| 浮上した海外食糧危機 |
急浮上した世界食糧危機【記事はWEDGE6月号からまとめました。詳細はぜひお買い求めください。】
4月11日からのワシントンの7カ国財務相・国際通貨基金・世界銀行などの国際会議が開かれた日本ではサブプライム問題ばかりに関心が集まったが、むしろ争点があたったのは食糧問題である。
いまや食料は国際政治のホットイシュー【暑い問題点】なのである。
たとえば小麦。
昨年3月には1トン当たり200ドル強だった価格は、今年【2008】3月には480ドルとなり1年間で2.3倍強に跳ね上がった。
トウモロコシはこの間に1.4倍。
コメも1.7倍になっている。
小麦輸出国アルゼンチンは輸出規制を掛けた政府と農民との間で衝突がおき
エジプトでは政府が低所得者向けに売っているパン屋を市民が襲い死者まで出た。中南米のハイチではコメよこせデモが起こり、アレクシス首相は解任に追い込まれた。
フイリピンでもコメ不足から民衆の蜂起が起きている。エンゲル係数が50%〜75%に上る国々33カ国が社会不安に直面しているとされる。
環境破壊から近未来へ続く道がどちらを向くのかはしばらく眼が離せないでしょう。ものが減少していく時代背景にあります。食料を残し無駄をしてきた付けがいま一人一人に降りかかってくるのかもしれません。
- 世界銀行によれば、過去3年間で1億人が新たに貧困に陥った。食料はもはや単なる経済問題で無く国際的な政治問題になっているのだ。日本もいずれそうなるかもしれませんね。
- 環境と同時に一人一人が襟を正さねば近未来私達の子供や・孫の時代にはどうなっていくのか分かりませんね。
- 食料の高騰の頑強は中国・インドなど新興国の台頭に伴う需要増加だ。中国などは単に食料需要が大きいばかりでなく生活水準の向上に伴った肉の消費量が増加し、家畜に食べさせる飼料が増加している。
- 人が直接穀物を食べていた時に比べて穀物が余計必要になっている。金に任せて食料を買いあさっている。原油など資源・エネルギーの高騰と同じ波が食料の世界にも押し寄せている。
- じつは資源エネルギーの高騰こそが今回の食糧危機の隠れた主役なのである。ブッシュ政権が打ち出した新エネルギー戦略、トウモロコシから取れるバイオエタノールをガソリンに代わる燃料として開発推進すると打ち上げたのである。その結果米国農民はとうもろこしを食用ではなく、燃料用として生産するようになった。
- アメリカは世界最大の食料生産国であり輸出国でもある。そのアメリカが食糧供給を絞るような事をすれば結果は目に見えている。とうもろこしの価格高騰が引き起こされたのである。
- 見逃せないのは、エタノール転換がブッシュ政権の補助金になっている点である。ブッシュ政権は再生可能燃料基準を設定し2015年までにとうもろこしから精製したエタノールを150億ガロン使用する事を義務付けた。2008FMIセミナーに於いては、エタノール生産設備や使用に掛かる条件などをバランスに載せたときにはすごく高いものになると言う説明も出てきました。
- 直接の農業補助金を削減したアメリカは、新エネルギー政策の名を借りて燃料生産を補助する形をとったのである。
- しかも農産物の価格が高騰すれば農民の所得が増加する。農家の収入はここ10年間で50%も増加する見込みである。
- 前回は70年代に食料価格が高騰したが、国際食料価格のサイクルから見て食料品は今後更に2〜3倍の値上がりすると予想している。
- 世界食料農業機関では【陰謀説ではないが】と断りつつ【ドルへの信頼が失われた事で、投資ファンドが高い収益を求めて商品市場にやってきた。】と指摘する。
- 小麦・とうもろこし・米が投機の対象になる。このためにいよいよ市場の需給は逼迫し価格高騰に弾みがついている。典型的な穀物バブルがおきているのだ。
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| 食糧生産国による囲い込み・中国に買い負ける日本 |
米国が自国の都合で食糧を玩具にしている間に食料が単なる市場商品でなくなってしまった。
- 輸出規制が燎原の火のように燃え盛っている。
- アルゼンチンは小麦の輸出登録を一時停止し、小麦・大豆・とうもろこしに輸出税を掛けた。ロシアは大豆・小麦に輸出税をかけ、ウクライナも小麦・トウモロコシなどの輸出枠を設定した。
- 穀倉地帯にあるこれらの国々が輸出規制に走れば食料供給がぎゅっと絞られる。
- 自国内の食糧確保を優先せざるを得ない低所得国はもっと大変だ。今回の米不足の直接の引き金を引いたのはエジプトのコメ輸出停止。ベトナム・カンボジアもコメ輸出を禁止した。
- 世界最大のタイはインド・ベトナムとコメの輸出に価格についての協議に入ると伝えられた。【コメのOPECだと指摘するメデイァもある。】
- ともあれ【穀物の囲い込み】がおきているのだ。
- なりふりかまわぬ買い手として目立つのが中国である。食料生産国の取り込みを急いでいる。ニュージランドとの自由貿易要諦締結。オーストラリア・インド・ウガンダなどとの関係強化が目立つ。
- コメを除く食料を輸入に頼る日本があおりを食っているのはいうまでも無い。【買い負け】と言う言葉が定着してしまった。
- 一連の食料価格の高騰を対岸の火事と見ていると手痛いしっぺ返しを食いかねない。食料が入らない不安が出てきたら、流通や末端段階での在庫の積み増しが起きてきて消費者への供給が一気に細る事が考えられる。
- 日本の食料輸入先であるアメリカやオーストラリアは先進国であり、食料輸入が途絶える事は無い。しかしオーストラリアが空前の干ばつに見舞われて穀物の生産が大幅に落ち込んでいるなど、地球温暖化に伴う異常気象の影響は見逃せない。
- 近年食料輸出国としての中南米との関係強化は重要な課題である。
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| 問われる日本政治力農政・外交は脱皮出きるか |
- 国内での食料自給率向上の議論が出てきそうだが忘れてならないのはこれだけ国際価格が高騰しても国産農産物のほうが依然として割高であるという、冷厳な事実である。
- 農業を補助金付けにして小規模農家を温存してきた結果が低・生産性と高価格になって回ってきているのである。
- 農業を集約化し、海外でも売れる農産物を作れるようにすることが欠かせない。食の安全や品質の高さから中国などで日本産の農産物への需要は大きい。
- 間違っても補助金のバラマキを加速させるような事があってはならない。食品価格の上昇は生活にとって痛手だが、価格は重要な市場のシグナルである。無理に価格を抑えるような事をすべきでない。
- 価格上昇は飽食の抑制につながる一方名が負い目で見た世界的な食糧生産へのインセンテイブ【経済的誘引】になる。
- 洞爺湖サミットで議長国日本に試されるのは、低所得の食糧危機を緩和するために緊急援助と共に米欧と共に長期的な供給力を高めるための総合戦略を策定する事なのである。
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