20年 1月 BSE情報

BSE、一部は粉ミルクから感染か・農水省が報告書
農林水産省は14日、BSE(牛海綿状脳症)に感染した牛のうち、1995―96年に生まれた牛の感染源は、牛に飲ませた粉ミルク(代用乳)の可能性があるとの報告書をまとめた。これまでは肉骨粉が有力としていた。その後に生まれて感染した牛については、一部は輸入した肉骨粉が感染源の可能性があると指摘している。 国内のBSE発生は01年9月に初めて確認された。今回の報告書では、国内で確認された感染牛33頭のうち32頭を調査。95―96年に生まれた13頭は同じ飼料工場で製造した代用乳が原因で感染した可能性があると指摘した。
03年9月の報告書では、感染源として世界的に認知されていた肉骨粉を挙げ、代用乳は感染源として断定できないとするにとどめていた。

カナダのアルバータ州で、11例目のBSE発生
カナダのアルバータ州で、13才の肉用牛がBSEに感染したという。これは、民間獣医によるボランティア検査で見つかったものである。カナダでのBSEは、2003年5月以来、11例目であり、今年に入ってからでは、3例目である。一例目は、1月、二例目は、4月、そして、この12月の三例目である。
昨年は5例あり、今年はそれよりも少ないという。アメリカサイドでは、今回の一件で、新農業法に占める原産地証明制度(COOL)の重要性が一段と証明されたと、関係者ではいっている。

米国市場-飼料価格が前年比21%増加
米国農務省(USDA)は11月度「農業価格報告書」で、11月の飼料費は前年比で21%上昇したと報じた。まぐさと干し草の安値も、完全飼料、補足飼料、飼料穀類、濃縮食品の高値で相殺されて、10月度比では4%上昇した。いずれも前年比では、大豆は55%、トウモロコシは21%の値上がり、成豚は14%安、全肉牛は6%高だった。

牛肉価格の回復は続かず
生体牛が安定した取引を見せる中、年末の需要期を控えているにもかかわらず、感謝祭祝日で生産量が減ったことを受けてボックスビーフは値を上げた(チョイスカットアウトが3.36ドル高)。しかし値上がりの勢いは11月29日には失速した。カットアウト価格は12月上旬2~3週間でさらに数ドル下がり、12月下旬まで回復しそうにないとアナリストは述べている。先物相場より高値の現金取引に続き肥育業者は通常より早めに売買を開始して、11月最終週の主要市場では活発な取引があった。いずれも95ドル台で、水曜日にはテキサスとカンザスでは4万300頭、ネブラスカは5万4,700頭、翌木曜日は3州合計で3,800頭が売買された。JBS USAのネブラスカ工場で火災があり、3日間操業停止となったが、その後生産量を挽回したことで、11月最終週の処理頭数は67万7,000頭だった。パッカーがチョイス価格を押し上げたため、チョイスとセレクトの値開きが、今年最大の15.73ドルに広がった。しかしその後バイヤーの抵抗にあい、チョイスは1.46ドル値下がり、終値は149.88ドルだった。

米 ■ フィードロット飼育牛価格、下落の兆候
現在、米の牛業界は価格の下げ圧力に対処している、とM&LW誌が11月30日号で報じている。
下げ圧力の一因は季節的なものだが、家禽、豚肉の供給が多く、価格が下がっていることが要因。
価格の下落、飼料価格の高騰、秋から冬にかけての放牧用冬小麦牧草が減少するという見通しが高まっていることで、素牛価格に影響が出ている。
フィードロット飼育牛価格はまだ、100ポンド当り95㌦(1US㌦115円換算で㌔当り241円)と高値で、6月の安値からは100ポンド当り約10㌦(25円)高となっているが、価格が下がり続ける可能性のある兆候がいくつかある。
豚肉、家禽の価格が下落していること、チョイス級以上の生体の割合が急増していること、記録的な枝肉重量など。
卸売牛肉価格は高値だった4月 以降、大幅に下落しており、フィードロット飼育牛価格の2倍だった価格も下がっている。このため、パッカーの収益はかなり減り、フィードロット飼育牛価格はさらに下落しそうだ。
生体供給の減少、豚肉、家禽との競合低下、消費者支出の増加、アジア、メキシコへの牛肉輸出増などにより、2008年第1四半期以降に価格は上昇すると見られており、フィードロット飼育牛価格の下落は一時的かもしれない。
スタイナー・コンサルティング・グループは、2008年、フィードロット飼育牛価格は5%、豚は9.5%、家禽は5.3%、価格が上昇すると予測している。
また、2008年、90CLの輸入価格は挽材用の需要が回復し、米産カウビーフの供給が減少するため、9%上がり、CIF建てでポンド当り146.6㌣(㌔当り372円)になるとしている。

