2月の牛肉需給展望 需要面での好転材料なく相場は弱気の推移
1月の牛枝肉相場は、出荷頭数が少なめに推移したため2等級、3等級物を中心に前月より値上がりしたが、前年同月比では大幅安の状況には変わりない。出荷頭数が特に少なかった乳雄のみ前年を100ほど上回る高値相場となった。末端消費は引き続き低級部位中心となり、ロース、カタロースなどの需要が鈍いため2月も相場回復の材料は乏しく、出荷動向が相場の鍵となってきそうだ。
[価格動向]1月は末端需要が弱かったものの枝肉相場は反発に転じたが、出荷頭数の減少がその要因。2月は、和牛、交雑種を中心とした出荷増予想に対して需要面で好転材料が乏しいため相場は安値推移と予想されるが、出荷動向が鍵となってきそうだ。業界内では「弱気の推移」との見方が多いが、2月も出荷控えの動きが続けば強気の相場展開となり、逆に予想より出荷が増えれば相場下落が予想され、出荷頭数に大きく左右されそうだ。出荷頭数は、前半が多め、後半が少なめとの予想もあり、相場も前半安、後半高となる可能性も。乳雄は輸入品との競合により大きな上げはなく弱気の推移と予想される
09年の牛肉対日輸出3.0%増の37.5万tを予想−MLA需給予測
MLA豪州食肉家畜生産者事業団は3日、2009年の豪州の牛肉需給予測を発表した。それによると干ばつの影響から脱し、09年以降は飼養頭数、と畜頭数、枝肉生産量とも増加に転じ、09年の輸出量も前年比3.4%増加し、うち対日輸出は3.0%増の37.5万tを見込んでいる。
09年の需給を予測するに当たってMLAでは「世界金融危機の影響が最大の鍵となった」としている。新興国の経済はまだプラスの見通しにあるものの、米国と日本の景気減速が懸念され、食肉の需要は内食、ファーストフードへ、そして単価の安い豚肉と鶏肉に移行し、牛肉は対価格部位へのシフトが進むものとみている。豪州の牛肉産業への影響については、国内需要は停滞が予想されるものの、豪ドル安で輸出が増加するものと予想している。
[輸出動向]08年の輸出量は1.7%増の95.7万tで史上最高を記録した。対日輸出は3.6%減の36.4万tとなったが、当初の見込み(11%減)を大幅に上回った。米国向けは21%減、韓国向けも15%減と大きく落ち込んだが、ロシア、中国、東南アジア向けが急増した。09年の輸出量は3.4%増の99.0万tと見込んでいる。うち対日輸出については、「日本の米国産牛肉の輸入条件が変わらない」と仮定して前年比3.0%増の37.5万tと見込んでいる。豪ドル安、豪州の安定供給(グレインも含めて)により日本の消費を刺激するものとみている
2月の豚肉需給展望 スーパーの特売需要強まり相場は回復基調
1月は予想に反して400円を大幅に割り込む相場展開となった。末端量販店での売れ行きはそれほど悪くなかったが、外食需要の低迷、冷凍在庫の増加に加えて出荷増、市場上場頭数が増加したため東京市場の1月の上物平均相場は376円と、平成12年以来の低迷相場となった。2月は、量販店での特売需要が増えていることや、出荷頭数も減少予想にあることから相場は戻しそうだが、どこまで上がるかは不透明な状況にある。
[相場動向]1月の相場は、東京が前年比81円安の376円、大阪が21円安の437円と、関東市場を中心に大幅な値下がりとなった。2月は、1日当たりの出荷頭数が減少予想にあることや、スーパーの特売需要から見ると値上がりに転じる可能性が強いが、どこまで回復するかについては「分からない」との見方が多い。自主調整保管による上物相場の底上げが期待されるが、中物は上げ鈍りの感も。
また、末端では相場急騰懸念から輸入チルドと両にらみの販売対応もみられ、今後の末端の特売需要も不安定さがある。業界内では、「きっかけが出れば一気に値上がりする可能性ある」としながらも、2月の平均相場は希望的観測も含めて420〜430円(東西市場とも)との見方が多いようだ
2月の鶏肉需給展望 上げ材料乏しくモモ、ムネともジリ安推移
昨年11月まで前年を上回る高値相場を続けてきた鶏肉だが、年末の需要期に失速、1月もジリ安で推移し、モモ正肉は前年比100円安、ムネ正肉も前年並みまで値下がりしてきた。昨年この時期は、中国産冷凍ギョウザ事件により国産鶏肉の需要が強まり相場も堅調に推移したが、今年はそれが期待できず、逆に消費の冷え込みが一段と強まっているため2月の相場はジリ安推移の展開と予想される。冷凍品の在庫圧迫も重荷となっている。
