6月の牛肉需給展望―引き続き和牛3等級、2等級中心にジリ安
牛肉の末端消費は、5月の大型連休需要が不振に終わり、その後も低迷が続いたため6月の枝肉相場は、引き続き和牛3等級、2等級物を中心に下落相場となった。出荷頭数が減少傾向にある交雑種とホルスは小幅な下げにとどまっているが、消費自体は良くない。6月早々は、さらに末端の動きが悪化している。関東地方も梅雨入りしたことで消費回復の材料はなく、6月の枝肉相場はさらに一段下げの展開となりそうだ。在庫圧迫で卸も厳しいが、生産者にとっても厳しい相場となりそうだ
[価格動向]6月の供給量は少なめの予想にあるが、中間流通段階ではロース、カタロースを中心にかなりの在庫を抱えていることや、当面、需要好転の材料がないことから、枝肉相場は引き続き和牛3等級以下を中心にジリ安の展開となりそうだ。中間流通段階でも、今後の生産への影響を危惧する向きも多く、凍結保管の動きも一部見られるが、先行き消費回復の見込みがないため、当面は在庫消化優先となりそうだ。このため和牛3等級以下は弱保合、交雑種、ホルスは出荷減により横ばいと予想される
酪農家廃業率が高まる 都府県6%超/中酪調べ
飼料価格の高騰が長期化する中、全国の酪農家数が昨年4月から今年4月までの間に1197戸減って2万1790戸となったことが、中央酪農会議のまとめで分かった。減少率(廃業率)は5.2%。特に都府県が6.6%と高く、都府県の廃業率が6%を超えたのは8年ぶりだ。
配合飼料は今年1、4月にそれぞれ1トン当たり約3900円、4500円と相次いで値上げされ、酪農経営を圧迫している。中酪は「廃業する酪農家が日に日に増えている」といい、現在の状況が続けば2万戸割れするのも時間の問題となってきた。
6月の豚肉需給展望-例年のような相場高はなく小幅な上昇か
5月の豚枝肉相場は、当初予想よりやや高めの562円(東京市場)となった。末端消費は前月以上に不振が強まったが、全国出荷頭数、市場上場頭数が少なめで推移したため、枝肉相場の大きな崩れはなかった。ただ、末端不振によりロース、カタロース、バラの在庫が増加し、卸筋の逆ザヤが拡大しているため、6月は例年のような相場の大きな上げはないものとみられる。
[相場動向]出荷予測から見れば、6月の枝肉相場は600円を大幅に上回っても不思議ではないが、末端消費不振、中間流通の在庫圧迫により、今年は600円を上回るような相場の大幅な上げはなさそうだ。当初、月初めは枝肉相場の上昇が見込まれていたが、末端の需要が予想以上に悪かったため、枝肉の買い意欲が鈍り、相場は弱気のスタートとなった。問屋筋では、高級部位の在庫圧迫、採算割れによりカット販売を減らす動きがさらに強まっているため、当面の枝肉相場は弱気、または横ばいの推移とみられる。中旬以降は在庫消化の状況によっては上げに転じる可能性もあるが、月平均では560~570円と予想される。今後の末端消費の動向が読めないため、波乱含みとの見方もある
豚・鶏肉 下位等級が急騰/産地表示追い風 業者、国産に移行
国産豚肉の加工食品や外食向け需要が増加している。東京都中央卸売市場食肉市場では4月以降、加工向けとなる下位等級の豚枝肉の相場が急上昇。5月の平均価格は2月の3割高になった。1月に発生した中国製冷凍ギョーザ中毒事件を受け、農水省が食品業界に加工食品原料の原産地を表示するよう要請。これを機に、加工業者や外食業者の間で、国産の肉を仕入れる動きが強まったためだ。鶏のムネ肉も上げ続けている。
東京市場では、肉質が劣る経産豚や種雄豚が大半を占める等外品で、せり値が急騰。5月平均は1キロ403円と、1ランク上の等級(並)の1年前の価格に匹敵する水準まで上昇した。
4~6月出荷はほぼ前月予想並み、7~9月は1%増-肉豚出荷予測