フィードロットは満杯
肥育業者が急ピッチでフィードロットに牛を送り込んでいるため、フィードロットは急激に膨れあがっている。小麦の高値で冬季放牧用の小麦牧草が不足したため、導入頭数は今年前半は少なかったが、その後大量に増えた。そのため、フィードロット内頭数は来年初頭には過去最多になるだろう。また第1四半期の導入頭数も前年を上回り、来年初めは出荷可能牛が増加しそうだ。
アナリスト達は、春先に向け積極的に出荷して在庫の増大を防ぐべきだと、今から警告している。しかし牛のだぶつきはパッカーにとっては朗報だ。この先45~60日間は、時期的に出荷可能牛が供給不足になる。牛の出荷が増える3月には、韓国や日本向け輸出プロトコル(手順、規則)が緩和されるかもしれない。2008年の牛肉生産量は2007年比で2%の増加が予想されている。その増加分をさばくには、パッカー、肥育業者ともに輸出が頼りになるだろう。

USDA、NCBAが共同で肉牛関連施設登録を推進
USDAは、全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)と協力して、全国家畜個体識別制度(NAIS)の一環として、肉牛関連施設の登録を促進する。また疾病発生後48時間以内に、十分なトレースフォワード(さかのぼって調べる)およびトレースバックデータを集めるという、NAISの長期目標を達成するため、家畜疾病トレーサビリティーを推進する事業計画も近く発表する意向だ。この体制が整えば、家畜保健関係者が疾病発生源を突き止めて、他の施設や肉牛への悪影響を防ぐことが可能になる。NCBA側は、雑誌「National Cattlemen」、TV番組「Cattlemen to Cattlemen」、ラジオなどの印刷・放送媒体を活用してNAISのPRに努める。また個別コンタクトやトレードショー、ウェブサイトを通じて、会員・非会員を含む25万9,000社の生産者対象の啓蒙活動を進める。
NAISは施設登録・家畜識別・トレーシング(追跡調査)の3つの要素で構成される。施設登録により、疾病発生時には全国的コミュニケーションネットワークが機能する。これまでに42万6,671施設が登録済み。

韓国-国内産牛肉・肉牛のトレーサビリティー拡大
韓国政府は、牛肉輸入の拡大を懸念する農家に配慮して、2004年に制定された全国的な肉牛・牛肉トラッキング制度を拡充する。新システムでは、家畜の出生地、出生年月日をはじめ、牧場からの移動、売買、食肉処理など、食肉流通の全般的動きを追跡する。これまではBSEの発生が報じられると、原産地が不明のため、国産・輸入にかかわらず牛肉全体で買い控えが起きていた

ロシア-米国産牛肉の輸入開始間近、ブラジル産牛肉の輸入再開
国当局者によると、数ヵ月にわたる交渉の結果、米国とロシアは米国産牛肉輸入に向けた市場開放でほぼ合意に達した模様だ。これまではBSEに対する懸念のため、2003年以来、基本的にロシア市場は閉ざされていた。その後2006年11月にロシアは輸入規則を緩和したが、面倒な制約事項が残り、牛肉輸入はごく少量に留まった。(2007年1~9月合計で輸入量265トン、輸入額82万4,000ドル)
今年5月に国際獣疫事務局(OIE)が全月齢の米国産牛肉を「管理されたリスク」で輸入向けに安全と認定したことから、米国はロシアに全面開放を強く求めていた。米ドル安の利点もあり、タイミング的にも良い。現在ロシア国内は所得の上向きでより良質な牛肉の需要が伸びて、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリアが輸出拡大の恩恵を受けている。
ブラジルからの輸入は、一部の州で口蹄病が発生し一時的に停止していたが、ワクチン接種の実施で感染の心配がなくなり、2008年1月1日より、8州からの牛肉、豚肉、鶏肉の輸入を受け入れる。同じタイミングでブラジル産食肉専用の品質表制度の実施が始まる。

家畜生産も動物愛護の必要性
ここ数年アメリカを始めヨーロッパでの動物愛護運動が社会的に注目を浴びてきている。これは単にペットへの虐待行為に対する問題提起というレベルを超え、いわゆる家畜生産の分野までにも影響を及ぼしてきている。米国ではこれまで長きに渡って、家畜のストレス、怪我防止のため施設設計の段階から配慮している場合も少なくない。例えば、最近では養豚者が広く利用するPQA(豚肉品質向上プログラム)に動物愛護を考慮し、飼育・肥育段階における養豚管理に際しての注意事項を盛り込んだPQAプラスが導入され、残留薬物の管理などの技術的向上も含め、消費者の信頼を高める努力がなされている。今後もこの流れは社会的話題として米国、ヨーロッパでは定着するものと見られる。

