20年3月食と農のクリップボード

乳用種2万2,700円、交雑種2万9,500補てん−第4四半期マルキン
農水省は、平成19年第4四半期(10〜12月)の肉用牛肥育経営安定対策事業(マルキン事業)の平均推定所得、補てん金額を公表した。それによると、第4四半期の補てん金額は乳用種が2万2,700円、交雑種は2万9,500円となり、乳用種は3四半期、交雑種は2四半期連続の補てんとなった、算定結果によると、肉専用種の平均推定粗収益は101万6,200円、推定生産費は84万5,033円、推定所得は17万1,167円。推定所得から家族労働費を引いた差額は9万6,745円となった。同様に乳用種の推定所得から家族労働費を引いた差額は△3万6,997円となり、その差額の8割(2万9,500円)が補てんされる。交雑種の差額は△2万8,455円で、補てん金額は2万2,700円となった。農水省は今後の見通しについて、乳用種は、導入時の子牛価格がまだ高く、エサ負担も徐々に大きくなってくるので今後もしばらくは補てんが続く。交雑種は、導入時の子牛価格はピークを過ぎたが、枝肉相場の低迷推移、エサ負担により補てん継続の可能性が高い。肉専用種は、収益性が低下傾向にあり子牛価格もまだ山があるが、枝肉相場の下げ幅が小さいため、今後すぐに補てん発動ということはないだろう、とみている

1月の牛肉輸入量2.8万t、2月はさらに減少見込み−振興機構予想
農畜産業振興機構が発表した1月の牛肉輸入見込み量によると、チルドは1.2万t、フローズン1.6万t、合計で2.8万tと見込んでいる。12月の輸入実績と比べてチルドは5,500t、フローズンは1.3万tそれぞれ減少する見込みで、前年同月比でもチルドは19%減、フローズンは33%減と大幅な減少を見込んでいる。
産地相場高、豪州ドル高に対して国内の需要が低迷していることから1月の輸入は大幅減の見通しとなったものとみられる。また、2月の輸入見込み量も、前月の輸入見込み量と比べてチルドは「かなりの程度減少」、フローズンは「わずかに減少」するものと見込んでおり、1月、2月の輸入牛肉の供給は大幅な減少となりそうだ。3月は、チルド、フローズンともに前月の見込み数量より「大幅に増加」すると見込んでおり、供給薄の状況は3月半ば頃まで続く可能性がある。
1月の輸入急減思惑から、すでに国内現物の仲間相場はジリ高の展開となっているが、2月の輸入量がさらに減少見通しとなったことで、今後の国内現物の相場にどう影響してくるか注目されるところ。なお、1月の豪州産牛肉の対日輸出量(船積みベース)は、前年比28%減の1万6,840tと大きく減少している。

飼料価格高騰に対する対策の抜本的見直し求める−自民・畜酪小委
自民党は6日、畜産・酪農対策小委員会(委員長=葉梨康弘、衆・茨城3区)を開き、21日に予定されている2008年度畜産物価格決定に向けた議論を開始した。例年ならば3月に、政府からの畜産・酪農をめぐる情勢・緒制度の説明、団体要請などを踏まえて議論に入るところ。今回は、飼料価格の高騰などを受けて畜産農家への緊急的な経営安定対策を求める声が強まっていることから、今年は委員会を1カ月前倒しに開催し、特に畜産・酪農をめぐる経営安定制度に関する意見交換から始まった。出席した議員からも飼料価格の高騰に対する緊急的な経営安定対策の構築や、配合飼料価格安定制度など既存の制度の抜本的な見直し、飼料米・WCSの利用促進を求める声が相次いでいる。同小委では15日から団体要請を踏まえ、本格議論に入っていく。1月下旬から先週末にかけて実施した現地視察では、北海道と鹿児島、宮崎の肉用牛経営や酪農経営などを訪問。視察団に参加した野村哲郎氏(参・鹿児島)の報告によれば、各地で飼料費などのコスト増加により所得が大幅に減少するなど苦しい経営状況が報告されたほか、緊急的な経営安定対策や配合飼料価格安定制度の発動要件見直し、肉用牛肥育経営安定対策事業の充実強化、地域養豚新興特別対策事業の継続強化などの要望を受けたという

酪農家を独自支援 妊娠牛導入に6万円/宮崎経済連
JA宮崎経済連は酪農家への支援策として、需要期(6〜10月)に生乳を増産して収入を増やせるよう、妊娠牛導入促進対策を講じることを決めた。今年1〜5月に導入された牛1頭当たり通常助成の2万円に加え、6万円を支援する。600頭を目標とし、財源として総額4000万円を見込んでいる。JAによっては上乗せがある。
 酪農家が生産する生乳は、4月からは今年度よりも若干の値上げが予想される。牛乳向けやバター向けなど用途によって生乳価格が異なるため、平均の乳価は1キロ当たり85〜90円になりそうだ。