農水省・食肉鶏卵課が5月30日に発表した肉豚生産出荷予測によると、6月の出荷は前年比1%増の126.5万頭と前月予想より3千頭ほど上方修正した。7月は前年比2%減の126.8頭と変わらないものの、8月は125.8万頭と、前回予想より1万1千頭も大幅に下方修正した。9月も134万頭と6千頭ほど下方修正している。これは、概ね3~4カ月先の出荷予測は各農場の肉豚の生育ベースから聞き取っているため、これまで(5カ月先)の母豚ベースからの調査方法が変わったことによるブレが生じたものと見られる。稼働日1日当りの出荷頭数は、6月は6万238頭、7月は5万7,636頭、8月は6万2,900頭、9月は6万7,000頭、10月6万7,000頭となる。7月から8月にかけて前年を大きく下回る見通しで、夏場の供給不足感が強まる恐れがある。
4%追加補てん停止し、初の期中改定の実施へ-飼料高騰対策PT
2008年度畜産・酪農対策の追加対策を検討している自民党・配合飼料高騰対策プロジェクトチーム(座長=葉梨康弘氏、衆・茨城3区)は28日、緊急的な対策として、2月に決定した畜産物行政価格(指定食肉安定価格、指定肉用子牛の保証基準価格と合理化目標価格、加工原料乳生産者補給金など)の初の期中改定を実施。さらに、巨額の財政出動を避けるために配合飼料価格安定制度の追加補てん(4%追加補てん)の発動停止を“前提”にした上で、肥育牛生産者収益性低下緊急対策事業(マルキン補完対策)や肉豚価格差補てん緊急支援特別対策事業などの経営安定対策の充実・強化を図る方針を決めた。今後、農業基本政策小委員会と畜産・酪農対策小委員会の合同会議を開いて、集中的に議論を行う。最終決定は当初の5月末から、6月中旬ごろまでにズレ込む見通しで、実際に行政価格の期中改定を行うとなれば、手続き上、農水省での食料・農業・農村政策審議会の畜産部会を開いて大臣諮問・答申を行う必要性が出てくる。
黒毛和種と交雑種の頭数順調に拡大、ホルスは大幅減-個体識別情報
家畜改良センターがまとめた個体識別情報に基づく2008年3月末の牛飼養頭数によると、総飼養頭数は439万1,561頭で前期比(07年10月末比)0.3%減、前年同期比0.6%増となった。黒毛和種と交雑種は前期比、前年比とも増加し、順調に増頭が進んでいるもののホルスが大きく減少している。また、月齢別の飼養頭数から見た今後1年間の出荷動向は、黒毛和種と交雑種は前年をかなり上回り、ホルスは大幅な減少となりそうだ
{08年3月末の飼養頭数]総飼養頭数は439.2万頭で、前期比0.3%減、前年比では0.6%増と、ほぼ横ばいの推移となった。しかし畜種別では黒毛和種が前期比1.6%増、前年比4.7%増の170.4万頭、交雑種も前期比1.8%増、前年比5.2%増の64.0万頭と、黒毛和種と交雑種は増頭ペースを維持している。これに対してホルスは、生乳の生産調整の反動により前期比2.3%減、前年比3.7%減の194.1万頭と減少の度合いを強めている。特にホルスの雄は前年比6.9%減と大きく減少している
和牛中心に牛肉消費さらに悪化、豚肉も高級部位売れず消費不振深刻
ここへ来て、牛肉の末端消費はさらに悪化しつつあり、特に高級部位の動きが悪く在庫圧迫が強まっている。今後、梅雨の不需要期へと入ることから、消費回復の見込みはなく、枝肉相場はさら低迷する恐れが強まっている。特に動きが悪いのは和牛の3等級、4等級クラスで、2等級、交雑種、ホルスは何とか動いているものの、動きの中心はウデ、モモの低級部位で、ロース、ヒレ、カタロースは在庫圧迫となっている。消費者の節約ムードが強まったことで、量販店の売場は、価格の安い畜種、部位にシフトしているため、単価の高い牛肉、その中でも和牛、ロースなどの高級部位は苦戦が強いられている。