米牛肉輸入で譲歩か 事実上の制限撤廃へ
米農務省のマーク・キーナム農務次官は7日、東京で行われている日米次官級経済対話で日本側から米国からの牛肉輸出について月齢30カ月未満でどうかとの打診があったことを明らかにした。
 これまで日本は米国産牛肉について月齢20カ月以下に限定して輸入を解禁している。米国に打診したのは外務省の審議官で、農水省は「発言は誤解に基づいている。日本は米国にリスクに関する報告書を提出し、米国からの報告書待ちだ。それを精査した上で科学的見地に基づいて規制の見直しについて判断するという立場に変化はない」と強硬に反論している。キーナム農務次官は米国大使館で行われた記者会見で、「(日本は)食品安全委員会で、月齢30カ月未満の米国産牛肉の輸入について諮る。米国としては月齢制限の全面撤廃を求めているので遺憾だ」と話した。韓国、香港、台湾などの米国産牛肉の輸入規制は月齢30カ月未満で、日本の規制が最も厳しい。
 日本が月齢30カ月未満の米国産牛肉の輸入を解禁すると、牛海綿状脳症による米国牛肉輸入禁止前とほぼ同等の輸入量を確保できるという。

米国産牛肉 輸入条件緩和は妥当な判断だ(12月11日付・読売社説)
米国産牛肉に対する厳しい輸入条件の緩和に向け、日本がようやく動き出した。「月齢20か月以下」の牛に限るとしていた条件を、「30か月未満」にする方針を米国に伝えた。近く内閣府の食品安全委員会に諮問するという。
 20か月以下に限る日本の条件は、世界で最も厳しい。条件緩和は、これを国際的な標準に合わせようとするものだ。妥当な判断といえよう。日本では、月齢21か月と23か月の若いBSE(牛海綿状脳症)感染牛が見つかっている。これが輸入条件を月齢20か月以下とした最大の根拠だった。だが、2頭の牛はともに病原体の量が少なく、他の動物への感染性がほぼないことが分かっている。
韓国、台湾、メキシコ、ロシアなど、米国産牛肉の主要な輸入国・地域は、月齢制限を30か月未満としている。家畜の国際的な安全基準を決める国際獣疫事務局(OIE)は今年5月、米国を月齢に関係なく牛肉を輸出できる国に認定した。日本だけが月齢制限を20か月以下にし続ける根拠は、失われつつある。月齢制限を緩和しても、脳や脊髄(せきずい)など病原体の異常プリオンがたまりやすい特定危険部位を取り除くことに変わりはない。危険部位を除けば、まず安全に問題がない牛肉が食べられる。
最近では、大手スーパーも続々と米国産牛肉の販売を再開している。なお米国産に不安を感じる消費者は、国産や豪州産を選べばよい。食品の値上げが相次ぐなか、価格低下が期待できる輸入増は、むしろ朗報ではないか。ただ、今回の緩和方針が日米の次官級会合の後、米国側から唐突に明かされた点には問題が残る。政府部内の調整不足で、その後の対応も混乱した。国内農家や消費者に改めて緩和の妥当性を説明し、正しい情報を伝える必要がある。検疫体制の再点検も含め、消費者の不安を除く努力が欠かせない。
 日本が月齢制限を緩和すれば、米国産牛肉の輸入量は、2003年の禁輸前の水準を回復する条件が整う。あとは米国側の努力次第だ。米国はOIEの認定を根拠に、日本に月齢制限そのものを撤廃するよう求めている。日本を突破口にして、韓国などに輸入拡大を迫る狙いのようだ。日本が米国の要求をすぐに受け入れるのは時期尚早だろう。消費者の理解を得ながら、段階的に緩和を進めるのが現実的な対応だ。