生鮮野菜輸入70万トン割れ 10年ぶり低水準/07年貿易統計 中国への不信加速
2007年の生鮮野菜輸入量は68万9000トンにとどまり、前年に比べ20万トン(25%)と大幅に減少したことが、財務省の貿易統計(速報値)で明らかになった。70万トン割れは1997年以来10年ぶりの水準。世界的に問題となった中国産食品・製品への不信感から、同国産離れが進んだのが原因だ。一方で冷凍野菜と調理冷凍食品は輸入量を増やし、対照的な展開となった。ただ、今回の中国製ギョーザによる中毒事件をきっかけに、ブレーキが掛かるとの見方もある。

韓国、米国産牛肉輸入を段階的に再開か
韓国の聯合ニュースは、韓国が米国産牛肉輸入の段階的な再開と、追加措置として30ヵ月齢制限の撤廃も検討していると報じた。実現すると、これまで輸入禁止措置がとられていたボンインビーフ等の輸入解禁につながる。李明博次期大統領の関係筋によると、輸入許可の対象部位を拡大する計画が、1月上旬に韓国農水省から次期政権チームに提案されたという。米国議会側が、米韓自由貿易協定の合意は米国産牛肉輸入の全面開放が条件と主張しているため、次期政権はかねてから「牛肉輸入問題の解決を急ぐ」と表明していた

雲行き怪しい肥育業者・パッカーの今年度利益
牛肉需要が引き続き予想を下回り、生体牛とボックスビーフ価格を引き下げている(1月17日チョイス価格は前週同日比1.74ドル安)。米国経済が低迷する中、大量の豚肉と鶏肉の流通で、卸売り牛肉価格は一時的に抑制されている。加えてフィードロット内肉牛在庫が過去最多の状態で、2月分契約の肉牛先物相場価格は大幅に急落し、現金市場では2週連続で安値で取り引きされた。アナリストの間では、現金価格は早くも第1四半期の高値の状態で、今期後半に市場が安定する前に80ドル台中盤か前半に下がるという予測もある。 既に1頭当たり100ドル以上の赤字を出している肥育業者には、大きな損失になる。またトウモロコシ価格もさらに値上がりが予想されることから、この先数週間は、肥育牛価格への圧迫が増すだろう。2月の処理頭数いかんでは、ボックスビーフ価格は4月上旬に顕著に回復するまでは2〜3回の値下がりがあり、一方、豚肉生産量は第4四半期まで減少の動きはないとアナリストは予測している

赤身肉には苦難の2008年
GIRA ミート・クラブが発表した最新の市場予測によると、今年のポーク・ビジネスはかなり苦戦する模様だ。飼料の値上がりを埋め合わせるだけの価格アップが望めないことが要因だ。全ての食肉で生産者マージンが圧迫される中、穀物や酪農製品に見られたような価格インフレが、今後食肉にも起こるのではという期待感が生産者の間で広まっている。しかしGIRAは残念ながら2008年はないと予測している。長期的には、先進国では生産者、加工業者ともに、事業のほぼ全側面におけるコスト増をカバーするため、卸値と小売値の値上げをする必要がある。もし値上がりがない場合、ブラジルのアグリビジネスの好況が続く一方で、ヨーロッパと北米の生産量低下は避けられないだろう。
【需要】現在の需要はここ数年と比較して低調だ。IMFは世界平均GDP成長率を4.8%と依然として予想外の上向き予測を出しているが、この数字も下がっており、世界的な金融引き締めが続く中、大きなリスクにさらされている。加工業や小売業のマーケティング戦略の強化で、食肉消費量は伸びているが、この先最も伸びるのは「ディスカウント商品」のようだ。
【飼料費】また今年は異常な飼料費の高値が続き、食肉市場のマージンを圧迫するだろう。これは悪天候による減産と、トウモロコシの備蓄量が世界的に不足する中での飼料、食品、非食品としての需要増加が原因だ。2007年、トウモロコシは主要生産地で不作だったが、穀類は南米、米国で豊作だった。昨年、トウモロコシ価格は需要高で急騰し、今年は不安定という予測だが、今年後半に若干下がるとしても高値に止まるというのが大方の意見だ。穀類と脂肪種子の値上がりは、単胃家畜を飼育する農家やグレインフェッド・ビーフ生産者にとって心配の種だ。ヨーロッパやカナダの家畜生産者は、さらに大麦や小麦の値上がりの影響も受けている。非遺伝子組み換えトウモロコシの割り増し価格もなお一層の値上がりの要因だ