[価格動向]供給予想、在庫状況、需要動向からみると、当面は相場の上げ材料は乏しい。昨年は中国産の代替需要により1月の相場はジリ高が続き、2月も大きな下げはなく堅調相場を維持したが、今年はこの特需がない上に、国内生産は2%程度の増加が予想されるため、モモ正肉、ムネ正肉ともに過剰感が強まりそうだ。冷凍品の在庫が増加しているため過剰玉の冷凍回しもできず、相場を下げてフレッシュで売り切るとの動きとなりそうだ。このためモモ正肉、ムネ正肉、ササミは一段下げと予想される。ブラジル産モモ正肉は、現物在庫の消化にある程度目途がつくまでは安値横ばいの相場が続きそうだ
平成21年度予算案 卵価基金補助は20年度と同額 飼料基金補助は50億円
政府は去る12月24日の閣議で、平成21年度予算案をまとめ、1月5日から開催されている通常国会に提出した。農林水産省の養鶏関係予算では、卵価安定基金への補助である「鶏卵価格安定対策事業」は20年度と同額の12億4900万円、配合飼料価格の安定のための「配合飼料価格安定対策事業」は50億円(前年度は60億円)となった。このほか、水田などの有効活用による飼料用米の生産拡大を支援するために10アール当たり5.5万円補助するほか、飼料用米の生産・流通・システムや多収性稲種子の安定供給の確立にも取り組む
2月の肉豚出荷3%減の130万頭、1日当たりでは2%増
農水省・食肉鶏卵課が発表した肉豚出荷予測によると、2月の肉豚出荷は前年比3%減、3月は6%増と予想しているが、過去5年平均比では1〜2%下回る模様。なお1月〜5月までの出荷予想は前月予想と変わらないが、6月は4%増、過去5年平均比でも1%増の予想となっている。
1月の出荷頭数は、ほぼ前月予想通りの1%曽の139.3万頭となり、2月は3%減の130.3万頭と予想している。2月の稼働日1日当たりの出荷頭数は6万8,580頭となり、前月より4,700頭ほど減少するが、前年同月より2.1%(1,400頭)ほど増加する見込みであり、これが2月の豚枝肉相場にどう影響してくるか注目されるところ。
また3月は前年比6%増と大幅増加予想となっているが、1日当たりでは6万5,400頭となり、前年同月より1,000頭程度の増加となる。6月の4%増予想も稼働日数が前年より1日多いためで、1日当たりではほぼ前年並みとなりそうだ。この予想から見る限り、サーコワクチン効果による極端な増頭は見られないが、地域によっては効果が出ているとの話もあり、今後の実際の出荷動向が注目されるところ
19年の生産コスト 鶏卵1キロ当たり163円、ブロイラー生体1キロ当たり161円
農林水産省が去る12月19日に公表した、平成19年の営農類型別経営統計によると、19年は飼料価格の高騰などが経営を圧迫し、採卵養鶏、ブロイラー養鶏ともに農業所得が減少した。鶏卵1キロ当たりの生産コストは163円46銭で前年比7.7%増、ブロイラー生体1キロ当たりの生産コストは161円46銭で同6.0%増となった。平成19年の営農類型別経営統計によると、採卵養鶏農家81戸の平均農業所得(農業粗収益から経営費を差し引いたもの。採卵養鶏以外の費用も含む)は334万4千円で、前年に比べ25.3%減少した。これは配合飼料などの原材料価格が上昇したことによるもの。
ブロイラー養鶏59戸の平均農業所得は739万9千円で、同1.3%減少した。『国産回帰』の流れを受けて、鶏肉の出荷価格が上昇したため、農業粗収益は前年を9.3%上回ったものの、配合飼料など原材料価格の上昇が、経営を大きく圧迫した
2008年の相場 卵価194円、もも肉708円、むね肉334円
平成20年(2008年)の卵価は、前半は生産者の自主的な生産調整や、加工筋の積極的な引き合いに支えられ、夏場も堅調に推移したが、年末にかけては過剰生産と消費の落ち込みから伸び悩み、JA全農たまご・東京M加重の年間平均は194円(前年168円)にとどまり、一昨年に引き続き、飼料価格の高騰に伴うコストの上昇分を賄う水準にはならなかった。食鳥相場は、秋口までは好調に推移し、年間平均(日経・東京加重)も、もも正肉708円(前年619円)、むね正肉334円(前年230円)と前年を大きく上回り、コスト上昇分をほぼカバーしたものの、年末は輸入鶏肉の急増などから急落するという、かつてない結末を迎えた。
09年の牛肉需給展望−国内生産増と円高による輸入攻勢で供給は増加
[09年の供給見通し]今年の国産牛肉の生産量は和牛、交雑種を中心に増加する見通しにある。農水省の畜産統計の月別出生頭数から推定すると09年の和牛の出荷頭数は前年比7%増、交雑種は22%増、乳雄は6%減と予想される。乳雌も含09年の牛肉生産量は5%程度増加して38.1万t前後と想定される。一方、輸入牛肉は、円高を背景に輸入攻勢を強めてきそうだ。昨年までは日本の買い負けの状況が続いたが、世界経済不況による輸出需要の減退で産地価格が値下がりし、これに円高が加わって、日本は単独の買い手市場となる可能性が出てきた。米国産は、月齢条件の見直しが鍵となってくる。現状での輸入見通しは、米国産牛肉の輸入条件が現状のままと仮定した場合は、ほぼ前年並みの46万t。夏場頃に米国産牛肉の輸入条件が緩和された場合は50万tが妥当な水準と想定される。