<米産牛肉>日本政府が輸入条件「30カ月未満に」緩和へ
 米国産牛肉の輸入条件緩和問題で、日本政府が米国政府に対し、現在は「生後20カ月以下」としている月齢制限を「30カ月未満」に緩和することを食品安全委員会に諮問したいと伝えたことが、7日明らかになった。町村信孝官房長官も同日の会見で「前からそういう方針だ」と述べた。しかし「まだ具体的な条件見直しについて協議する段階にはない」とする従来の政府見解と食い違うため、消費者や野党の批判を招く可能性もある。
 「30カ月」への緩和の意向は、6、7日に東京で開かれた日米次官級経済対話で伝えられた。河野雅治外務審議官が発言したとみられる。具体的な条件をめぐる提案は初めてだが、米側は従来通り月齢制限の全面撤廃を要求したという。
 輸入条件をめぐっては、8月まで開かれた日米実務者協議を基に米国の牛海綿状脳症(BSE)リスクに関する報告書が公表される予定だが、まだまとまっていない。日本側はこれまで「報告書を出す前に見直し協議には入れない」としてきた。福田康夫首相は先月訪米した際、月齢制限の全面撤廃を求めるブッシュ大統領に対し「科学的知見に基づいて対応する」と述べた。
 ただ、日本政府は米国のBSEリスクは以前より低下したとみている。米国は多くの国と「30カ月未満」の条件を定めていることもあり、「30カ月」が現実的な決着との見方が関係者に広がっていた。次官級経済対話での発言は、そうした本音が出た可能性がある。
 米国産牛肉の輸入問題を担当する農林水産省幹部は7日夕、「日本政府の方針に一切変更はない。(外務省からの発言に)驚いている」と強調した。政府内の認識の不一致が日米間に新たな混乱をもたらす恐れもある。また、米側が「30カ月」にすぐに応じる可能性は小さい

ボックスビーフ価格の回復鈍る
生産量カットで持ち直していたボックスビーフ価格が伸び悩んでいる。11月3週の前半、処理頭数が10月中旬から11月上旬の5週間で最も少なかったため、ボックスビーフ価格が急騰し、チョイスのカットアウトは3日間で3.67ドルも値上がりした。しかし、販売量が前週より12%下がったにもかかわらず、価格は木曜には横這いになった。再度の値上がりを狙ってパッカーが製品の出荷を抑えていたのだろう。11月4週は感謝祭の祝日があり処理日数が1日少ないので、価格上昇の失速は好ましい兆候ではない。価格回復の傾向が戻るとしても、ターキー等の製品の在庫がはけた後になるだろう。牛肉卸売価格は販促活動を意識して変動がないが、開始は10日程先だ。ボックスビーフの安値で前倒しの発注が増えている。牛肉価格は底値に達し、今後3ヵ月は出荷可能牛の供給薄や冬の天候の影響で、値上がりするとバイヤ-は見ている

10月度、フィードロット導入頭数が大幅増加
10月のフィードロット導入頭数は前年比で12~15%増加し、売買された肉牛頭数も約3%増えた。10月の出荷頭数は操業日数が前年より1日多かったため8%伸びた。一部早めに出荷された肉牛もあり出荷頭数が増えたと思われる。導入頭数は9月も前年比9%増で、前年を大幅に上回る傾向は来年の第1四半期に入っても続き、第2四半期までには出荷可能牛のバックログが発生する可能性もある。
FSIS、カナダ産食肉の検査緩和へ
米国農務省食品安全検査局(FSIS)は、11月9日に制定したカナダ産食肉の検査強化・差し止めプログラムを一部修正した。これまで実施した監査や検査のデータが良好だったことから、2倍に増強された各種病原菌検査はそのまま続行するが、製品差し止めの要件を解除した。

米国産食肉の動向
米国農務省(USDA)は月次報告書「World Agricultural Supply and Demand Estimates(世界農業需給予測)」11月号で、以下の最新予測値を発表している。( )内は10月度予測値
【生体牛・成豚予想価格を下方修正】
年内いっぱい続くと予想される肉牛・成豚処理頭数の増加、牛肉輸出の減少を考慮して、USDAは100ポンド当たりの生体牛・成豚価格を下方修正した。
2007年の去勢牛全国平均価格は91.61ドル(92.11ドル)に、2008年度の平均価格も87~94ドル(88~95ドル)の範囲に下がると見ている。
一方成豚(去勢豚・雌豚 赤身比率51~52%)の平均価格についても、2007年は46.98ドル(47.73ドル)に、2008年は44~47ドル(44~48ドル)に下げている。
【米国産レッドミート総生産量、今年は増加、来年は減少】
  • 2007年度は483億4,900万ポンド(480億9,400万ポンド)に上方修正
  • 2008年度は487億2,900万ポンド(488億6,700万ポンド)に下方修正
【牛肉生産量】
  • 2007年度は262億4,000万ポンド(260億6,400万ポンド)に上方修正
  • 2008年度は261億500万ポンド(261億8,000万ポンド)に下方修正
【豚肉生産量】
  • 2007年度は217億7,400万ポンド(216億9,400万ポンド)に上方修正
  • 2008年度は222億8,500万ポンド(223億4,500万ポンド)に下方修正
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