クローン牛に関心薄い食肉加工業者
米国食品医薬品局(FDA)は1月15日、体細胞クローン牛の肉・牛乳が食用に安全とする最終規則を発表した。これに対し大手食肉加工業数社は、消費者の抵抗感を配慮して、クローン家畜の生産・買い付けの予定はないと述べている。
FDAは、「クローン化した牛、豚、山羊及び全てのクローン家畜の子孫は、従来の方法で飼育された家畜と同じように安全」という研究結果が出ていると説明している。但し羊はデータ不足のため安全宣言はされていない。1月2週には、EUでも同様の決定を発表している。USDAはこの発表の際に、国内外の消費者が受容できるまで猶予期間として、業界には引き続きクローン肉の市場流通を控える自主的モラトリアム(一時的禁止)を守るよう、重ねて要請した。USDAによると、現在米国にいるクローン家畜はわずか600頭で、そのうち570頭が肉牛。

問題農薬、メタミドホスで210人死亡 中国江蘇省
中国江蘇省太倉市で1997年から2002年にかけ、中国製ギョーザによる中毒の原因とされる有機リン系殺虫剤「メタミドホス」による中毒事故が654件発生、210人が死亡していたことが1日、分かった。 中国の総合医学雑誌「中華中西医雑誌」(03年8月号)の論文を医学専門ウェブサイト「中華首席医学網」が1日までに伝えた。 論文は、同期間中の市内での農薬中毒の約82%はメタミドホスが原因だったと指摘。1都市でこれだけの規模の中毒が起きていたことで、中国ではメタミドホスが農薬中毒事故の主要原因の一つだったことが裏付けられた。 江蘇省は中国の農薬生産の中心地。中国農業省などは、メタミドホスの中国国内での使用、販売を昨年1月1日以降全面的に禁止する通達を出している。 太倉は江蘇省南部の都市で人口約46万人。

麦高騰で米回帰? 国民運動へ好機/食品業界 新商品続々、販促を強化
穀物価格高騰や原油高から食料品値上げが相次ぐ中、国産米に注目が集まっている。ライバルであるパン、めんといった小麦粉製品の値上がりが追い風となって、食卓の「米回帰」が起こるのではという観測からだ。食品メーカーやスーパーは既に販促に動きだし、昨年12月の米の消費量は久しぶりに増加に転じた。農水省は「米の消費拡大が食料自給率向上の要」とし、国民運動を仕組む考えだ。食料問題に詳しい丸紅経済研究所の柴田明夫所長は、穀物高騰が続けば日本人の食習慣にも影響が出てくるとみている。

米、最大規模の牛肉回収・食用禁止を処理か
米農務省は17日、歩行困難の症状を示し食用が禁止されている「へたり牛」を処理していた疑いで調査していたカリフォルニア州の食肉処理会社「ウエストランド食肉・ホールマーク食肉加工」に対し、適切な食品検査を怠っていたとして、2006年2月以降に処理、出荷した牛肉約6万5000トンを回収するよう命じた、と発表した。米国で過去最大の牛肉回収という。へたり牛は牛海綿状脳症(BSE)感染が疑われるため、農務省は昨年7月、全面的に食用を禁止した。日本の農林水産省によると、この処理会社からの対日輸出はないが、米国の食肉処理のずさんさが浮き彫りになった形。BSE牛が市場に流通した証拠は確認されていない上、問題の牛肉の消費量も分かっていないが、農務省は現時点では人体への危険は少ないとしている。農務省の声明によると、この会社は牛が歩行困難の兆候を見せた際に義務づけられた「完全かつ適切な検査」を怠り、食品衛生上定められた規定に違反。過去2年間の出荷牛肉は「食品として不適当」と判断された。小学校のランチ用にも出荷していたという。動物愛護団体が今年に入り、この会社の内部の様子をビデオで隠し撮りし、歩行困難牛を施設内に入れるため、作業員が電気ショックを与えるなどしていると告発。農務省がこれを受け調査を開始、同社を営業停止とし、作業上の問題点を調べていた。日本は、米国でBSE感染牛が確認された03年に米国産牛の輸入を禁止した。現在は、感染の可能性が極めて低い生後20カ月以下の牛肉に限り輸入を認めているが、米側は全面解禁を求めている。