[09年の需要・相場見通し]今後、不況は一層深刻化するとみられており、単価の高い牛肉はさらに不利な展開となる。食肉の需要は鶏肉と豚肉によりシフトし、牛肉の需要は単価の安いウデ、モモなどの切り落とし用と円高効果で値下がりが見込まれる輸入牛肉が中心となり、高級部位とバラは苦戦が強いられそうだ。このため牛枝肉相場回復の材料は乏しく、3年続けての続落相場となりそうだ。特に出荷が大幅に増加する後半は、和牛と交雑種はかなり厳しい相場展開となり、出荷が減予想の乳雄も輸入品との競合激化で相場の下げは避けられない
今年前半の牛肉市場:供給は強気、需要は弱気へ
2009年度の牛肉、豚肉、鶏肉の供給量は、揃って前年割れが予想されている。通常ならば食肉・生体家畜の卸売価格が値上がりするところだが、経済危機と消費の冷え込みで、供給薄のメリットが出ない見通しだ。
パッカーは年末に、前例のない大幅な減産をしたが、ボックスビーフ価格の押し上げに苦戦した。これはミドルミートを中心とする需要低下の表れで、リブ、ロインの安値が続く一方で、エンドミート(低価格のカット)と挽肉は大幅な高値になっている。これは、消費者がより安値の牛肉製品に買い換え、小売りとファーストフードが挽肉の買い付けで争っている状況を裏付けている。本来なら牛肉の需要は1月に回復するが、今のところその兆しは見えない。12月初旬の卸売牛肉の値下がりを受けて、小売業が1月中に牛肉販促を強化すると思われるが、年末の個人消費の激減を考慮すると、消費者の反応は読めない。国際ショッピングセンター協議会は、「今期の米国の歳末商戦は、1970年以来最悪だった」と説明している
09年の豚肉需給展望 国内生産1%程度増加、輸入はチルド増加予想
昨年の豚肉需給は10月以降低迷したが、年間ベースでは国産、輸入品ともに好調な展開となった。今年は、不況の深刻化による消費の低迷に対して国内生産量は1%前後の増加、輸入豚肉は円高を背景に高級部位を中心に増加する可能性があるため枝肉相場は、高値が続いた前年と比べてかなり落ち着いた展開になりそうだ。
[09年の供給見通し]国内生産量は、農水省の予測によると、1〜5月までの5ヵ月間は前年比1%増と予想されている。後半については、消費低迷のマイナス要因と飼料価格値下がり、サーコワクチン効果のプラス要因が相殺されて引き続き微増と予想され、年間ベースでも前年比1%増の88万t前後とみられる。輸入量は、チルドについては、消費者の低価格志向により量販店での特売需要が強く、引き続き輸入の増加が見込まれ、年間では前年比5%程度増加して28.0万t前後と想定される。フローズンは、昨年のような特需が見込めないため前年並みにとどまるものとみられる。
[09年の需要・価格見通し]前年のような中国産冷凍ギョウザ事件に伴う特需は見込めず、個人消費はさらに冷え込むことが懸念されている。国産豚肉と単価の安い輸入チルド豚肉、鶏肉との競合、さらには相場が大幅に値下りしている牛肉との競合も予想される。このため09年の枝肉相場は、高値が続いた前年と比べてかなり値下がりし、年間平均相場はほぼ07年並みと予想される。
米国産牛肉、韓国で販売高1位
米国産牛肉が、他の輸入牛肉、国産牛肉をも抜いて韓国の大手スーパー3社の牛肉販売高で1位になったと地元メディアが報じている。11月27日から12月28日までの期間で、米国産牛肉売上高はほぼ1,300トンに達した。オーストラリア産は約1,100トン(前年比17%減)、国産牛は712トン(5%増)だった。以前は世界3位の輸出先だった韓国で米国産牛肉が再浮上したことを受けて、韓国政府は国内牛肉生産者の保護対策に、今年は4億1,550万ドルを投じている。ハンウー牛肥育頭数やマーケットシェアの目標数値を設定して、生産者の利益確保を目指す
新農務長官は実務派
米国の新大統領オバマ氏は、トム・ビルサック前アイオワ州知事(58才)を農務長官に指名した。この人選に対し、農業団体は称賛、消費者寄りに政策転換を求める消費者団体は落胆を表明している。業界の一部には、ビルサック氏が米国の農業全体というより、州レベルの経験に基づいた視点を農政に持ち込むのではと懸念する向きもある。また農政の現状打破には消極的で、漸進的変化で満足する実利的な中道派とされている。農家畜産、地域経済振興、エタノール・バイオ燃料促進など、オバマ氏と農政ビジョンを共有しているが、今後はトウモロコシ代替燃料への転用と家畜飼料・食品価格への影響のバランスを保つことが求められるだろう。
