乳価5円10銭上げ チーズ10円、増産呼び水に/ホクレン
ホクレンは24日、2008年度の生乳の価格(乳価)を1キロ当たり平均5円10銭引き上げることで乳業メーカー各社と合意したと発表した。1975年度以来の大幅な引き上げで、酪農家手取り額では7%上げとなる。用途別の引き上げ額はチーズ向けが10円、バター・脱脂粉乳などの加工向けが5円、飲用向けが3円で、チーズと加工向けが飲用を超える上げ幅となった。06年度からの減産の効果で国内乳製品の需給が改善、さらにチーズなどの国際価格が高騰していることが、飲用向けを上回る乳価上げにつながった
牛乳30年ぶり値上げ 日本ミルクコミュニティ、4月から240円に
乳業業界3位の日本ミルクコミュニティは25日、牛乳やヨーグルトなど全172品目を4月1日から3・8〜7・1%値上げすると発表した。牛乳の値上げは1978年以来30年ぶり。乳牛の飼料用穀物の価格高騰が続いていることが要因。主力の紙パック入り牛乳「メグミルク牛乳」(1リットル)の希望小売価格は、現行の230円から240円(ともに税抜き)に上がる。業界大手で牛乳の値上げ実施を発表したのは同社が初めて。すでに最大手の明治乳業と2位の森永乳業も今春に値上げする方針を固めており、同様の値上げ幅で追随する見通しだ。全国に10ある生産者団体と各乳業メーカーによる年度ごとの価格交渉で、牛乳の原料となる国産生乳の仕入れ価格が4月から3%程度引き上げられることが決まったほか、原油高に伴う包装材や輸送コストの上昇分なども含めて販売価格に反映させる。日本ミルクコミュニティでは宅配用の牛乳31品目についても出荷価格を約4%引き上げるほか、野菜飲料など一部品目も3月から値上げを先行実施する。
低乳価、飼料高、子牛安の三重苦 酪農家3割が赤字/ふくおか酪農協
九州有数の酪農地帯を抱える福岡県内で、赤字の酪農家が急増していることが、ふくおか県酪農協の調べで分かった。直近の昨年12月の乳代精算で、乳代から諸経費を差し引いた実質手取りがゼロかマイナスとなった組合員は、全体の約3割に達した。関係者は「これまで経験のない異常事態だ」と深刻に受け止めている。2月に決定する畜産・酪農対策では、加工原料乳地帯だけでなく、飲用乳地帯の政策支援も大きな焦点に浮上しそうだ。福岡県は年間生乳生産約11万トンと、九州地区で熊本に次ぐ酪農の主産地。
国産畜産物 価格転嫁に理解を/全農が飼料高でキャンペーン スーパー1000店で
JA全農と全農ミートフーズは23日から、国産畜産物の消費拡大キャンペーンを展開する。およそ3カ月かけて、全国のスーパー約1000店舗に試食コーナーなどを設け、消費者にPRする。同時に、飼料高などで厳しい経営を強いられている畜産農家の窮状を訴え、価格引き上げに理解を求める。国産畜産物の値上げを消費者に求めるために、全国的なキャンペーンを展開するのは今回が初めて。神奈川、埼玉各県と東京都内にあるエーコープ関東18店舗を皮切りに、群馬県などで事業展開する「とりせん」など中堅スーパーでも実施。
すかいらーく、中国製加工食品すべて中止
ファミリーレストラン最大手のすかいらーく(本社・東京)は31日、「すかいらーく」「ガスト」「バーミヤン」「ジョナサン」などグループの全店舗で、中国で調理した加工食品の使用を中止することを決めた。冷凍ギョーザによる中毒発生で、「中国産食品への信頼が低下した」(広報担当)ための措置という。 同社では、フライ類など約300品目の中国製加工食品を使用。冷凍ギョーザなど、自主回収の対象になったジェイティフーズ社製品は扱っていないが、一部店舗で、回収対象外の同社製品2品目を使用していた。 すかいらーくは今回の事態を受け、ジェイティフーズ社製品の扱いを中止するとともに、全食材の供給量の約1割を占める中国製加工食品の取り扱いについても検討。「本社のバイヤーを定期的に中国に派遣して工場や産地の状況を確認するなど安全には自信があるが、消費者の不安を考えて念のため中止を決めた」という。ただし、紹興酒など一部の製品については「現地で安全性を確認できている」として使用を継続。中止するのは約300品目の半分に達する可能性があるとしている。ビアホールや居酒屋などを展開するニユートーキヨー(本社・東京)は、一部店舗で、回収対象品を製造した天洋食品(中国・河北省)の食材を使っており、店舗に使用中止と回収を指示。居酒屋「白木屋」などを展開するモンテローザ(東京都武蔵野市)は、ジェイティフーズから仕入れている加工食品の販売を中止した。 近畿を中心にファミリーレストランを展開するフレンドリー(本社・大阪府大東市)も、グループ内の和食レストラン「ボンズ」29店舗で、ワントレーディング(大阪市)の天洋食品食材「好好焼餃子」を扱っており、30日夜から販売を中止した。同社は天洋食品製以外でも、中国製ギョーザはグループ約130店舗で販売を中止し、国産だけを販売する。