[畜産危機]和牛繁殖に餌高直撃 冷える子牛市場/島根
配合飼料高騰の荒波は、中山間地の和牛繁殖も飲み込もうとしている。島根県では、和牛のブランドを下支えしてきた零細規模の農家が、経営難と将来への不安で存亡の危機に立つ。子牛価格の下げが続けば高齢農家の離農が進み、市場規模の縮小につながる。飼料高を引き金にした負の連鎖が、産地の地盤沈下を加速させるとの心配も日増しに強まっている。
 「飼料の価格が毎回のように改定される。これまで経験のない事態に、打つ手が見つからない」。

世界的な牛肉の供給薄
世界的に牛肉需要が伸びている一方で、主要牛肉生産国では肉牛頭数が減少し、世界的な牛肉の供給薄が起きている。主に干ばつと穀物の値上がりの影響で頭数拡大が進んでいない。そのため、今年の世界全体の牛肉生産量は、よくても昨年並だろう。中国、ロシアなどでは、所得の増加に伴い高額商品の購入も進んでいる。しかし、こうした市場の好機を生かせず牛肉は供給薄で、各国で豚肉・鶏肉の消費が拡大する可能性がある。米国が牛肉需要の伸びに乗じることができるかどうかは、価格、供給状況、韓国や日本の輸入再開に掛かっている。
現在、多くの外国通貨に対してドル安が続いているが、米国産牛肉の供給(生産+輸入-輸出)は減少すると見られる。韓国・日本向け輸出が本格化すると、米国内では1人当たりの供給量の減少、牛肉価格の上昇、総供給量に対する販売量の増加が予想される。今後の市場動向の最重要ポイントは、この先米国や他の国々で景気後退が進むかどうかだ。その状況によっては豚肉・鶏肉の消費が一層増加するだろう。

富裕層を狙い、アンガスビーフとレクサスがタイアップ
アンガスビーフ協会は、トヨタ・アメリカのレクサスが特徴としている「プレミアム・クオリティー」をテーマに、車と料理を連動した富裕層対象の販促イベント"Taste of Lexus"を、昨年末全米14都市で実施した。招待された既存のレクサスオーナー・見込み客は、レクサス・ラウンジと呼ぶ会場で、試乗、プレゼンテーション、レストラン(3ヵ所)での食事を楽しんだ。メニューには、アンガスビーフ協会認定の2オンス・ミニバーガーが披露された。このイベントで消費者5万人、レクサス販売担当者1万1千人を動員した

[畜産危機]飼料高、養鶏にも 生産するほど赤字/1キロで43円コスト増
飼料高の直撃を受け、養鶏経営が極めて深刻な事態に陥っていることが、日本鶏卵生産者協会が10日までにまとめた試算で明らかになった。直近1年間で鶏卵の生産コストは1キロ当たり43円上昇。一方で卵価が低迷し、大幅な採算割れとなった。同協会は「今年も飼料高と昨年並みの低卵価が続くと、業界全体で1100億円以上の赤字となりかねない」と警鐘を鳴らす。5万〜20万羽規模の経営を想定して試算した。生産コストはこの1年で2割強も増え、1キロ175円に上昇した。

[子牛市場07ランキング]黒毛和種・価格/青森県が大躍進 「優良血統」の人気定着
日本農業新聞がまとめた2007年の子牛市場ランキングによると、飼料高と枝肉相場の低迷による収益の悪化で引き合いが弱まり、相場、取引頭数とも前年割れとなった市場が多かった。種別に価格や取引頭数の動向を分析する。黒毛和種の価格1位は青森県家畜市場。1頭55万7000円で前年比3万4000円高(6.5%高)と、前年の15位から大躍進した。県の種雄牛「第1花国」が人気だ。06年度に全国肉用牛枝肉共励会で最高位を勝ち取り、「全国の3大共励会をすべて制覇できた」(青森県畜産農協連合会)という

配合飼料価格 農家負担増が長期化/補てん基金先細り
配合飼料価格の実質農家負担が、2006年4〜6月期から08年1〜3月期までの2年間(8期)連続で増えていることが分かった。次の4〜6月期も農家負担は増える見通しだ。一方で、配合飼料業者と畜産農家が積み立てる「通常補てん基金」が枯渇。飼料高騰が長期化する中、配合飼料価格安定制度の財源確保を含めて、畜産農家の経営安定対策の強化が、今回の畜産酪農対策の決定で問われている。
 配合飼料価格から同安定制度の補てん金を除いたのが実質農家負担。各期の引き上げ額を合計すると、2年間で1トン8000円強上がった計算になる。特に直近1年間では同約7000円と上げ幅が大きい。

