平成20年2月 BSE情報


<米国産牛肉>輸入条件違反1.3トン 一部は既に流通
厚生労働省と農林水産省は12日、昨年11月以降に輸入された米国産牛肉の中に、生後20カ月以下の輸入条件に違反する生後21カ月の牛の肉が推定で約1.3トン含まれていることが分かったと発表した。両省は出荷した施設からの輸入を停止したが、問題の肉の一部は既に流通している。輸入条件に違反した米国産牛肉の国内流通が確認されたのは初めて。厚労省は輸入業者に対し、問題の肉の販売を中止し回収するよう指示した。ただ、問題の肉には特定危険部位が含まれていないことなどから、厚労省は食品としての危険性は低いと判断している。
 同日、米農務省から入った連絡によると、違反があったのはスミスフィールド社モイヤーパッキング工場(ペンシルバニア州)。昨年11月14日に牛の月例を判定するコンピューターシステムを導入したが、プログラムで「21カ月未満」とすべきところを「21カ月以下」としたため、21カ月の肉が混載され出荷されたという。
 輸入業者は丸大食品とシンワオックスの2社で、違反の肉を含む可能性がある貨物は17トンの牛肉と舌。このうち半分近くは両社が保管しているが、その他はすでに国内で流通している。違反の肉とそうでない肉が区別できないため、17トンすべてを回収の対象にする

輸入条件違反の米産牛肉、国内で販売か
農林水産省と厚生労働省は12日、月齢20カ月以下という米産牛肉の輸入条件に違反する商品が日本に入荷したと発表した。国内で販売された可能性もあるという。これまで輸入条件違反の牛肉が届いた事例はあったが、消費者に実際に販売された可能性があるのは今回が初めて。農水省は人為的ミスが原因だとして「米産牛肉の全面的な輸入禁止は必要ない」としている。 月齢違反の牛肉を出荷したのはスミスフィールド社のペンシルベニア州にある工場。日本向けの牛肉と舌21.3トンに、月齢21カ月の牛1.3トンが混入した。そのうち17トン分、計1264箱を実際に日本に出荷。その約半数は輸入業者から他の国内業者に販売され、所在が不明という

異常プリオン 新分解酵素を発見 九産大の満生准教授 低温、短時間で作用
牛海綿状脳症(BSE)などの原因物質とされる異常プリオンタンパク質を短時間で分解する酵素を、九州産業大工学部(福岡市東区)の満生慎二准教授(41)=応用微生物学=が見つけた。異常プリオン分解の研究は国内外で進められているが、低温、短時間で作用する酵素の発見はBSEや人のクロイツフェルト・ヤコブ病の治療薬などへの応用が期待され、海外の研究機関からも問い合わせがきている。満生准教授は、衛生陶器メーカーに勤務していた1990年代、民家の浴場などから約4千種のカビを採取し、人の表皮や毛髪に含まれるケラチンなど分解困難なタンパク質を餌にする好アルカリ性放線菌を発見。九産大に移った後、異常プリオンの分解に応用した。大学では、発症したハムスターの脳のプリオンを入れた溶液にこの菌が作る酵素を加え、温度や時間を変えながら実験。60度で最も活性化し、3分で異常プリオンを完全に分解したという。
 満生准教授は同様の研究を5件、確認している。このうちオランダのグループが115度で40分間、英国のグループが60度、30分以上で完全分解することに成功しているが、満生准教授が見つけた酵素の分解力はそれらを大幅にしのぎ、「ナパーゼ」と命名した。ただ、正常なタンパク質も分解してしまうため、そのままでは治療薬として使えない。今後、異常プリオンだけに作用する特異性を持たせる必要があり、既に、そうした研究のために米国の大学からナパーゼの送付要請がきているという。
 満生准教授は「治療薬への応用には遺伝子情報を組み換えて変異させなければならない。簡単ではないが、有用な酵素になるよう実験を重ねたい」と話している。
 ▼異常プリオンタンパク質
 哺乳(ほにゅう)類の体内にはプリオンタンパク質があり、神経間の情報伝達に関する機能があるとみられている。このプリオンの構造が何らかのきっかけで変化すると、脳がスポンジ状になり、認知能力の低下や運動障害などの症状が出て死に至るクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)や牛海綿状脳症(BSE)などを引き起こす。治療薬はない。家畜の伝染病などを研究する国際獣疫事務局(パリ)によると、不活性化するには133度、3気圧、20分以上の熱処理が必要という。