新政権では、オバマ氏が支持するパッカー家畜所有禁止措置が再び争点になりそうだ。法案が成立すると、効率の良い肥育事業、肥育牛市場の競争、牛肉のブランド化の動きが損なわれ、生産者の受け取り金額も減少して牛肉業界にとって重大問題になる。大手パッカーは肥育部門の売却を迫られるが、大半は事業規模が大きく、買い手が見つかる可能性は低いだろう。
肉牛肥育業者上位10社ランキング
| 社 名 |
施設規模(頭数) |
| 1. JBS ファイブリバーズ・キャトルフィーディング |
811,000 |
| 2. カクタスフィーダーズ |
520,000 |
| 3. カーギル・キャトルフィーダーズ |
350,000 |
| 4. フリオナインダストリーズ |
275,000 |
| 5. アーシク&ドル |
230,000 |
| 5. J.R.シンプロット |
230,000 |
| 7. AzTzキャトル |
217,000 |
| 8. フォーステーツ・フィードヤード |
195,000 |
| 8. パイナル・フィーディング |
195,000 |
| 10. アグリビーフ |
180,000 |
近年にない最悪の損失を出したにもかかわらず、2008年肉牛肥育業者上位ランキングに変動はなかった。多数の会社のリスク管理が、1頭平均で少なくとも100ドルと推定された赤字の軽減に功を奏した。赤字は今後2月まで更に膨らむと思われる。採算点は95〜110ドルの間だが、2月以降はトウモロコシと肥育牛の安値がフルに反映されると、最終報告では採算点が下がる見込みだ。
牛肉の末端消費切り落とし用中心で、高級部位は今後在庫増の懸念
年末年始の牛肉の末端消費は好調に推移し、現在もまずまずの末端消費となっているが、売れ筋は切り落とし用が中心となっているため今後、高級部位の在庫増の懸念が強まりつつある。
年末年始の末端需要は年末ギリギリになって末端の引き合いが強まり、中間流通段階では余計な在庫を抱えずに越年した。年明けの末端需要は、外食は引き続き低迷しているものの小売需要はまずまずの展開となっている。ただ、最近の消費の冷え込みを反映して売れ筋はウデ中心の切り落とし用となっており、ロース、ヒレ、バラ、モモの引き合いは鈍い。今後、第2弾の国産牛肉消費拡大キャンペーンによる需要も期待されるが、今回はマネキン試食販売がないためどの程度消費を刺激するか不透明な部分もある。こうした状況から、年明け後にと畜した牛肉の出回りが本格化してくれば、ロース、カタロース、バラ、モモの在庫が増加してくる可能性があり、今後の末端の消費動向が注目されるところ。中間流通としては、需要低迷部位の評価を下げて在庫を消化したいところだが、その分評価を上げられる部位がないため、低迷部位の販売には苦労しそうだ
和牛と交雑種は全面安、出荷減の乳雄は前年並み−08年平均相場
東京市場の08年の牛枝肉平均相場(生体)は、乳雄はほぼ前年並みの相場を維持したものの和牛は2年続けて、交雑種は3年続けての値下がりとなり、特に和牛の3等級以下は200円以上の大幅な値下がりとなった。値下がりの要因は、個人消費の冷え込みと出荷増によるもので、09年も相場回復の材料は乏しく、生産者にとっては厳しい相場展開となりそうだ。
東京市場の08年の平均相場は、和牛去勢A5が2,393円(前年比114円安)、A4が1,992円(同180円安)、A3が1,661円(同218円安)、A2が1,372円(同216円安)、交雑種去勢B3が1,270円(同111円安)、B2が1,038円(同97円安)と、和牛と交雑種は全面安となった。和牛4等級以下は2年続けての値下がり、交雑種は3年続けての値下がりとなり、前年までジリ高を続けてきた和牛5等級も値下がりに転じた。
和牛は、BSE発生前の2000年の相場をまだ上回っているものの、配合飼料価格の高騰により肥育農家の採算はかなり悪化しているものと想定される。これに対して乳雄B3は886円(同5円安)、B2は765円(同11円高)と、ほぼ前年並みの相場を維持した。出荷頭数の減少と競合関係にある輸入牛肉の相場が高値で推移したことで何とか前年並みを維持した。
輸入牛肉No.1のオージー・ビーフ 「安全管理」の徹底が評価される
毒ギョーザ事件が起こった2008年は、食品不信の嵐が吹き荒れた。そんな中でも、オージー・ビーフは、安全性の確保に力を注ぎ、消費者からの信頼は厚い。アメリカ産解禁から久しいのに、日本の輸入牛肉の約8割を占めているのだ。日本の外食産業トップのマクドナルドも、その点を評価して主な取引先に選んでいる。「信頼の理由」を現地で追った。
■牛の耳に電子タグ、トレーサビリティ確立