高額消費ブレーキ 識者「景気後退の可能性30〜70%」
平成19年10〜12月期の国内総生産(GDP)は予想外の高い伸びを示した。しかし、先行きをみると、GDPの約5割を占める国内の個人消費に勢いがなく、牽引(けんいん)役として期待される外需の先行きにも不透明感が高まってきた。エコノミストからは景気後退(リセッション)の可能性を指摘されているほどで、日本経済の実体は楽観できる状態ではなさそうだ。「いよいよ富裕層にブレーキがかかってきた」大手百貨店そごうの山下國夫社長は、株安など景気の先行き懸念の拡大で多くの消費者が財布のひもを絞る中、頼みの綱だった高額消費の担い手までが失速感を強めていることに不安を募らす。
 百貨店業界で高額品の扱いの多い三越は、1月の店頭売り上げが前年同月比2・2%減と落ち込んだ。「昨秋以降、100万円以上の輸入時計や絵画などで苦戦が続いている」(コーポレート推進室)。高島屋は同0・7%減に食い止めたが、同様に高額な宝飾品などの不振が目立つという。百貨店は、低価格のカジュアル衣料チェーンなどに客足を奪われてきたが、富裕層も消費を手控えれば、「本格的な消費不況突入も時間の問題」(業界関係者)と悲観的な声が聞かれる。
 消費者心理の冷え込みに打開策は見あたらない。年初からのガソリン価格高騰が、庶民の懐を直撃する構図も鮮明だ。ファミリーレストラン大手のデニーズは「(車での来店が多い)郊外店が軒並み客足を落としている」と恨めしそうだ。
 消費回復につながる賃上げも、景気の先行き不透明な中での春闘とあっては「それほど期待できない」(食品メーカー)となり、むしろ「物価高が消費に暗い影を落としている」(同)。少子化に伴う市場の縮小が続く玩具業界は「いかに他社のシェアを取るか」(タカラトミーの佐藤慶太副社長)と生き残りに必死。酒類業界も店頭での安売り競争に危機感を強め、「売れ筋の徹底した利益管理が不可欠」(宝ホールディングスの大宮久社長)と利益確保に頭を痛めている。
 ■「外需依存の構図」不安
 日本経済を牽引(けんいん)してきた自動車、機械などの産業はおおむね設備投資や輸出が好調だ。しかし、円高や米国の低所得者向け高金利型住宅ローン(サブプライムローン)問題などへの懸念は根強く、特に海外売上高の比重の高い企業は先行きに不安を感じている。「1月の米国新車販売は7〜8年前の水準に戻った。経済情勢がさらに悪化・長期化すれば中国やインドなどに波及する可能性もある」。トヨタ自動車の小沢哲専務はこういって景気の先行きに危機感をにじませる。トヨタを含む自動車大手の足元の好業績は、新興国市場を中心とする海外販売の伸長によってもたらされた側面が大きく、各社は米国の動向に注視している。薄型テレビなどのデジタル家電も同様。米国を中心に消費が冷え込み、価格下落も追い打ちをかける。海外向けのデジタルカメラなどが好調なソニーも「価格調整が必要になるかもしれない」(大根田伸行最高財務責任者)と顔を曇らせる。半面、トラックや機械分野の設備投資は好調だ。排ガス規制強化に伴う“特需”は一段落したものの、日野自動車は「海外需要の増加が続き、エンジンなど部品の生産設備を増強している」。建機メーカーも「中国やロシア向けの輸出が堅調で設備投資も非常に盛んだ」(日本建設機械工業会の島田博夫会長)。
 ただ、こうした産業に共通するのは「海外好調→輸出増→国内生産増強」という外需依存の構図。仮に、米国経済の減速傾向が新興国にも及べば、成長に急ブレーキがかかる危険性をはらんでいる。
 ■景気拡大は正念場
 今年の日本経済について、多くのエコノミストは景気後退(リセッション)の可能性を懸念している。通常、実質GDPが2四半期連続でマイナス成長となると「景気後退局面に入った」とされるが、5人の著名エコノミストが予想したその確率は、30〜70%という高い水準となった。今年2月で7年目に入った戦後最長の景気拡大は正念場を迎えている。

干ばつとトウモロコシの値上がりで、肉牛頭数が減少
肉牛頭数の拡大がかつてないほど遅れている。2006年はグレート・プレーンズ(米国・カナダのロッキー山脈東側の穀倉地帯)、2007年は南東部と、主要肉牛産地を襲った厳しい干ばつやトウモロコシ価格の高騰で、昨年の肉牛総頭数は33万4,000頭減少した。現在の肉牛総頭数は9,666万9,000頭(前年比0.3%減)で、2004年から2008年の間で僅か178万頭しか増えていない。米国農務省(USDA)発行のCattle Inventory Report(2月1日付)によると、南東部の州が総頭数縮小全体の74%を占めた。加えて西部トウモロコシ地帯でも肉牛の数が減少している。アナリストや業界関係者の間では、「当面、肉牛頭数は頭打ちでは」という意見が出始めている