今後、梅雨の不需要期に入ることや、個人消費が回復する材料がないため、業界内では、牛肉の消費不振は長期化するとの見方を強めている。「個人消費が冷え込んでいるため打つ手がない」「先が見えないので買い支えも出来る状況ではない」(問屋筋)という状況。このため、6月にかけての枝肉相場は、和牛を中心にさらに下落する可能性もあり、今後の生産への影響が懸念されるところ
[畜産危機]飼料高「もう限界」 経営縮小・中止の恐れ 豚6割、肥育牛2割/鹿児島で調査
配合飼料価格の高騰で、畜産農家が危機的状況に陥っている中、JAグループ鹿児島はJA系列の肥育牛農家と養豚農家に緊急アンケート調査をした。その結果、飼料価格が今後高止まりか上昇した場合、経営を縮小・中止する農家が肥育牛で2割、養豚では6割という厳しい結果が出た。それを裏付けるように、同時に行った生産費調査で、2007年度は肥育牛が1頭当たりで約2万3000円の赤字、養豚は赤字ではないものの、利益が前年度より大幅に減ったことも分かった。
牛肉不正輸出企て4人逮捕=「カニ」と偽り国産を中国に-道警
日本産牛肉の輸入を禁じている中国に、国産牛肉をカニと偽って不正に輸出しようとしたとして、北海道警生活経済課と苫小牧署は21日、関税法違反の疑いで、食品加工販売会社「藤田鯨販」社長藤田陽彦(41)=大阪市福島区=、食肉販売会社「テイク・ワングループ」社長松尾眞之(52)=同市都島区=両容疑者ら4人を逮捕した。いずれも容疑を認めている。
調べによると、4人は共謀し、中国が輸入を禁止している国産牛肉の密輸を企て、大阪市内で段ボール箱137カートン(約3トン)の国産牛肉を箱詰め。「冷凍ズワイガニ」と箱に表示した上で、北海道紋別市で段ボール箱349カートン分の冷凍ズワイガニに交ぜて偽装し、4月1日、函館税関苫小牧支署に輸出申告した疑い
食料品の密輸を連続摘発=穀物価格の急騰受け―中国税関総局
2008年4月30日、税関総局によると、このほど連続して発生している食料品の密輸について、検査体制を厳格化して臨む方針だという。新華社の報道。4月、杭州税関で4件の食料品密輸および輸出品の虚偽申請が摘発され、米7t、小麦33tが押収されたのを皮切りに、各地の税関で同様の事件が頻発している。
このような密輸の背景には、近年まれに見る食料品の国際価格の急騰がある。過去2か月で食料品の国際価格は全体で9%の上昇を呈しており、中でも米はこの19年来で最高値、小麦粉は28年来で最高値を示している。これに対し、中国国内での食品価格上昇率は比較的緩やかで安定しており、この価格差を狙って、一部の業者が密輸による暴利をむさぼっている。これを受けて税関総局では、輸出品のサンプリング検査を厳格化するととともに、食料品および食用油の輸出企業への監察を強化し、密輸ルートの特定や密輸犯の摘発に努める
NYで「最も高価なハンバーガー」、1個1万8000円
当地で最も高価なものを紹介するオンライン情報サービス「ポケット・チェンジ」は、ニューヨークで最も高価なハンバーガーが、金融街にある「ウォール・ストリート・バーガー・ショップ」の1個175ドル(約1万8000円)のハンバーガーであると発表した。
同店の共同オーナー、ヘザー・ティアニー氏は「ウォール街は、景気が良い日もあれば悪い日もある。われわれは、毎日食べる4ドル(約420円)のハンバーガーと本当に景気の良い日用の特別なものを作りたかった」と、高価なハンバーガーを作った理由を語った。同ハンバーガーは、同店のシェフと共同オーナーのケビン・オコネル氏が価格に見合ったものをと考案したもので、ブリオッシュのパンの上に神戸牛のパテ、大量の黒トリュフ、スライスしたフォアグラ、熟成したグリュイエールチーズ、ワイルドマッシュルームのほか金箔(きんぱく)が散りばめられている。