「日本は、ナンバー1のカスタマーですね。50年以上のお付き合いがありますし」オージー・ビーフは、今ではオーストラリアの総輸出量のおよそ4割が日本向けになっている。生産農家でつくる豪州肉牛生産者協議会のビル・ブレイ会長は、J-CASTニュースの豪州取材で、日豪関係の重要さをこう強調した。
日本の牛肉輸入が自由化されたのは1991年。そのころから、オージー・ビーフは本格的に日本に入ってきた。それ以来、手頃な価格と安全性を武器に、輸入が年々増えてきた。特に、BSE問題で2003年にアメリカ産が輸入禁止となったのを転機に、その代替として飛躍的に伸びた。アメリカ産は06年7月から本格的に輸入再開されたが、その不信感が根強いこともあって、現在もオージー・ビーフは輸入牛肉の約8割、日本の消費牛肉のほぼ半分を占めている。
オージー・ビーフ人気の背景には、価格の手頃さのほかに、その安全性の高さが挙げられる。もともとオーストラリアは、日本と同じく四方を海に囲まれていることもあって疫病が入りにくく、これまでにBSEの発生すらない。豊かな自然から収穫できる農産物は多く、輸入の飼料などを使わず自国産だけで完結できる強みもある。
さらに、生産農家の徹底した安全管理も売り物だ。オーストラリアの農家では、世界に先駆けて1960年代から農場を識別するための番号札を牛に付ける試みを導入。97年からは、個体識別番号と農場識別番号の入った電子タグを牛の耳に付けるようになり、2005年の義務化に伴いコンピュータで移動履歴データを厳重に管理している。
ニューサウスウェールズ州のジョン・ギブソンさん(59)方の牧場では、約300頭の牛の耳にボタン型のタグが付いていた。「生まれて8か月の出荷時期が近づきますと、タグを付けます。それを食肉加工場でスキャンしてもらい、日付や場所、体重なども記録するんですよ」
タグの記録は、ギブソンさんのパソコンにも読み取り機から取り込まれ、ネット経由で豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)のデータベースに送られる。農場での飼育状況は、エサや飲み水、獣医薬品の使用歴までを生産者が申告している。これで牛肉加工段階に問題が分かっても、その原因を生んだ農場までの履歴と原因を調べられるわけだ。問題の原因が追跡可能という意味で、トレーサビリティと呼ばれている。
■工場では、脊柱除去などによるBSE対策を実施
日本では、BSE騒動の余波などで、まだ牛肉消費は完全に回復していない。騒動が起きる前の2000年に比べ、消費量が2割強下がったままだ。
そんな中でも、オージー・ビーフでは、オーストラリアの食肉加工から日本の食品加工まで、安全性確保のための工夫や努力が続けられている。
オーストラリア最大の食肉加工会社スウィフト・オーストラリアが運営するクイーンズランド州の工場。そこを見学すると、使うナイフや手袋を熱湯や溶剤に入れて消毒をするまでの徹底した安全管理が行われていた。牛の解体作業では、牛の脊柱を入念に切り落とす。そして、脊柱のときは違うナイフで、1回ごとに後ろの洗浄台で手やナイフを洗いながら作業を行うという念の入れようだ。
トレーサビリティも徹底しており、牛肉ブロック入りの箱には加工日などのデータを必ず入れている。これと電子タグで農場まで追跡可能なわけだ。工場の牛肉製造責任者のショーン・ジョンソンさん(42)と会社の品質管理責任者のマイケル・ジョンソンさん(38)の兄弟は、こう話す。
「日本は、生産の4割を出荷している重要なお客さまです。義務ではありませんが、1日に2回、違う牛肉加工過程で細菌チェックをしています。将来的には、『カイゼン』と呼ばれるトヨタのクオリティコントロールも製造過程に導入してみたい」さらに、オージー・ビーフの信頼性は、日本に輸入後の各企業の努力にも支えられている。例えば、オージー・ビーフをハンバーガーに使用しているマクドナルド。同社への日本最大のサプライヤーであるスターゼン株式会社 マクドナルド事業部 千葉工場で尋ねた。松本理工場長は、「大腸菌、サルモネラ菌など5項目にそれぞれ自主基準を設けています。できた牛肉のハンバーガーパティは、この基準内に収まっているかを厳しく確認した上で出荷しています」と説明する。
■冷凍・解凍技術進歩がおいしさに一役
オージー・ビーフと言えば、かつて草っぽい臭みがあると言われた。しかし飼育・加工・輸送技術の向上、そして穀物肥育牛の増加などから、消費者のあいだでのイメージもかなり変化してきた。牛肉製造、食品加工の技術向上も、オージー・ビーフのおいしさに一役買っている。