クローン肉・乳に「安全宣言」、FDAが来週にも…米紙
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は3日、体細胞クローン技術で生み出した家畜の肉や乳製品について、米食品医薬品局(FDA)が来週にも安全宣言を出すと伝えた。 ただ、業界に要請している食品としての出荷自粛を解除するかどうかについては不明としている。 FDAは一昨年末、牛、豚、ヤギのクローンについて、「通常の肉などと違いはなく、食品として安全だ」とする報告書案を発表。一般の意見を受け付けた後、食品としての販売を正式に認可する見通しだったが、消費者などから強い反発があり、結論は先延ばしになっている。認可されれば、日本など海外へも輸出される可能性がある。

南京に住む父子の鳥インフル、人から人への感染を確認
中国衛生省報道官は10日の記者会見で、江蘇省南京市の父子が昨年相次いで鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染した事案について、「(家庭での)密接な接触によって感染した」と発表、人から人への感染だったと結論付けたことを明らかにした。中国で人から人への鳥インフルエンザウイルスの感染が確認されたのは初めて。一方、同報道官は、人の間で流行するようなウイルス変異については、「発生していない」と否定した。父子が、病死した家禽(かきん)類と接触した形跡はなく、感染ルートは分かっていない。
 父子は、息子が昨年11月に発症し、死亡した。その後、父親も発症、治療を受けた。

USDA 2009年末までに肉牛個体認識 7割達成へ
USDAは、1月上旬に全国家畜個体認識制度(NAIS)の事業計画を発表した。上記達成目標に加え、特に出生地から移動する肉牛に登録を徹底して、疾病発生時の48時間以内トレーサビリティー(追跡可能性)を強化する。また制度拡大やトレーサビリティー向上に向けた指針、問題点・機会点、短期的な推進実現への7つの戦略(1.NAIS実施の優先付け(家畜種類・セクター)/2.各種認識制度の調整/3.疾病関連データの標準化/4.疾病対策プログラムの自動データ収集技術との統合/5.各州、地域との提携/6.業界との協調/7.認識技術の向上/※2008年度予算は330万ドル)なども盛り込まれている

EU大使、輸出基準で「米国はダブルスタンダード」と批判
EU代表委員会の委員長を務めるバートン大使は、「牛肉貿易規則・BSE関連で、米国はダブルスタンダードを適用している」と非難している。同大使はプレスリリースで「EUと米国は2005年、国際獣疫事務局(OIE)で、30ヵ月齢以下の牛由来のボンレスビーフはBSEの危険性がないというグローバルな合意と認識を確立するため協力した。米国は、まさにその合意内容を基にアジア市場で米国産牛肉の輸出を推進する一方で、2008年初頭の今なお、EUからの30ヵ月齢以下の牛由来のボンレスビーフ対米輸出は、恐らくBSE感染の疑いを理由に停止されたままである。これはダブルスタンダードだ」と述べている。これに対し米国農務省(USDA)側は、「EUはBSEリスクレベルに関したOIEの認定をまだ受けていない」と反論している。一方ブラジルは、EUに対し1月31日発効の新たなブラジル産牛肉輸入規制について、規制の根拠となる技術的なデータを求めて再交渉する構えだ。現在ブラジルは世界の牛肉貿易の33%を担っている。