ティアニー氏によると、同店2階のレストランで提供されるこのハンバーガーの売り上げは月20─25個。その一方で、1階のカウンターでは毎日、4ドルのハンバーガーを数百個販売している。
これまでの最も高価なハンバーガーはDBビストロモダンの120ドル。同店が150ドルに値上げをしたことを受け、ティアニー氏の店は19日に175ドルに値上げした
売上高、営業利益増加も利益率は1.5%と低水準-食肉加工3月期決算
食肉加工関係の3月期決算が出揃った。上場企業11社の連結売上高は前期比4.0%増となり、営業利益も10.5%増と改善が見られたが、経常利益、当期利益は2ケタ台の減少となるなど、依然、業界の環境の厳しさを反映したものとなった。また、営業利益率は前年より0.1ポイント改善したものの1.5%と、他の業種と比べて低い水準にとどまっている。経常利益率は1.1%、当期利益率は0.5%と依然低水準にとどまっている。売上は、食肉相場高、製品値上げ効果などにより増加し、営業利益も改善したが、利益率は低水準にとどまっており、利益率の改善が今後の大きな課題。次期は、再度の値上げ効果で利益率の改善が期待されるところ。
カタロースの動き止まりで和牛スソ物相場弱気の展開、外モモも低迷
5月の連休後、一時持ち直しつつあった牛枝肉相場だが、ここに来て和牛スソ物を中心に再び弱気の推移となっている。末端の消費不振がその要因となっており、特にカタロース、ロースの不振が全体の足を引っ張っている。中間流通段階での在庫も再び増加する傾向にあることや、不需要期に入ることから、今後の枝肉相場は、しばらくは弱気の展開となりそうだ。連休明け後の在庫をなんとか消化した状況にあったが、今週に入っての末端の動きは、バラ系はまずまずの動きとなっているものの、カタロースは全く動かず、ロースは動きが鈍いものの何とかさばいている状況。これまで動きが良かったウデも鈍り、モモ系では外モモの動きが止まっている。このため、カタロースを中心に先行き在庫増の懸念が強まり、枝肉相場は弱気の展開となっているようだ。畜種別では、最も悪いのは和牛3等級以下で、交雑種はそこそこの動きを維持し、ホルスは出荷頭数の減少もあってカタロース、ヒレ以外の動きは良い。挽き材用の乳廃牛は、引き続き好調な動きを維持している。
追加対策の議論大詰めへ、コスト割れ起こさぬ対策を-自民PT
畜産・酪農対策の追加対策を検討している自民党の配合飼料高騰対策プロジェクトチーム(葉梨康弘座長、衆・茨城3区)は16日、7回目の会合を開いた。この日の議論は、生産者団体などからの要請を踏まえて総まとめの議論を展開。専らこの先の財源手当てと各対策への配分のあり方などに議論が集中したものの、議論の収斂は見られなかった。次回会合(21日)から追加対策の取りまとめに向けて大詰めの議論に入る方向だ。葉梨座長は会合以後、記者団に対して「これまでPTで議論してきた、(1)配合飼料価格安定制度・経営安定対策(2)価格転嫁対策(3)飼料米など自給飼料対策――の3つの対策が目指すものは結局、販売価格が生産コストを割らないことだ。財源が厳しいなかで、これらどんな対策を組み合わせれば一番カネが取り易いのか検討していく必要がある」とし、「これからとうもろこし価格がさらに上昇するなど、農家の先行きの不安はさらに高まる恐れがある。(当初目標の5月末に向けて)できるだけ早くまとめて、メッセージを発したい」と述べた。
小麦豊作、90万トン超 大豆2500トン減/07年産
