「容リ法に合理性」地裁判決、再商品化の流れ不透明
容器包装リサイクル法(容リ法)の規定は違憲だとして、食品スーパーのライフコーポレーションが国などに損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は先週、請求を棄却した。「リサイクル促進のために合理性がある」という趣旨だが、「本当にリサイクルは進んでいるのか」という疑問は残されたままだ。
- ライフは国と日本容器包装リサイクル協会を相手に約六億千六百万円の損害賠償を求めた今回の訴訟で、容リ法はレジ袋や食品トレーなどのリサイクル委託料について、容器メーカーなどに比べ小売業の負担を不当に重くしていると訴えた。また対象となる事業者約十六万社のうち実際に費用を払っているのは約二万七千社。費用を払わない「ただ乗り」業者が多数いるのに放置していると政府の不作為を批判してきた。
判決は「(小売業者の負担割合は)リサイクル促進にとって合理性がある」という内容。ただ乗り業者対策についても容リ協会の「業務ではない」と突き放している。
ライフの清水信次会長は「予想された判決。最初から国を相手に勝訴できるとは思っていなかった。社会に問題提起してリサイクルの仕組みが少しでも改善されればと思っただけ」としている。もっとも「ただ乗り業者を摘発しなくてよいというのでは(委託料を払っている)正直者がバカをみてもいいと言っているに等しい」と憤る。
訴訟では「プラスチック容器類がどの程度再商品化されているか不明」という問題も指摘。ライフは「再商品化と言いながら容リ協会は再商品化を追跡調査していない。実際は焼却や不法投棄、中国などへの輸出が相当ある」と批判する。判決は「(不法投棄などの)主張を認めるに足りる証拠はない」としている。だが不法投棄や焼却のうわさは今も絶えず、リサイクル社会の推進という点で疑問視されていることは否めない。
原因はリサイクル業者が廃棄物を引き取った時点でリサイクルが完了したとする容リ法の仕組みにある。その後焼却や埋め立て、輸出などに回ったとしても再商品化されたとみなされるわけだ。業者は再利用していなくてもリサイクル費用を得ている形で、社会的なむだや環境破壊を放置している懸念がある。
- 産業廃棄物の不法投棄摘発のGメンとして活躍し、「リサイクルアンダーワールド」などを著した千葉県職員の石渡正佳氏は「廃棄物を再商品化し販売した時にリサイクル費を払う方式にした方がいい」と提案する。
「リサイクル品はバージン原料を使った商品に比べコストがかかるので、その差を補助する。これだと不法投棄や焼却をすれば補助が得られないので不法投棄などが激減する一方、再商品化に努める企業が増えリサイクル社会が促進される」 司法判断はともかく、現場からの視点で具体的で建設的な改善がなされなければ、リサイクル行政への不信は解消されないだろう。
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