2008・FMIスピークスのヘッドライン

ここ数年、FMIのスピークスの話題は「ヘルス&ウェルネス」が中心で健康な食生活の提案をスーパーマーケットの課題として提唱し、今年もそのトレンドは継続されていましたが、大きく変化があったのは、やはり「環境問題」です。アル・ゴア氏が各地で講演されている「不都合な真実」のデータにも触れ、環境問題がどのように食品小売業に影響するかを考察しています。

まず、環境問題がデメリットに作用する要素として、原油高における食品の価格上昇。そして、世界的な食糧不足、水不足、水害、災害。世界的な環境変化における危機が、避けようのない事実として進行していると、警鐘を鳴らしていました。様々な温暖化への対策は、まさに焼け石に水のような状態で、もっともっとスピードを上げて取り組まなくてはいけない。このような危機感が世界中で感じられています。 

一方、環境問題にもメリットになる部分があります。
「グリーン・トゥ・ゴールド(環境は金なり)」と表現されるように、環境に対しての危機感が最高潮である今だからこそ、環境問題に取り組んだり、あるいは環境に良い商品を開発することは大きな利益につながるということです。

環境問題、原油不足による食糧不足は、食品小売業に直に、そして大きく影響する問題です。バイオ燃料を作るために、トウモロコシや小麦の値段が上がったり、あるいは輸出コストの上昇で、食品原料のコストが上がったのは記憶に新しい事実です。また、環境の変化による干ばつや水害、冷害、サイクロンで作物が不作、あるいは全滅になるということもあります。

●オーガニックの成長
オーガニックの売上はグロサリー全体の売上の中では小さいものであるが、部門ごとの成長率は従来からの商品と比べると大きな伸びをみせている、以下の表は、いくつかのカテゴリーにおいて、オーガニック以外のものとオーガニックの成長を比較し、売上成長率を表したものである。

カテゴリー 2006年に対する2007年の売上増加率
ボディケア オーガニック
オーガニック以外
47%
3.5%
ゼネラルマーチャンダイズ オーガニック
オーガニック以外
239.9%
1.5%
冷凍食品 オーガニック
オーガニック以外
22.9%
3.5%
グロサリー オーガニック
オーガニック以外
19.5%
2.9%
生鮮(パック) オーガニック
オーガニック以外
7.6%
7.7%
冷蔵品 オーガニック
オーガニック以外
15.7%
9.0%
注:オーガニックを含む割合は1〜100%

●シカゴにおけるスーパーマーケットトップ10ニールセン調べによる

親会社 バナー名 オーナー/オペレーション 店舗数 ACV(時価額)
単位1000$
シェア
1 スーパーバリュー ジュウェルーオスコ/
ジュウェルフードストア/
セイブアロット/
サンフラワーマーケット
スーパーバリュー・アルバートソンズ・ミッドウエスト・セイブアロット・スーパーバリュー・サンフラワーマーケッツ 184 6,375,460
39.2
2 セイフウェイ ドミニクス セイフウェイ
ドミニクスディビジョン
82 1,891,500 11.6
3 ウォルマートストアーズ ウォルマートスーパーセンター ウォルマートスーパーセンター 18 1,073,800 6.6
4 セントラルグローサーズ ウルトラフーズ・ストラック&バンティル・タウン&カントリーマーケット・バンティルズメガマート・キーマーケット ストラック&バンティルスーパーマーケット 29 912,600 5.6
5 マイヤー マイヤー マイヤー 14 598,000 3.7
6 アルディ アルディ アルディバタヴィアディビジョン・バラパライソディビジョン・オーククリークディビジョン・アイオワディビジョン・N.C.ディビジョン 123 558,740 3.4
7 ホールフーズマーケット ホールフーズ/ワイルドオーツ ホールフーズマーケット・ミッドウエスト・ワイルドオーツ 15 439,400 2.7
8 ターゲット スーパーターゲットセンター スーパーターゲットセンター 12 374,400 2.3
9 クローガー フード4レスクローガー/クローガー フード4レス・ミッドウエスト・クローガー/セントラルエリア 17 373,100 2.3
10 トレーダージョーズ トレーダージョーズ トレーダージョーズ東部ディビジョン 15 196,300 1.2
合計 トップ10
市場全体

509
976
12,793,300
$16,271,500
78.6
100%


機能性食品利用のトレンド

米国では肥満の蔓延や医療費の高騰を背景に、食生活の補強に機能性食品の利用が広がっている。食品マーケティング協会(FMI)の調査で、予防を心がけた食生活を送る(69%)、既にある健康障害の治療に食品を利用(27%)、健康障害発生のリスク軽減に努力(36%)、医者の助言に従う(30%)もしくは自己対応(25%)-という結果が出ている。食品トレンド・市場予測会社のスローン・トレンド&ソルーションズ社は、以下の機能性食品の利用傾向トップ10を挙げている
  1. 健康的な家庭生活
    ヘルシーな食生活を心がける(57%)
    脳や目によいDHAや消化を助けるプロバイオティクスの摂取。
  2. スーパーフード *
    最近になってスーパーフードの健康効果が科学的に実証され、人工的な栄養素添加ではなく、食べ物丸ごとの栄養分に注目する傾向が生まれた。例えばブラッドオレンジ、クコの実、マンゴスチン、ひよこ豆など。
    *抗酸化物質やフィトケミカル(植物栄養素)が豊富に含まれ、生活習慣病の予防や免疫力の向上など、健康に関する効能が期待できる食べ物の総称
  3. あっさりした満足感のある食品
    2010年までに690億ドル規模に成長すると予想されるダイエット市場は、単なる減量から製品少量化、特定食品の制限、ローファットで満腹効果のある製品摂取による体重管理へとシフト。満腹効果、満足感のある製品に人気。
  4. 団塊世代向け食品
    今後10年間に3,100万人が65才になり、団塊世代7.600万人の最年長組が60代に突入する。健康障害に特化した食品の需要が急増。高コレストロール、高血圧、骨粗鬆症、糖尿病に対応・治療する機能性食品のニーズ。
  5. 健康を意識した製品選択
    栄養強化食品・飲料が当たり前になる。普段の食事でビタミンA/B/C/E、カルシウム、食物繊維、酸化防止剤、オメガ3・DHA・魚油、カリウム、鉄分、葉酸の摂取に努める。
  6. グリーンライフ
    より簡素で自然な食生活を目指し、時間と予算に余裕があれば、原材料があれこれ入っていない、産地に近い新鮮な食品を求める。2007年に13%増加したオーガニック食品の売り上げは、2018年まで2桁成長の予想。
  7. スマートスナック(賢いスナック)
    栄養分が高いもの(66%)、低カロリー(63%)、100カロリーパック(25%)を探す。ここ2〜3年でヘルシースナックVS従来型スナックの売上比は3:1と前者が優勢。
  8. 食品アレルギー
    自分や子供が食品アレルギーや過敏症に悩むと感じる大人が増加し、それに対応した市場が潤う。7,000万人が消化器系の病気を抱え、食物繊維強化で無グルテンの食品の増加を期待。
  9. 忙しい毎日のエネルギー補給
    食生活を見直す理由のトップはエネルギー。活力増進(55%)、スタミナ・耐力増強(48%)や目覚めを助ける(46%)ためなどに必要。
  10. 簡便な製品の普及
    手軽に買えるコンビニが原動力。さらに売り上げアップの新企画を導入中

戻る