農水省は17日までに、2007年産の4麦(小麦、二条大麦、六条大麦、裸麦)と大豆の収穫量を発表した。小麦は、主産地の北海道や九州で天候に恵まれ生育と登熟が良かったため、前年産を7万2900トン(9%)上回る91万100トンと、17年ぶりに90万トンを超えた。10アール当たり収量も434キロと、統計データのある1878年以来、最高値となった。一方、大豆は作付面積が前年産に比べて減ったため、収穫量は前年を2500トン(1%)下回る22万6700トンとなった
極東ロシア向け拡大 地の利生かし 青果や花翌日販売/JA新潟みらい
JA新潟みらいは、極東ロシアのハバロフスク市向けに青果物の輸出を強化している。昨年、初輸出した梨、桃に加え、今年は小玉スイカとメロンが加わる。新潟の対岸であり、空輸すれば東京出荷より近いという「地の利」を生かしたもの。1回の輸送量は限られているが、現地の富裕層の需要、輸送状況の改善などを見極め、順次拡大していくことにしている。JAのロシア極東地域向け輸出は、2005年に見本市に出品したのが始まり。
飼料米、生かせ有望株岩手育ちでブランド化/神奈川の養豚会社
年間23万頭生産している養豚会社のフリーデン(神奈川県平塚市)が、岩手県内で飼料米を与えた豚のブランド化に乗り出す。来年4月から試験的に、月間約160頭販売する計画だ。一関市、大東地域の農家が栽培した飼料米を使い、豚の排せつ物を堆肥(たいひ)に利用、循環型農業と両にらみで進めている。飼料米は玄米を粉砕したものを配合飼料に混ぜて出荷前の約2カ月間与える。配合割合はこれから決めるが、事前に行った給与試験では、3割ほど混ぜると脂肪の質が変わり、食味向上につながったという。フリーデンでは「コストは配合飼料より米の方が高いが、差別化につながる」と期待する。品質の高さを売りに、百貨店や高級スーパーとの契約にこぎ着けたい考えだ。
- 循環型展望 飼料米に取り組む大東地域では、2002年からフリーデンや旧大東町、東京農業大学、JAいわい東が連携して転作田で飼料米を生産し、養豚に活用するプロジェクトが発足。排せつ物も地域で利用してきた。昨年から、飼料米の生産コスト低減と、栽培技術の確立を図ろうと、地域にあった品種の試験を始めた。今年は、東北農業研究センターが開発した「ふくひびき」に一本化。10ヘクタールで取り組み、収量は約700キロだった。 畜産と水稲の複合経営農家、菊池松夫さん(67)は、3年前からプロジェクトに協力。今年は1・2ヘクタールの水田の内、転作部分の約30アールで参加した。「大豆や麦を作っても水はけが悪く品質が悪い。米は、わらも牛に活用できるので好都合」と話す。飼料米は、主食用米の乾燥調製が終わった10月中旬からJAなどのライスセンターに運んだ。単価は1キロ63円(昨年の取引価格)。産地づくり交付金10アール当たり4万5000円と合わせ「低米価なので、現時点では主食用の米と同程度になる」と強調する。菊池さんは今年、飼料米作りを広げようと、農家3人で生産組合を立ち上げた。農家の転作部分を集積して60アールで多収品種を団地化。コスト低減を図っている。
- 100ヘクタールが目標 さらに、同地域では今年、地主から農作業の委託を受け、転作部分の3ヘクタールで飼料米の生産に取り組む農事組合法人も現れている。一関市大東支所産業経済課の小野寺正寿さんは「農家の意欲は高く、需要量にもよるが、将来的に100ヘクタールに広げるのが目標」と話す。フリーデンは、生産から加工まで一環経営し、東北、関東、東海地方を中心に販売展開。一関市大東地域のほか10地域に農場がある。血統や餌、水にこだわって飼育した豚を「やまと豚」としてブランド化している。米を与えた豚は新たなブランドとして加わる予定だ。「市場の反応や取り組みの進ちょく状況を見ながら、増やしていきたい」(フリーデン)と話している。
◇東北向け飼料米「ふくひびき」「べこあおば」