牛肉需要低迷で、処理頭数縮小
牛肉需要が低下し、パッカーは利益確保のため処理頭数を大幅に減らしているが、この傾向は3月も続きそうだ。処理頭数の減少で生体牛価格が圧迫され、現金取引価格は3月中旬までに90ドル台を割り込み、最終的にはほぼ85ドルまで落ち込むという予測も出ている。一方ボックスビーフ価格は、2月2週の処理頭数が62万頭と少なかったが、パッカーの期待に反して回復は進んでいない。生体牛先物相場は、2月分契約で値下がりした。残念ながら、日本向け牛肉は輸出条件で限定されるため、米国内牛肉市場の安値傾向は全面的には反映されない

2007年ロシアの食肉輸入8.2%増加
ロシアの昨年度の食肉輸入(鶏肉を除く)は、輸入量で142万トン、輸入金額は34億ドルに達し、前年比で8.2%増加した。ロシアの牛肉自給率は約50%で、設備投資やインフラの不足で国内生産は減退しているが消費量は変わらないため、輸入への依存が高まっている。小売業は、競合との差別化のため、増大する中産階級のニーズに対応して良質な商品のバラエティーを増やし、物流システムを強化している。最近、政府は米国産食肉の輸入割り当てを拡げ、また初めて米国食肉加工会社5社からの製品輸入を認可している。米国食肉輸出連合会(USMEF)予測で、2008年はあわせて4万1,500トンのビーフとビーフバラエティミートがロシアに輸出される

今後の牛肉・豚肉輸出の見通し
USDAが2月に発表した今年の世界全体の牛肉・豚肉貿易の予測を受けて、USMEFは牛肉・豚肉輸出の10ヵ年見通しをまとめた。2017年の米国の牛肉輸出量は、2007年対比で88%増の120万トンと予想される。米国は世界全体の牛肉輸出の伸びで最大の貢献国になるだろう。ブラジルは27%増加して305万トン。これら推定値は韓国・日本市場の好転を想定しているが、牛肉の値段と需要が高い両国への輸出がフル稼働すると、アジア市場でのシェア回復は早いだろう。2010年までに、2003年レベルの輸出量まで回復すると見込んでいる。
豚肉輸出では、USDAは、今後10年間で39%伸び、2017年には190万トンに達し、米国のシェアは32%(2007年28%)と世界市場を主導するとみている。また、2009〜2011年、米国産豚肉は減産が予想されるが、世界的な需要高やドル安に後押しされ、輸出は着実に増加を続け、2008年の輸出は16%増と推定している。これは特に限定的な中国の国内生産・市場アクセス、対メキシコ輸出の回復、割り当てを上回る対ロシア輸出などが要因。2008年の生産量は5%増加し、価格へのプラス効果で消費量の増加が期待される。USMEFは直近の2009〜2014年について、2009年に韓国がFTAを承認し、日本市場が年率3%と着実に伸びるという想定で、年率4〜5%増加と明るい見通しを出している。

2007年全米ミートケース調査
全米豚肉委員会(NPB)等の業界団体は、昨年の1〜3月にかけて、テキサス工科大学や調査会社の協力を得て、小売現場の変化を把握するための全国食肉売場調査(NCMS)を、全米34州のスーパー120ヵ所、クラブストア10ヵ所で実施した。調査時、ガソリンや食品の高値にもかかわらず消費者価格指数は前年比で上昇し、経済は好調だった。そうした市場環境が結果に影響している可能もある。
以下は結果概要:

・フレッシュミートがシェア回復 ・フルサービスミートケースが微増
・付加価値製品の伸び続く ・ナチュラルミート製品が増加
・こだわり加工製品は2%減少 ・栄養表示の増加
・ストアブランド製品のシェア増大 ・ケースレディー製品の増加

本調査は、「消費者ニーズ・要望が小売現場の傾向を決定づけるのか」または「スーパーの売り場展開が消費者の購買傾向を誘導するのか」を見極める手がかりになる。今回の調査結果を見ると、両方とも影響があるようだ。

配合飼料補てん金/不正受給3件発覚 総額1000万、利用量水増し
配合飼料価格安定制度で補てん金の不正受給が相次いで発覚し、農水省が制度の運営団体に再発防止を指導していたことが28日分かった。不正受給は2002年度から07年度にかけて3件あり、被害は総額で1010万円に上る。畜産業と飼料の販売を両方行う経営者が、配合飼料の利用量を過大に報告し、補てん金を得ていた。全日本配合飼料価格・畜産安定基金など3団体は、補てん金を交付する際の点検を強化している。同制度は配合飼料が急騰した時に補てん金を出し、畜産経営への影響を緩和する。