前出のスウィフト・オーストラリア社では、冷蔵庫の近代化で、牛肉の鮮度を落とさない冷凍技術を編み出した。かつては天井の装置から冷たい風を吹き付けたため、天井から水滴が牛肉に垂れてその品質に影響した。しかし、現在は、庫内にある壁の後ろから冷たい風を回し込む構造のため、水滴が着かずに生の肉のおいしさをキープしている。
また、日本に輸入後も、鮮度を保つ努力がなされている。スターゼン株式会社 マクドナルド事業部 千葉工場では、解凍技術の改良を続けており、2008年3月には、性能のよい高周波解凍機を導入した。30キロ近くある凍った牛肉ブロックが、わずか1時間ほどでコンベアに載せながら解凍できるようになった。従来の高湿度解凍機では、16時間もかかるために旨み成分の肉汁がしみ出しがちだったが、これで生の肉に近いレベルを実現している。今後は、豪ドル安で輸入も進み、おいしいオージー・ビーフが手軽に味わえるようになりそうだ。オージー・ビーフは、穀物価格上昇と中国などでの需要増から一時値が上がったが、イオンなどのスーパーが豪ドル安で円高差益還元セールをしている。
豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)のサマンサ・ジャミソン駐日代表は、「食品全体への懸念が増えている今の状況下でも、日本の皆さまがオージー・ビーフを信頼して下さっており、私どもも自信を深めています。円高に伴って輸入が増える見通しもあり、さらに日本での消費が拡大するように努力していきたい」と話している。
0IEのBSE月齢制限撤廃案に賛否両論出る−農水省リスコミ
農水省主催の「食品に関するリスクコミュニケーション」が22日開かれた。特定の疾病の清浄性を評価する「公式認定」の国際基準として位置付けを図ろうとする動きや、豚コレラ発生の定義の見直しを含むOIEコードの改正案など、OIE総会などで議論される喫緊の課題を中心に意見が交わされた。貿易促進や原料確保の観点から改正案に賛成の姿勢を示す関連事業者に対して、リスクの可能性を否定しきれないとして慎重な消費者団体との間で平行性をたどる場面が見受けられた。
OIEコード改正案では、BSE関連として、BSEステータスに関わらず貿易できる「無条件物品」として扱われている骨なし骨格筋肉の条件変更と、骨由来ゼラチンの原料条件の見直しが挙がっているほか、豚コレラ発生の定義についても、「野生豚の感染報告をもって即時に貿易を停止すべきではない」とする条項を追加する提案がなされている。骨なし骨格筋肉の条件については、現行の30ヵ月齢以下の要件を削除する考え。無条件物品は、BSEの実験感染試験および自然感染例に関する疫学データに基づきリスクが認められないと判断された場合、ステータスに関わらず貿易ができる、とされている。
この改正案について、「科学的根拠が不明なままであり、貿易促進を前面に出し過ぎている」と消費者団体は一様に反対を表明。一方、輸出入業界からは「日本と海外との安全に対する認識はかなり違う。OIE基準を尊重すべきだ」と、OIEの改正案に賛意を示した
平成21年度予算案 卵価基金補助は20年度と同額 飼料基金補助は50億円
政府は去る12月24日の閣議で、平成21年度予算案をまとめ、1月5日から開催されている通常国会に提出した。農林水産省の養鶏関係予算では、卵価安定基金への補助である「鶏卵価格安定対策事業」は20年度と同額の12億4900万円、配合飼料価格の安定のための「配合飼料価格安定対策事業」は50億円(前年度は60億円)となった。このほか、水田などの有効活用による飼料用米の生産拡大を支援するために10アール当たり5.5万円補助するほか、飼料用米の生産・流通・システムや多収性稲種子の安定供給の確立にも取り組む
失業率悪化が市場に影響
昨年12月に、過去60年間で最多の52万4,000人の月間失業者数を記録した米国では、消費が低迷して牛肉需要と生体牛価格が影響を受けている。他の統計データからみても、今年は需要の動向がボックスビーフと生体牛価格を左右するだろう。1月2週には、雇用不安による株価の下落や商品ファンドの大量売買で、生体牛先物相場が急落。次いで生体牛価格が下がり、カンザスとテキサスでは、2006年6月以来の低水準となる84〜84.5ドル台に下がった。
オバマ新大統領は、就任後に景気刺激策を発表したが、プラス効果が出るには数ヵ月を要するだろう。経済への信頼と個人消費の回復が重要だが、現在、米国人は支出を抑え貯蓄を増やしており、特に価格帯が高い牛肉が買い控えの対象になりやすい。アナリストは今年の平均生体牛価格を91〜95ドル台で予想しているが、中には86.50ドルと弱気の予測もある。
新たなカット導入で、米国産牛肉の対日輸出が増加