トウモロコシを中心とした穀物価格の急騰で、飼料米への関心が高まってきた。水田で生産可能なため導入しやすく、自給率向上にも結び付く。東北地域には「ふくひびき」「べこあおば」のような専用品種が開発されており、今年産の10アール収量が1トンに達した品種もある。
- 8割占める 豚や鶏に与える飼料米の全国の作付面積(2006年)は約100ヘクタール。この8割以上が東北で、特に岩手県、山形県で豚用としての生産が増えている。
飼料米には、東北農業研究センターが育成した東北向け品種として早生の「べこごのみ」、中生の「ふくひびき」、中晩生の「べこあおば」の3品種がある。玄米収量が一般食用品種より2割は多く有望だ。
今年、同研究センターが秋田県大仙市で行った多肥栽培試験(窒素成分10アール当たり15キロ)では、10アール収量が「べこごのみ」約800キロ、「ふくひびき」約900キロ、「べこあおば」で約1トンの玄米(くず米も含め)収量が得られた。「今年は気象条件が良かったため、このような高い収量になったと考えている。条件が整えば、これだけ取れるということにもなる」と低コスト稲育種研究東北サブチーム長の山口誠之さん。
専用品種は窒素肥料を与え過ぎても倒伏することはなく、それだけ増収になる。畜産との連携で家畜ふん堆肥(たいひ)を利用した多肥栽培、直播栽培にも適している。
- 多収がカギ 直播(ちょくは)栽培で玄米収量が1トンになれば、大規模経営で生産費を10アール6万円に抑えられるとして、1キロ60円の玄米生産が可能になる。「これは飼料米として何とか経営が成り立つ価格」(山口さん)。農家への普及技術では、直播栽培で玄米収量1トン取りが課題といえる。
成豚値上がりの主要因は国内需要か
4月後半2週間の成豚価格は、例年の4・5月期の値上がり幅を大きく上回り、20%近く上昇した。アナリスト達は根強い国内需要が原因と推測している。中西部トウモロコシ地帯の過去5年間の成豚平均価格(100ポンド当たり)は、4月1週は56.86ドルで、5月3週までには約15ドル上昇して71.72ドルになるとも言われる。今年の3月3週は49.72ドルに下がったが、通常の5月中旬のピークより数週間も早い4月28日に、既に73.20ドルに達した。アナリスト達も値上がりを早めた原因の説明に戸惑っている。豚の分娩が少ない寒い冬を経て春先は時期的に供給が少ないが、4月4週間の成豚処理頭数のペースは前年より14%高くなっている。輸出も好調だが、このところのコンテナ不足で減速している。鶏肉価格は横ばいで、豚肉は牛肉に較べ価格が手頃なことから、国内需要が要因だろうと説明している。
一方で、値上がりは、大いに必要とされる頭数削減を妨げるという懸念もある。現在の飼料価格でみて6~8%の削減が必要だが、今後飼料が1ブッシェル7ドル台に達したら、16~18%の頭数削減が求められる。しかし上がるものは下がるので、5月1週には、パッカーのマージンが下がるのにつれて、価格上昇に急ブレーキがかかると予想している。
コンテナ不足で輸出に影響も
輸出用コンテナの不足で、輸出売上高が減少している。深刻な状況を憂慮した各種農産業団体は、関係政府機関に問題の調査を依頼した。農業輸送連合(ATC)は今週、業界関係者約70名と国際貿易委員(ITC)の役員を集めて問題を検討した。ATC側でも連邦海事委員会や民間海運会社と話し合いを進めている。韓国向け牛肉輸出の増加で、更に1ヵ月当たり800~1,000台のコンテナが必要になると見られている。