牛肉と他食肉の競合激化
2008年に入り、牛肉は他の食肉、特に豚肉に押されている。第1四半期の牛肉供給量の伸びは、豚肉・鶏肉に比べて少ないようだ。牛肉卸売価格には好材料だが、消費者は生活費の高騰や景気不安で食費を引き締めている。1月1週はボックスビーフ価格がやや値上がりしたが、それも年末年始の大幅な生産量減少によるものだ。
パッカーの在庫量は、ここ2〜3ヵ月と比べて適正だが、処理頭数が通常レベルに戻り生産量が増えると、状況も変わるだろう。パッカーは、かなりの量を先行して販売したので、今後の受注に対応するには処理頭数のレベルを維持する必要がある。それでも生体牛価格の値上がり(1月1週、テキサスとカンザスでは2ドル高の95ドル)で、パッカーの赤字は続いている。天候が悪化すれば、第1四半期最高値の97ドルまで値上がりする可能性もあるとアナリストは示唆している。昨年末に発表されたUSDAの成豚報告書によると、12月1日現在で成豚の在庫が前年より4.2%、出荷分は4.5%増加している。2008年第1四半期の生産量は、ポークは2.5%、ブロイラーは3.5%、一方ビーフは1.5%増加するというアナリスト予測も出ている。しかし今年の第1四半期の食肉・とり肉生産量は、過去最高を記録した昨年の第4四半期と比べ、標準以上に落ち込むとアナリストは見ている。そのため牛肉価格が今四半期前半に上昇する可能性もある。
牛肉価格上昇を願うパッカー
月1週は肥育業者が生体牛の高値を固守したため、通常の生産量に向けて手配するパッカーの仕入価格が上がっている。商品ファンドの売買の影響で先物相場が下落したが、サザン・プレーンズ(オクラホマ南部〜テキサス北部)で、パッカーは付け値を94〜94.50ドルに上げた。しかし肥育業者を抑止することはできず、生体牛はテキサスとカンザスでは前週比2ドル高の95ドル、ネブラスカでは牛肉は前週比3〜5ドル高の150〜152ドルで取り引きされた。採算点が100ドルを超えると、生体牛価格は今後さらに上昇するとアナリストは述べている。一方、パッカーは、チョイスを1.49ドル、セレクトを2.14ドル値上げした。処理頭数は前年同期比で若干少なめの52万8,000頭だった。今後どの程度の値幅でボッスビーフの値上げを続けられるかは、1月2週の処理頭数が鍵となるだろう。
コンビニごみから家畜飼料 4月にも「エコフィード認証制度」
農林水産省は、コンビニエンスストアなどから廃棄される食品の残りかすを家畜飼料に加工した「エコフィード」の普及に向け、新たな認証制度を4月にも設ける。コンビニなどが構築している回収、加工のネットワークが成功しており、農水省の策定した基準を満たしていることが認証の条件。エコフィードの認知度を高め、全国約170のエコフィード加工業者が畜産農家に販売しやすくするのが狙い。農水省では認証基準や認証機関、認証マークの検討など具体化に向けた準備を開始した。名称は「エコフィード認証制度」。回収、加工のネットワークが適正と判断されると、そこに参画している事業者に認証マークが付与される。
現在、コンビニ業界では大手のセブン−イレブン・ジャパン、ローソン、ミニストップなどが廃棄物処理業者と提携して廃棄する弁当、総菜などを飼料化する事業を始めている。セブン−イレブンは、加工業者のアグリガイアシステム(千葉県八街市)と提携し、東京23区の約1000店から排出される弁当・総菜を1日15トンの飼料に加工し、畜産農家に販売している。「処理能力は1日250トンある。千葉県内や首都圏に順次拡大していく」(広報)考えだ。小田急グループの小田急ビルサービスは、専門加工工場の小田急フードエコロジーセンター(神奈川県相模原市)を平成17年に稼働。現在は高島屋などグループ外から廃棄される食品の残りかすも処理し、畜産農家に販売している。現在の処理量は1日15〜20トンだが、「能力は日産39トン。年内にはフル稼働にもっていきたい」(小田急ビルサービス環境事業部)と話す。トウモロコシなど飼料用穀物は、バイオ燃料に使用されるため需要が拡大し国際価格が高騰している。エコフィードを使うことで畜産農家は配合飼料の一部を安く調達できる。飼料用穀物はほとんどが輸入だが、エコフィードが普及すると飼料の自給率向上にもつながる。また昨年12月に施行された改正食品リサイクル法は、平成27年度までに食品の残りかすのリサイクル目標を食品小売業45%、外食40%など業種ごとに定めている。エコフィードの普及はこの目標達成も後押しするかもしれない。