広がる動物福祉支持の流れ
動物の飼育や食肉処理の過程で動物の虐待を規制する「動物福祉」の動きが、世界各地で広がっている。そうした流れを反映して、昨年春には国際獣疫事務局に加盟する167ヵ国が、全会一致で生きた動物の輸送と食肉処理に関する国際基準を採択した。基準は海上・陸上輸送、食用の処理、疾病管理のための処分が対象。現在、家畜福祉に関する規則がない国々には、たたき台になるだろう。動物福祉に対する消費者の意識や支持の拡大に対し、大手食品企業も呼応している。ある大手ファーストフードチェーンは、仕入れる鶏肉製品の5%は放し飼い鶏由来、豚肉製品の20%は分娩枠や妊娠房を使用しない業者から購入と規定している。割合は小さいが量的には多く、こうした方針が飲食業界にも影響を与えている。フォアグラをメニューから外し、動物愛護協会の動物福祉政策に沿って食材調達の指針を整備するグルメレストランも出てきている。USDAが最近実施した家畜保健・福祉改善プロジェクトでも、鶏の脱皮を促進するための餌止めの禁止、酪農牛の除角の際に麻酔を使用、肉牛の去勢目的のバンディングの禁止を決定している

ビーファロは食肉の優等生
ビーファロはアメリカ野牛と国産牛の交配品種。丈夫で飼育に世話がかからず、枝肉処理での高い効率、良質でヘルシーな肉と生産者・処理加工業者ともにメリットがある。この交配はこれまで300年以上行われてきたが、1960年代になって初めて、新しい交配種を確立するために、きちんとした科学的な取り組みで繁殖を促進するようになった。
国産牛であれば、ほぼどの品種でも交配できる適応性に加え、最大の利点は採餌能力だ。ビーファロは野牛の消化器官を受け継ぎ、第一胃に普通の肉牛より粗飼料の消化効率が良いバクテリアをもっている。また開いた毛穴や一般牛の倍の体毛密度で、暑さ寒さに強い。さらに外側の脂肪が薄く、枝肉処理で無駄が少ないのも特長だ。平均的な1,200ポンドの去勢牛では50〜100ポンドの脂肪を廃棄するが、ビーファロではほとんどない。きめが細かい肉質で、米国内の市場調査では、通常の牛肉より好まれる(99%)結果が出ており、グルメレストランなどの高級市場の開発がしやすい。和牛のように、筋肉内脂肪は融点が低く調理中に溶け出して肉汁と風味が増す。牛肉との比較で、コレステロールは67%、カロリー69%、脂肪29%、飽和脂肪からのカロリー57%、一方カルシウム、鉄分はそれぞれ267%、12%多く、ヘルシーである

NY マグロから高水準の水銀
23日付の米ニューヨーク・タイムズ紙は、ニューヨーク中心部マンハッタンで日本人が経営する有名すし店などのネタのマグロを同紙が独自に調査したところ、サンプルの25%から「高水準」の水銀が検出されたと報じた。ニューヨークではすしは人気食品で、すし店だけでなく、スーパーやデリ(総菜店)などでも一般にマグロのすしが売られており、「衝撃的なニュース」(地元メディア)となっている。同紙は昨年10月、レストランやスーパーなど計20店舗で購入したすしを研究機関に依頼して調査。このうち計5店のすしから米食品医薬品局(FDA)が「販売中止を命じることができるレベル」とする1ppmを超える水銀が検出されたという。20店の商品で最高は1・4ppm、最低は0・1ppm。5店のうち4店はすし店で、2008年のミシュラン・ニューヨーク版で一つ星を獲得したスシ・オブ・ガリや、ノブ・ネクスト・ドア、スシ・セキといった世界的な有名店も含まれていた。FDAが直ちに販売中止命令に踏み切る可能性は少ないとみられるが、米環境保護局(EPA)は「1週間に6個の消費」で許容量を超えると指摘しており、5店は同紙に対し、妊婦や子供に2個以上食べないよう警告するなどの措置を取るとしている

戻る