米国産牛肉の日本向け輸出における課題は、肉牛の月齢制限で供給量が限定される中、輸出量を最大限に回復することだ。2003年12月以前、対日輸出の大半は12タイプのカットが占めていたが、米国食肉輸出連合会(USMEF)は、枝肉を丸ごと活用する「ホール・カーカス・コンセプト」と市場調査の結果を踏まえ、日本の消費者に受けがよく、売上げアップにつながる17種のカットを新たに導入した。
2003年12月にBSE感染牛が発見された影響が続き、2007年の対日輸出量はピーク時の9%弱、輸出額は13%まで落ち込んだ。USMEFは輸出回復策として、USDA、農業州、大学から資金や調査の支援を受け、2〜3年前に新カットを導入した。そのプログラムがフル稼働した2008年度1〜5月は輸出量で58%、輸出額で53%増加した(前年比)。特に5月の輸出量は、2003年12月以来、月間最多を記録した。こうした日本の成功で、他の海外市場でも成果が期待される。
上記の記事がヨーロッパの業界誌(電子版)で紹介された。
海外市場動向
【USTR、課税EU製品リストを修正】
米国通商代表部(USTR)は、3月23日付で世界貿易機関(WTO)の裁定に基づく追加的関税対象となるEU製品のリストを修正する。米国産牛肉の生産で使用される成長ホルモンを巡り、輸入禁止措置をとっているEUとは1988年以来論争が続いている。米国はWTOの承認を受けて、1999年からEU製品に追加関税を課している。USTR側は「今回のリスト修正の目的は紛争の解消」と説明しているが、EU側は「米国の動きは違法であり遺憾だ。WTOの場で異議を申し立てる」と述べている。
【米国、カナダ・香港協定は重要視せず】
カナダと香港の間で最近交わされた牛肉貿易の協定について、USDAは「カナダの香港市場へのアクセスはまだ限定的」と述べ、同協定を重要視していない。提示された段階的市場導入案は「論理的に正しい科学に基づいていない」として米国は受け入れていない。 今回の取り決めでは、香港は最初4ヵ月間は月齢30ヵ月以下の肉牛由来のカナダ産リブ、ボーンイン製品の輸入を認め、その後対象製品を拡げていく計画になっている。
物薬卸3社が業務提携 アグロジャパンとアスコ、フレット
動物薬卸売業の(株)アグロジャパン(高橋勇四郎社長―新潟市中央区紫竹山5−9−13)と(株)アスコ(三浦一雄社長―豊橋市雲谷町字外ノ谷256−1)、(株)フレット(松井秀太郎社長ー金沢市大浦町ハ55番地)の動物薬部門は、今年1月から、包括的な業務提携を行なうことで合意した。
動物薬卸売業をめぐる環境は、ユーザーである畜産・養鶏生産者の大型化、広域化が進むとともに、動物薬製造メーカーの統廃合が進んでいる。一方、日本経済の低迷と合わせ、動物薬業界の需要も縮小傾向をみせている中で、動物薬卸業3社は、相互の経営資源を最大限に活用し、競争力の強化とサービスの質の向上を通じて、ユーザーへの「さらなる満足度の向上」と「ニーズへの的確かつ迅速な対応」を図ることにしたもの。
動物薬業界での3社提携は初めてで、提携を通じて経営の合理化、効率化が期待されている。
雪印乳業と日本ミルク、経営統合へ
乳業3位の雪印乳業と、「メグミルク」のブランドで牛乳などを販売している4位の日本ミルクコミュニティが年内の経営統合に向け最終調整していることが26日、分かった。
両社の売上高を合算すると約5000億円となり、同2位の森永乳業(5868億円)に迫る規模となる。少子高齢化で国内市場が縮小する中、経営統合で原材料を共同調達するなどして生産コストの削減を図り、勝ち残りを目指す。 雪印は、2000年に起きた集団食中毒事件や、02年に発覚した子会社による牛肉偽装事件の影響で経営が悪化したため、牛乳関連事業を分離。全国農業協同組合連合会(全農)や全国酪農業協同組合連合会(全酪連)と共同出資で03年に設立した日本ミルクが事業を受け継いだ。経営統合で6年ぶりに元の体制に戻る。 乳業業界は少子高齢化による市場縮小で先行きは厳しく、原材料高で両社は昨年、主力商品の値上げに相次いで踏み切るなど経営が圧迫されていた。雪印乳業は牛乳事業を分離した後、バターやチーズを主力事業に経営再建を図ってきた
外食売上高、3年ぶり前年割れ=節約志向の高まりで−08年
日本フードサービス協会が26日発表した2008年の外食産業市場動向調査によると、既存店ベースの売上高は前年比0.8%減で、3年ぶりに前年実績を下回った。景気低迷の影響で消費者の節約志向が高まったことが主因。
ファミリーレストランが3.3%減で12年連続の前年割れとなったのに対し、低価格のファストフードは前年比1.3%増で4年連続プラス。同協会は「消費の冷え込みが業態間のバラツキを拡大している傾向がみられる」としている
節約志向 財布のひも固く… スーパー売上高、12年連続のマイナス