業界の結束が重要 2008年の養鶏産業の課題
わが国の養鶏業界が安定的に発展していくためには、国産の鶏卵・鶏肉の地位をいかにして維持・発展させるかである。
その課題の1つは国際化への対応である。少子高齢化と人口減少、経済のグローバル化に伴う激しい流通の変化の中で、消費のパイを国産物と輸入物とが奪い合っている。ただ、鳥インフルエンザの発生による貿易の一時停止や、WTO農業交渉の妥結が延び延びになっているため、養鶏業界の国際化への危機意識は薄れているようだ。今後の交渉で、途上国の関心品目である鶏卵や鶏肉などの関税が引き下げられると、輸入物の攻勢は急速に強まり、グローバル化した流通や外食業界は、原料調達先を一気に海外に向けないとも限らない。それに歯止めをかけるのは、養鶏業界が結束し、国境措置としての現行関税を維持することだ。コスト低減や生産性をさらに上げるための努力はもちろん、品質と安全性で輸入物との差別化を図ることも必要だ。絶えず新しい設備や技術・ノウハウを取り入れて農場や流通設備を改善し、衛生的な飼養管理でトレーサビリティが確立した美味しい・安全・安心の鶏卵・鶏肉を適正な表示で提供し、真の信頼を確立しなければならない。
第2の課題は、鳥インフルエンザ(AI)対策で、人の健康を守り、安心して養鶏を営むためにも、AIは再発させてはならない病気だ。生産者は、バイオセキュリティの強化だけでは安心できないため、予防的ワクチンの使用を含めた万全の対策が重要だと主張してきた。ただ、この訴えは、農水省や家きん疾病小委員会のワクチンへの理解がなかなか得られず、課題は残ったままだ。万一の場合に備え、官民が信頼しあえる防疫体制を早急に確立する必要がある。
第3には、配合飼料価格や原油価格の高騰に伴うコストアップに対応した販売価格の実現である。
食鳥相場はいち早く回復したが、それはコストの上昇を反映したからではなく、中国産食品への不信などから、加工筋が原料調達を一時的に国産鶏肉などにシフトした結果とされる。3月ごろから始まる販売先と加工筋の契約改定で、加工需要が減少すれば、相場は下がらざるをえないと危惧されている。 鶏肉のような特需がなかった鶏卵は、相場の低迷が続き、経営危機に直面した生産者の悲鳴は日ごとに高まっている。過剰生産が最大の原因であるため、生産の削減は不可避である。問題は誰が、どのように削減するかであるが、それぞれの経営の体力差や取引先との関係もあって、一斉に削減できないジレンマに陥っている。
100万羽以上の大手A社では、取引先と相談し、自主的な1か月繰り上げ淘汰を決め、1月16日に13万羽、2月3日に13万羽の計26万羽を淘汰するとしており、その他の大手も追随するとみられるが、本格的な需給の改善と価格の回復にはしばらく時間がかかるとみられる。「販売に見合った生産」に徹し、当面は自らの経営もさることながら、被害を拡大させないことだ。検討が始まっているアニマルウェルフェア問題も含め、養鶏業界が安定発展するためには、ある程度業界が結束し、人様から『タマゴ業界は…』とバカにされないようにすることだ。
平成20年の食鳥相場予想 8氏の平均はもも肉668円、むね肉269円
ブロイラー最大産地での鳥インフルエンザ発生で幕を開けた、平成19年の食鳥相場(日経・東京加重)は、上期は低調に推移したものの、夏以降は猛暑による出荷減と、中国産食品への不信感などから鶏肉需要が急増し、年間では、もも肉加重で619円、むね肉加重で230円、合計は849円と、前年を大きく上回った。平成20年は、配合飼料価格のさらなる上昇や、鳥インフルエンザ、輸入物の動向、消費動向など、多くの問題を抱えていることから、食鳥業界の有識者8人に食鳥相場を占っていただいた。8人の年間平均価格は、もも肉が668円、むね肉が269円。
平成20年の鶏卵相場予想 17氏の平均は178円
配合飼料をはじめ、諸資材の値上がりが続き、鶏卵コストが200円以上といわれている中で、平成19年の卵価(JA全農たまご・東京M加重平均)は、前年を15円下回る168円で、大幅なコスト割れ相場となった。平成20年についても、過剰生産の解消メドは立っていないだけでなく、1月からの配合飼料価格の値上がりなど、厳しい状況が続いている。本紙では、鶏卵業界の有識者17人に、20年の卵価を占っていただいた。17人の年間平均価格は178円。
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