米ドル安は食肉のような米国製品の海外需要には好材料だが、一方で米国の輸入が減少している。輸出製品を載せて米国から出航したコンテナは、米国に戻らずに他の目的地に向かっている。米国経済の低迷でアジア - 欧州ルートの収益性が上がり、アジア圏内や南アメリカ - アジア間の貿易が増加して、事業のインフラを米国から好調な市場に移す船会社も出ている。また現在の燃料費の値上がりが内地のコンテナ輸送価格をつり上げており、食肉輸出コストが最近6~9ヵ月間で50%増加したケースもある。大量の成豚供給を考えると、堅調な輸出活動が必要だ。
テキサス州、エタノール生産差し控えを提唱
テキサス州のペリー知事は、連邦が指令するエタノール生産を手控える運動を推進して、再生可能燃料基準の50%適用差し控えを求めている。その要請に対し、国内最大の食肉会社と鶏肉会社(タイソン社とピルグリム社)が直ちに支持を表明した。業界関係者は、トウモロコシを原料にしたエタノール生産が、食品値上がりの主要因であると指摘している。一方エタノール支持派は、現在の世界的な食品のインフレは天候、食品の需要増、エネルギー価格が主な要因で、エタノール生産の食品価格への影響は過小と主張している。しかし過去最高のトウモロコシの高値が、畜産業の収益に大きな打撃を与えているのは明らかだ。激増する飼料費の負担はまだ転嫁されておらず、全面的な影響は今後消費者が食品価格で実感することになる。
ぺリー知事は環境保護庁(EPA)に宛てた要請書で、具体的金額を示して州経済への影響を説明している。トウモロコシが1ブッシェル当たり1セント値上がりすると、テキサスの畜産業界は604万ドルの損害を被る。2004年2.06ドル対2007年収穫分4ドル(USDA予測)の比較では11億7,000万ドル、2008年は8ドルと予測すると35億9,000万ドル相当の悪影響がある計算だ。
ペリー知事の要請に対して、タイソン社は砂糖から作られた輸入エタノールの関税撤廃と、トウモロコシを原料する国産エタノール対象の、1ガロン51セントの税還付の撤廃か削減を議会に求めた。同社の米国産トウモロコシと大豆ミールの経費は2006年から倍増している。
EU輸入食肉、9割はGM飼料使用
EU市場では、遺伝子組み換え(GM)飼料の使用はまだ承認されていない。しかし輸入食肉の9割は、GM飼料で育てられた家畜由来のものだ。GM飼料と非GM飼料の価格差は1トン当たり50ポンド(約¥10,132)ある。欧州議会農業小委員会のパリッシュ委員長は、「EUで禁止している飼料で育った家畜の肉を輸入するのは大いなる皮肉だ。この状況で得する人はいない。消費者には区別がつかないし、農家は割高の非GM飼料を買わされている」と指摘している。同氏はGM飼料の輸入を一切認めない政策の見直しと、世界の他地域より大きく遅れているGM承認手続きを急ぐよう委員会に要請している。「新種のGM大豆が世界各地で栽培されている現実を考えると、EU市場で輸入される飼料が完全に非GMであることの保証は実質的には不可能だ」と述べている
<松坂牛>中国で商標登録申請 「松阪牛」と一字違い
中国で三重県を代表するブランド「松阪牛」と一字違いの「松坂牛」の商標登録が中国人によって申請されているとみられることが14日、分かった。中国商標局のホームページ上に申請が掲載されていることを三重県松阪市が確認した。同市は市内の企業を通じて「松阪牛」の中国での商標登録を進めているが「松坂牛」が先に認められると本家の「松阪牛」が類似商標扱いで登録を認められない可能性もあるという。市が事実関係を調べている。
市農林水産課によると、ホームページには、中国人の個人が05年9月に「松坂牛」の登録を申請したことが掲載されている。松阪市側の申請は06年5月で、「坂」が先に認められる可能性がある。申請者や、申請の意図は不明。現在、登録に向けて審査が進められているかどうかも分からないという。中国では「鹿児島」「美濃焼」など日本の地名やブランド名を勝手に商標登録するトラブルが相次いでいる。市などは対抗策として中国での商標登録を進めたが、その前に思わぬ「変化球」が投げられていた形。同課は困惑しながらも「事実を確認し、対応を検討する」としている