日本チェーンストア協会が22日発表した2008年の全国のスーパーの年間売上高は、既存店ベースで前年比0.7%減の13兆2753億円と、12年連続で前年を下回った。前半の原材料高による生活必需品の値上げで節約志向が高まったのに加えて、昨年9月以降の金融危機の影響で購買意欲が一層減退したのが響いた。
日本チェーンストア協会の小笠原荘一常務理事は「来店客数は増えているが、消費者は必要なものしか買わず、客単価は落ちている」と分析している。
とくに衣料品は消費者が不要不急の買い物を手控え、前年比6.8%減と低調だった。カジュアルウエアの「ユニクロ」など専門店との競合も響いた。日用雑貨や家具、インテリアなどの住関品も同2.8%減とふるわなかった。
一方、外食を控えて自宅で食事を取る内食化で、食料品は同1.3%増と堅調だった。
12月の売上高も節約志向を反映して、前年同月比で2.8%減の1兆3010億円だった。【予報図】
■再生のカギは業態転換や新商品
厳しい環境を受け、各社は店舗閉鎖などリストラを余儀なくされる一方、業態転換や商品提案に活路を見いだしている。
「専門店もショッピングセンターも出ている中で、GMS(総合スーパー)でカバーできる立地は限られている」
イトーヨーカ堂を傘下に持つセブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長はGMSだけの展開には限界があると話す。
このため、ヨーカ堂は小型スーパーの業態転換を有効な再生手段と位置付け、2009年度は約180店のうち30店を改装し、10店以上をディスカウントストアにシフトする計画だ。不況下でも食品を中心にした品揃えは節約志向にも対応できると読む。既存のスーパーもグループの専門店で集客力のある「赤ちゃん本舗」をテナントに加えるなど、立地や客層に合わせて売り場を作り直す。
一方、日本チェーンストア協会によると、12月はセール効果で客数は増えたが、客単価は減少するなど、セール効果も限定的だという。
イオンは昨年10月から1000品目以上を1〜3割値下げするキャンペーンを行っているが、ジャスコの12月度の既存店伸び率は前年比3.4%減。衣料品や住居用品の低迷が全体の足を引っ張る構図は変わらない。
ただ、ユニクロに勝負を挑むような機能性下着「ヒートファクト」やフリースなど、自社企画のプライベートブランド(PB)商品の売上高は計画通りだ。低価格に加え、着心地を改善させる工夫が「消費者に受け入れられた」結果で、今後もPB商品を強化する。単体だけで衣料品売上高3677億円(07年度)というスケールメリットを商品開発でもフル活用できるかが収益力向上のカギを握っている
和牛農家、申告漏れ続々 高騰で売り上げ急増

肉牛の取引をめぐり、飼育農家が国税当局から相次いで申告漏れを指摘され、追徴課税処分を受けていることが分かった。牛海綿状脳症(BSE)問題を機に和牛の価格高騰でもうかった所得を隠した農家がいた一方、免税制度の適用を受けようと、競りで売ったように偽装して不正な申告をする農家もいた。名古屋と関東信越の両国税局だけでも計三十数戸の農家が数年間で総額20億円の申告漏れを指摘された。重加算税を含む追徴税額は6億円前後に上る関係者によると、岐阜県大垣市や中津川市、養老町などの農家約20戸は、仕入れた子牛を育て、ブランド和牛「飛騨牛」として市場に出荷した際、売り上げを全く計上しなかったり、一部だけを申告したりするなどしていた。 養老町の農家は、06年までの3年間で約1億8900万円の所得を隠し、約6600万円を脱税したとして所得税法違反の疑いで告発され、有罪判決を受けた。 国産牛をめぐっては、03年12月にBSE問題で米国産牛肉が輸入禁止となったため、04〜06年に、価格が跳ね上がった。申告漏れを指摘されたのは、この時期に売り上げを伸ばした農家だった。 一方、北関東の十数戸の農家は、市場の競りで肉牛を売った場合、1頭100万円未満なら免税される制度を悪用していた。実際には免税対象ではない卸売業者らとの相対取引だったのに、市場で競りをしたように装って帳簿などをねつ造。市場が発行する「免税対象牛売却証明書」を取得し、確定申告の際に税務署に提出していたという。 証明書偽造には、市場関係者も関与していたとみられ、売却代金の決済も市場を経由したように装っていたという。悪質な所得隠しと指摘された分は約6億円に上る。(中村信義、花野雄太)
〈肉牛売却の免税措置〉 畜産振興を目的に租税特別措置法で定められた優遇措置。国産の肉牛を2カ月以上飼育し、市場で1頭100万円未満で売れば、所得税が免除される。中央卸売市場や家畜市場など特定の市場で売却した場合のみが対象となる。
|