飼料配合成分、流通経路などの情報を確認できる。県内農協系スーパーなど計44店で扱う県産牛(年間約1200頭分)が対象。

同本部は、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の発生や相次ぐ国産牛偽装事件の影響で、消費者の牛肉や食品表示への不信感が高まる中、牛の生産履歴情報をデータベース化した「牛のパスポートシステム」を立ち上げ、今年4月からホームページ上で公開している。

同本部畜産課は「購入前に確認できるため、消費者により安全性をアピールできる。
今後は、豚肉や鶏肉にまで対象を広げていきたい」としている。 【和田崇】(毎日新聞)
県産和牛の履歴追跡システム導入 天満屋岡山店で運用開始式 県、信頼回復へ /岡山
BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)や偽装表示事件などで食肉に関する消費者の信頼が揺らいでいるのを受けて、県産和牛の生産現場から消費者に至るまでの情報をインターネットのホームページ(HP)で公開するトレーサビリティー(履歴追跡)システムの運用開始式が2日、岡山市表町2の天満屋岡山店精肉売り場であった。同システムは県が全農県本部などの協力で1日から導入した。 【駒崎秀樹】

県内で生産、県営食肉市場などで食肉処理され、消費される和牛肉が対象。店頭や商品表示された10けたの個体識別番号を、店内のパソコンに入力すれば、生産者名、品種、性別、生年月日、与えた飼料、BSE検査情報、販売情報を確認できる。個人のパソコンからでもHP(http://www.meat.pref.okayama.jp/)で見ることができる。

小売店10店舗が参加(うち1店は今月下旬から)。
このうち天満屋岡山店では笠岡、新見両市内で生産された和牛肉約100キロを同システム対象として販売した。運用開始式で村上進通・県農林水産部長が「消費者の視点に立ち、安心・安全に県産和牛を食べていただくシステム。今後も拡充・強化を図りたい」とあいさつ。
県消費生活研究協議会の佐藤久子副会長は「買ったその場で生産者まで即座にわかるシステムは、消費者にとってありがたい」と話していた。(毎日新聞)
2002年7月31日(水)東奥日報ニュース
牛肉の履歴照会システムあすから
弘南生協(本部・平賀町)は一日から、店頭で販売している牛肉の生産者や生産履歴証明書、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)検査証明書などを公開し、買い物客が確認できるようにする。
高級和牛を出荷している倉石村産業振興公社も各取扱店舗で同様の取り組みを始めることにしており、県産牛肉の信頼確保に向けた取り組みが広がりを見せてきた。

弘南生協は、津軽平賀農協所属の農家四人が生産した黒毛和種と乳用種の交雑種(F1)を「津軽ひらか黒牛」の銘柄で販売しており、今回の履歴照会システムは当面、平賀と黒石、松原、西弘の四店で行う。地元産牛肉の需要拡大を図る観点から、平賀町がポスター作製に補助金を出し、生産者と行政、流通が一体となって「地産地消」の推進を図る。

倉石牛の取り組みは、信頼確保と同時に、肉質等級に優れた高級品としての評価をさらに浸透させることが目的。精肉を扱っている村内の産直施設や八戸市のデパートのほか、取引先の焼肉レストランでも安全性・高品質をPRする方針。
県が支援する生産履歴照会システムのモデルケースでもある。

牛肉の生産履歴を消費者が確認できる「トレーサビリティー」は県外の早い地域では昨年暮れごろ始まり、県内の量販店ではユニバース(本部・八戸市)が今年六月から岩手県のシステムを活用して取り組んでいる。

県外向けの県産牛トレーサビリティー対策としては、県畜産農協連合会が「あおもり短角牛」のホームページで七月二十三日から生産者や飼料に関する情報提供を開始。
七戸畜産農協が伊勢丹デパート(東京)向けに出荷している枝肉などの履歴を公開している。
県産和牛の生産農家情報提供 
店頭表示始まる インターネットでも−−県など /香川
昨年のBSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の国内発生確認以来、食肉の安全性への関心が高まっていることを受けて、県産和牛の生産農家情報を食肉店の店頭やインターネットで提供するシステムが2日から始まった。

県と生産者や流通関係者、消費者の団体などでつくる讃岐牛銘柄推進協議会が実施。国が導入した牛の個体識別番号(10けたの番号入りの耳標)を利用してホームページ(http://www.googyu.com/top.asp)上で検索すると、その牛を育てた農家の名前や写真、飼育頭数や使用飼料などを確認できる。

讃岐牛指定販売店など約50店の店頭では、販売する食肉の基となった和牛の番号とともに、農家情報をパソコンからプリントアウトした形で確認できる。
今後は、情報提供する食肉店を増やす予定という。 【松井士郎】(毎日新聞)

[9月3日20時42分更新]
BSE問題受け、道産牛肉の生産履歴を明示販売
−−きょうから、北海道
◇焼き肉店など、18店でモデル事業
道は11日から、道産牛肉の生産履歴を明示して販売する独自のモデル事業を開始する。
BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の発生で失われた消費者の信頼回復のため、来年度以降に導入を予定しているすべての牛肉のトレーサビリティー(追跡可能な生産履歴)システム確立につなげるのが狙い。

焼き肉店や肉店など18店は、生産履歴を書面(パスポート)で店頭掲示する「パスポート方式」を実施する。
書面には牛の品種、個体番号、性別、生年月日、生産地、生産者、食肉処理場、与えられた飼料やBSE検査結果などを記載する。
併せて牛肉の購入者約2000人を対象にアンケート調査を実施、消費者が知りたい牛肉の情報や、システムの本格稼働による価格上昇はいくらまで許容するかなどについて意識を探る。

十勝清水農協は10月以降、加工工程などのさらに詳しい履歴情報をホームページ上に掲載し、コープこうべ(神戸市)の店頭端末で消費者に公開する。
胆振管内白老町の和牛生産改良組合も同町内のレストランで同様の実験を行う。札幌市内のホクレンショップなどでも10月以降、生産履歴表示の端末を店頭に置き、消費者が検索できるシステムを導入する。【江口一】(毎日新聞)