「鹿児島」商標登録問題:知事、中国政府に不快感 /鹿児島
中国で「鹿児島」の商標登録申請が相次いでいる問題について伊藤祐一郎知事は21日、定例記者会見で「こういう未熟な法制は、法治国家なら、中国政府はやめてもらいたい」と不快感を示した。「日本だったら、よその地名(の申請)は、最初からアウト。地名かどうかはコンピューターではじける(検索できる)はず」とも。
かごしまPR課などによると、県は「小売業等」の分野での商標申請に対し、県が進める上海へのアンテナショップ構想への影響を懸念。「公知の地名」として3月、異議を申し立てた。その後「教育」分野では中国簡体字で「鹿儿島」が04年に登録されていたと判明。中国語で「長頸鹿」と書くキリンなどの絵を添えて登録され、地名かどうかは不明という。小売業の場合と違い「県への直接的な影響はない」と同課はみている。このほか同様の商標申請は「衣料」「食品加工」など7分野でもあり、中国当局で審査中という
酪肉近代化基本方針で安定制度と飼料増産への意見が集中ー畜産部会
農水省の食料・農業・農村政策審議会の08年度第1回畜産部会が9日、東京都千代田区の同省三番町分庁舎で開かれた。08年度酪肉近代化基本方針工程表(案)の説明をめぐって、委員からは配合飼料価格安定制度の維持・運用と国産飼料増産への取り組みに対する質問や意見が集中した。特に安定制度について、生産者出身の委員は、価格転嫁などが思惑通り進まない実情や、借り入れによる制度維持への先行き不安などに触れ、財源の確保を含めた抜本的な施策の必要性を訴えた。また、飼料用米の活用については、「国家戦略にしてほしい」と基本方針への明確な位置付けを求めた。
事務局からは、畜産をめぐる情勢をはじめ、農業に関する国際交渉の現状、07年度酪肉近代化基本方針工程表の取り組み状況とその評価、それに今年度の基本方針工程表(案)が説明された。これに対して、委員の関心は安定制度の維持と国産飼料増産への取り組みに集まった。
4月以降も飼料価格の高騰が続く中、「安定制度はこれまで機能してきた。制度の根幹を今後も維持すべきである」「通常補てんについては借り入れでもまかなえない500億円近くの不足分への手当てがない」と金銭的手当てを含めた抜本的な見直しを求める声が上がった。これに対して同省は「議論は財政の問題である。(財政的手当てが難しい中)価格転嫁を含めて考える必要がある」とこれまでの考えを繰り返した
BSE対策、全頭検査に反対・米政府
米政府は9日、BSE(牛海綿状脳症)対策を強化する狙いで独自の全頭検査を認めるよう求めている食肉加工業者との訴訟で、全頭検査に反対する考えを改めて表明した。全頭検査は安全性を保証せず、消費者に誤った判断を与えかねないと主張した。AP通信がワシントン高裁の審理の内容を伝えた。自主的な全頭検査を掲げて政府と争っているのはクリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ(カンザス州)。昨年3月、ワシントン地裁は全頭検査を認める判断を示したが、政府は不当だとして控訴した。クリークストーン社は牛肉の安全性に関心が強い日本や韓国の市場開拓も視野に入れ、全頭検査の正当性を訴えてきた。米国では消費者団体を中心に評価する声が目立つ半面、食肉の関連業界は検査にかかる負担増を招くと反発し、全頭検査の承認を拒む政府の方針を支持している。
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