飼料作物を二毛作 収穫機フル活用/広島県畜産技術センター
広島県立総合技術研究所畜産技術センターは、飼料稲の裏作に、飼料作物を栽培する技術を確立した。品種は、イタリアンライグラスの極早生「ハナミワセ」とエン麦の極早生「スーパーハヤテ隼」で、飼料稲の作付け前に収穫できる。転作田を活用でき、飼料稲用の収穫機も転用できるためだ。試験は、転作田で飼料稲を栽培しない10月にイタリアンライグラスとエン麦を不耕起播種(はしゅ)し、5月下旬に収穫した。乾物収量は、それぞれ10アール当たり約600キロ。

米牛肉回収問題、日韓との開放交渉に影響・米農務長官が懸念
シェーファー米農務長官は22日、カリフォルニア州の食肉処理会社で過去最大の牛肉回収が起きたことについて、米国産牛肉の市場開放を巡る日本や韓国との交渉に悪影響を及ぼす恐れがあるとの見方を示した。AP通信が同州での発言として伝えた。長官は食肉業界の会議に出席。日韓との交渉について「継続を期待している」としながらも、大量回収を受け牛肉の安全性に不安が生じている点を認めた。回収の対象になった牛肉についてはBSE(牛海綿状脳症)感染牛との関連を疑う声が出ており、日韓両政府は米側に事実関係をただしているとみられる。一方で長官は「農務省の検査体制に不備はない」として監督に落ち度はなかったと主張した。

JA愛知みなみのブランド牛「あつみ牛」のうま味生かす/セブン―イレブン「牛めし」
コンビニエンスストアのセブン―イレブンは19日から、豊橋市と豊田市とその周辺121店舗で、JA愛知みなみのブランド牛「あつみ牛」を使った「あつみ牛の牛めし」の販売を始めた。販売は3月2日までの限定販売で、価格は1個680円。あつみ牛は現在、11戸の農家が飼養する。飼養頭数は約3400頭。1996年から銘柄牛あつみ牛として出荷を始め、「安全・安心・おいしい」をモットーに生産する。あつみ牛は父親に黒毛和種、母親に乳用種の交雑種。飼料には、JAくみあい配合飼料「あつみ牛シリーズ」を使う。「あつみ牛シリーズ」は、和牛の飼い方で考えた飼料。抗生物質に頼らずに安心な飼い方ができ、おいしいのが特徴だ。「牛めし」にのる牛肉は、柔らかく甘味、うま味のあるあつみ牛を、たまりしょうゆで味付けし、ふっくらジューシーに仕上げている。その牛肉と煮汁を、炊き上げたご飯にたっぷりと盛り付け、関係者は「あつみ牛のおいしさを余すことなく味わえる」と太鼓判を押す。11日にはセブン―イレブン関係者らが、あつみ牛の飼育農場を見学。関係者と生産者らが「牛めし」を試食しながら意見交換をした。あつみ牛推進協議会の渡辺義苗会長は「牛を育てるのは自信があるが、販売は皆さんが頼り。牛めしを食べてもらい、おいしい牛肉だと知ってもらうよい機会だ」と期待している。セブン―イレブンの担当者からも「普段の牛めしより甘味を感じる。売れる商品だと確信している」と話す

霜降り豚肉増産 残さ飼料化へ施設/兵庫で10月稼働 地域特産に
兵庫県のエコフィード循環事業協同組合(明石市)は、県畜産技術センターが肥育方法を開発した「霜降り豚肉」用の飼料を製造するため、食品残さをエコフィード(リサイクル飼料)に加工処理する施設を建設する。県内の養豚農家らと協力して、新たな地域ブランドを創出する狙いだ。今月末にも加西市で建設に着手。施設の完成は7月、稼働は10月を予定する。同センターの試験で、霜降り豚肉の専用改良種でなくても、肥育豚にパンくずを一定割合混ぜた飼料を与えると、さしの入った霜降り豚肉になることが分かった。
仲卸4割が赤字 経常利益わずか0.2%/大阪市場
大阪市中央卸売市場で青果物を扱う仲卸業者は、2006年には43%が赤字経営となっていることが、21日までに大阪市の調査で分かった。1業者平均の売上高は前年より伸びているものの、売上総利益率の平均は11.9%で、前年より5ポイント減少。経常利益率、自己資本比率も悪化しており、厳しい経営状況が続いていることが示された。今年1月までに仲卸業者から提出された事業報告書に基づき、市が経営状況をまとめた

