パートタイマーの厚生年金・健保の加入基準緩和・被保険者拡大(案)の現状

パートタイマーの厚生年金などの被保険者枠の拡大は決着していません。今後、政治・経済の俎上に乗せられてくるものと考えられます。現実の厚生年金の実態と、現在答申されている改正案についての資料です。
  1. 未適用事業所、年金未加入者に対する指導・勧告
    年金適用事業所、年金未加入者に対する指導・勧告をしっかりと行い、無保険者を無くす事をまずやらねばなりません。厚生年金の未適用・未加入問題は深刻です。
  2. パートの加入基準緩和議論に対する考察
    パートで働く人は年々増えており、2007年には1266万人に達しています。このうち、労働時間が週30時間以上と現在の厚生年金・健康保険の加入基準を満たす人は380万人程度となっています。
    この基準を2分の1に引き下げたら、新たに300万人増え、680万人になると推測しています。
    厚生年金・健康保険に加入することは、当該のパート、そして雇用する企業も保険料を支払うことになります。これは大きなコストであり、経営のインパクトになります。
    一方で、現場で働くパートの意見は今の収入を増やし、少しでも生活資金に回したいと答える人がほとんどです。それには、現行の非課税限度額などをあげることが必要です。
    現在、パーと所得の非課税限度額は103万円、被扶養者限度額130万円となっています。現状の制度は矛盾し、非課税限度額を超えないように働いているのが現状です。パートは働きたいのに働けない、企業にとっては一番必要な年末にパートが休んでしまうという、社会にとっても企業にとっても大きな損失につながっています。
    税収の増加施策は、現在、払わなければならない企業・人に対して、しっかりと厳しい対応をすることにあります。決まったルールを正しく運用することが求められます。
  3. 年金改革の行方、厚生年金の被保険者拡大の状況
    次の三つの条件を満たすパート労働者(学生は除く)については、新たに厚生年金の適用対象とする。
    • 週所定労働時間が20時間以上であること
    • 賃金が月額9万8000円以上であること
    • 勤務期間が1年以上あること
    ただし、従業員300人以下の中小零細事業所の事業主に雇用されるパート労働者については、別に法律で定める日までの間、新たな基準の適用を猶予する。
    • 影響適用拡大対象者数は40万人増加し、事業主の年金保険料負担増は400億円が見込まれる。
改正パートタイム労働法の効果的用運用で人件費などのコストを縮減するための施策

改正パートタイム労働法の条文で、努力項目になっていても、積極的にその考えを取り入れ、その制度化を図っていき、生産性向上に結びつけていくような、積極的な姿勢が大切です。パートタイム労働者に生き甲斐・働き甲斐を醸成する絶好のチャンスととらえ、企業は制度の具体化・具現化を図っていくときです。
  1. パートタイム労働者と社員の均整のとれた待遇の確保の推進
    改正法では、パートタイム労働者の待遇を通常の労働者との働き方の違いに応じてバランスを図るための措置を講じるように規定しています。
    スーパーマーケットの場合、職務の内容(業務の内容と責任の程度)が正規社員と多少相違するため、現状の処遇を改正しなければならないことは少ないのではないでしょうか。
    パートタイマーは、補充だけであったり、整理整頓要員であったり、発注業務であったり、個別・細分化された業務を遂行している人が大半を占めており、業務のトータル管理をしている人は少数であると推測するからです。マネジメント業務までを行っている人材は、すでに正社員に登用されているのが現状です。
  2. パートタイム労働者の職務内容(業務の内容と責任の程度)の判断
業務の種類が異なる。販売職でも仕事の種類と幅が相当違う。正社員は、発注・補充・作業計画作成・クリンリネス、勤務シフト作成。パートタイマーは一部の作業を受け持っている。
与えられている権限の範囲、業務の成果に関する責任、クレーム対応など責任の度合い
パートタイム労働者と通常の労働者の転勤の有無を比較。実際に転勤したかどうかだけではなく、将来にわたって転勤する見込みがあるかどうかについて判断する

  • パートタイマーと正規社員の中核的業務を比較すると、パートタイマーの中核的業務のうち品出し陳列業務と、正規社員の中核的業務のうちシフト管理、売り場作り、クレーム処理の業務は、明らかに異なる業務と判断され、職務の内容は異なると考えられます。
  • 採用についても、賃金決定・改正についても、事業主の主観で判断しないことです。「パートタイム労働者は○○円」と“パートタイム労働者だから”という理由で一律に決定するのではなく、職務の内容や能力のレベルに応じて段階的に設定するなど、働きや貢献に応じて決定することが努力義務の内容となります。
  • マネージャーから店長までの間、パートタイム労働者と通常の労働者の職務内容、人材の活用の仕組みや運用などが同一の場合、法第9条第2項、賃金の決定方法は、通常の労働者とパートタイム労働者と同一であるように努めなければなりません。当該のパート労働者の職務遂行能力の度合いに応じて、雇用転換とか、賃金テーブルを正規社員並にするなどの判断をするのが現実的だと考えます。将来的には、職務給制度(職務・仕事の種類の遂行能力の度合いによって給与を決定)を見据えた成果主義の賃金体系を構築しなければなりません。
  • 法第13条は、パートタイム労働者からの求めに対し、合理的な説明を事業主に求めるもので、事業主に誠意ある対応をして頂く必要がありますが、最終的にパートタイム労働者が納得するまでの説明を求めているものではありません。万が一、パートタイム労働者に説明しても納得が得られない場合は、事業所内の苦情処理手続で処理したり、都道府県労働局長の助言・指導・勧告や調停制度を通じたりして解決を図ること。現場で生半可な返答をしないように指導することが大切です。TRKTT
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