ドイツ小売り事情/畜産苦境、国民が理解 価格転嫁スムーズ
世界的な飼料高騰を受け、欧州連合(EU)では牛乳や食肉などの市販価格が軒並み上昇している。中でも酪農や畜産が盛んなドイツでは昨年秋以降、飼料高騰や中国、ロシアでのチーズ需要の増加から、乳業メーカーが酪農家に支払う乳価をアップ。1キロ当たり日本円換算で約43円から約64円へと1.5倍に引き上げた。飼料高の適切な価格転嫁ができず、畜産農家が経営危機に直面する日本とは対照的だ。ドイツでは、飲用向けもチーズなどの加工原料向けも同一乳価で取引されている。

大手27社で約400万羽削減
鶏卵相場のコスト割れが続く中で、大手生産者の生産削減が徐々に進んでいる。本紙のアンケートに答えた27社の集計では、飼養羽数の約9%に当たる約400万羽を繰り上げ淘汰や、その他の方法で削減すると回答している。このうち、1月末までに実施済みの羽数は約215万羽、2月以降に実施を予定している羽数が約185万羽以上で、200円台の相場実現のためには、生産削減がさらに上積みされることが期待されている。
 コスト割れの鶏卵相場が続き、「相場の回復が急務」とされていることから、成鶏約50万羽前後以上を飼養するとみられる大手生産者56社(組合)に、自主的な繰り上げ淘汰などの取り組み(予定を含む)状況をアンケート調査した。2月7日現在の回答は28社(『大手』でないと回答を辞退した1社を含む)で回答率は50%。うち6社が50万羽以下の飼養。また社名を公表してもよいと回答したのは12社であった。
 27社の集計では、削減の予定がないと回答したのは2社で、残り25社は、繰り上げ淘汰で約288万羽(全体の72%)、その他の方法で約112万羽(同28%)の合計約400万羽を削減するとしている。回答27社の推定飼養成鶏羽数は約4000万羽で、単純計算による削減率は約10%になる。
 1月末までに繰り上げ淘汰や、その他の方法で削減した羽数は約215万羽で、残り約185万羽以上は2月以降の削減予定になっている。大規模になるほど、取引先との調整などが必要になるため、急激な生産削減ができない事情がある。その中で、自主的な生産削減に取り組む姿勢を示した大手は、コスト割れ相場が長く続くことは、結局は自らの経営体力も弱めることになることを自覚しているといえる。
 需給失調回復への意見としては、「消費拡大PRを」「日本養鶏協会など関連団体が一体となり、まずは流通への飼料高などを訴えることが第一で、業界の足並みを揃えた折衝が第一」「減羽しかないと思う」「小規模農家の集まりで、生産削減の実施は困難であり、実行しても効果は期待できない」「わが社は基本的に販売の需給に見合った生産の取り組みしかしていない」などが寄せられた。

道産「スズマル」急騰 納豆需要で引き合い/大豆入札
日本特産農産物協会は29日、2007年産大豆の2月入札取引(13、27日実施)の結果を発表した。品薄感から業者の引き合いが強い納豆用の北海道産小粒「スズマル」が、前月(1月)取引より27.7%高の1万3743円(税抜き)と急騰した。前年同月と比べると、倍の水準になる。北海道の大豆流通業者は「大手を含めて納豆製造業者から、国産小粒への引き合いが強く、今後も値上がりが続く状況にある」とみる。全国納豆協同組合連合会は「高値が続くと、国産を使っている業者にとっては厳しい」と話す。

「チバザポーク」よろしく統一名称PR/千葉で商談会
県と県内の食に携わる関係者で構成する「ちばの『食』産業連絡協議会」は22日、千葉市・幕張メッセの国際会議場で、「ちばの恵み新発見 見本市・商談会」を開いた。各ブースでの商談のほか、オープニングセレモニーで、県産豚肉の統一名称「チバザポーク」とキャッチコピー「旨(うま)さが多彩」を発表した。県は年間100万トン以上(全国第4位)の豚肉を産出する畜産県であり、安全・安心でおいしい豚肉を食卓に届けている。しかし、一般消費者には、知られていないのが実情。そこで県産出豚肉に統一の名称・キャッチコピーを生産者自らが考え、積極的に推進していきたい考えだ。豚肉の生産者らは名称とキャッチコピーの入ったのぼりを立て、県産豚肉をPRした。試食をした来場者からは「おいしい」との声が聞かれた。今回は、県内の生産者・加工・製造・販売業者など79団体が出展。食品関連企業などの関係者に試食を勧め、商談した。生産者団体として、県内JAの参加もあった。JAかとりは、ブースにサツマイモを展示した。主に加工業者が声をかけてきた
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