「信州プレミアム牛」登場…長野県が独自基準で認定
長野県は今年度から、県内産の牛肉のおいしさを独自の基準で認定し、「信州プレミアム牛肉」として売り出している。品質は良いが、知名度の低い長野県産の牛肉をブランド化し、「安全でおいしい」というお墨付きを与えて、消費拡大につなげるのが狙いだ。プレミアム牛肉の「おいしさ」は、柔らかさにつながる脂肪交雑の等級、多いほど風味がよくなるオレイン酸含有率の二つで判定する。オレイン酸は、血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあるとされる。基準を満たす牛肉は脂肪の口溶けがよくて柔らかく、和牛の特徴が出るという。県の衛生検査をパスした農場から出荷された黒毛和種で基準を満たす牛肉は、流通業者の申請を受け、県が個体識別番号ごとに認定証を発行する。これまでに3頭が認定された。プレミアム牛肉を扱う販売店や飲食店は登録制で、これまでに県内32店が申請している。県農産物マーケティング室によると、県内では複数の業者が、「信州和牛」、「信州アルプス牛」など違う銘柄で県産牛肉を販売していることもあり、松阪牛や近江牛などの産地ブランドと比べると、知名度が低い。県は今後、高級ホテルやレストランなどにもプレミアム牛肉を売り込み、品質の良さをPRする。
景気回復へ14兆6987億 農水は1兆302億/補正予算案国会提出
政府は27日の臨時閣議で、追加経済対策を実施するための2009年度補正予算案を決定し、国会に提出した。財政支出は14兆6987億円。このうち農林水産関係予算は、過去最大の1兆302億円を計上した。米粉・飼料用米の拡大などを目指す「水田フル活用」の追加支援や、担い手への農地集積を促進する事業の創設が柱。
提出を受け、与謝野馨財務相は同日開かれた衆参本会議で財政演説を行った。追加経済対策について「経済の下支えに必要な施策や将来の成長力を高める施策などを厳選した」とし、早期成立の必要性を訴えた。28日には財政演説に対する各党の代表質問を行う。
生乳800万トン割れ 農家減で20年ぶり/農水省調査
2008年度の生乳生産量が前年度比1%減の794万4091トンにとどまり、20年ぶりに800万トンの大台を割り込んだことが24日、農水省の調査で分かった。飼料価格の高騰などを受けて、主に都府県で酪農家が急激に減少したのが響いたとみられる。酪農は生産基盤の弱体化に加え、需要面でも消費の減退という問題を抱えており、農政改革の論議で重要課題に浮上するのは必至だ。生乳生産量は1989年度の約806万トン以来、800万トン台を維持していた。ピーク時の96年度は約866万トンあった。12年間で1割近く減った計算になる。
3ヵ国「無視できる」と暫定評価、MRMの扱いを再検討?プリオン調査会
食品安全委員会自らが行う「我が国に輸入される牛肉及び牛内臓に係る食品影響評価(自ら評価)」の判定基準となる「プリオン評価書」の策定作業を進めている同委員会プリオン専門調査会(座長・吉川泰弘東大大学院教授)が24日開かれ、「プリオン評価書」(案)の基本的枠組みがほぼ固まった。豪州からの追加回答で、機械的回収肉(MRM)が日本に輸入されていることが判明したことから、委員は「評価には影響するものではないが、MRMの是非を検討する旨を付記すべきではないか」と指摘。最終判定を示す「総合評価まとめ」にMRMに関する項目を追加する方向で修正されることになった。
この日は報告書案に基づき、豪州、チリ、ハンガリーの3ヵ国からの新しいデータをあてはめた結果、全て「無視できる」との暫定評価について異論が出されなかった。吉川座長は「(メキシコ、コスタリカの)2ヵ国も評価し、(今回の3ヵ国を含めた)5ヵ国をひとまとめにして、早期にアウトプットしていきたい」と述べた。また、今回の評価にあたって、牛及び牛肉にする情報提供を求めていた中、ニュージーランド、バヌアツから回答があった。これで対象国14ヵ国のうち回答の無いのは、中国、ノルウェー、アルゼンチンの3ヵ国のみとなった
今年の作付意向1.2%減 米国トウモロコシ
米農務省は3月31日、09年の主要穀物の作付意向を発表した。
トウモロコシの作付面積は8498万6000エーカーで、昨年実績の8598万2000エーカーを1.2%下回るほか、小麦も同7.1%減の5863万8000エーカーとなっている。大豆は昨年実績の7571万8000エーカーを0.4%上回る7602万4000エーカー。
農務省が4月9日に公表した08/09穀物年度(08年9月から09年8月)のトウモロコシ需要量は、前月予想より4000万ブッシェル増の120億4000万ブッシェル(前年度比5.5%減)で、用途別の内訳は、飼料向けなどが前月より5000万ブッシェル増の53億5000万ブッシェル(前年度比9.9%減)、エタノール向けは前月と同じ37億ブッシェル(同22.3%増)、輸出向けも変わらず17億ブッシェル(同30.2%増)、食品・種子・その他工業向けは前月より1000万ブッシェル減の12億9000万ブッシェル(同3.5%減)となっている。トウモロコシの期末在庫は、需要量が4000万ブッシェル上方修正されたため、その分減少し、農務省予想の生産者販売価格は1ブッシェル当たり0.10ドル引き上げられ4.00〜4.40ドルの見通し。
大豆の需要量も前月予測から2300ブッシェル引き上げられたため、農務省予想の生産者販売価格も同じく1ブッシェル0.40ドル引き上げ9.25〜10.05ドルと見通している。
中国で鶏肉生産加工会社設立 年間5100万羽出荷規模 日本ハム
日本ハム(株)(小林浩社長―本社・大阪市)は4月14日、中国の食肉大手「河南省●河(るいが)市双匯(そうかい)実業集団有限責任公司」(双匯集団)と、鶏肉の生産と加工処理を手がける合弁会社を新たに設立することで合意したと発表した。
設立するのは、生産会社「●河双匯万中禽業発展有限公司」(資本金6億元=約90億円)と、加工処理会社「●河双匯万中禽業加工有限公司」(同1億元=約15億円)。出資比率は両社とも双匯集団が90%、日本ハムが10%。日本ハムグループの日本ホワイトファーム(株)から、社員4人を現地に派遣して常駐させ、技術や衛生管理面を指導する。
今年度内に育成農場の建設を始め、2年後の2011年の出荷開始を目指す。年間の出荷羽数は5100万羽を予定している。
日本ハムは「成長著しく、鶏肉消費についても増加傾向にある中国市場の中で、中国最大の食肉企業と食肉養鶏事業で協力し、中国国内の内需拡大に伴うビジネスチャンスを模索し、海外事業の強化を目指していく」としている。
注…●はさんずいに累
外食、中食軒並み値下げ/国産食材への影響懸念
消費不況を背景に外食や中食業界で低価格競争が激化し始めた。商品価格を手ごろな300円台に下げたり、キャッシュバックをしたりと、内食傾向を強める消費者の財布のひもを緩ませる作戦。長期化すれば、外国産農産物の増加、国産原料の価格にも影響が出る可能性もある。
ハンバーガー最大手の日本マクドナルドは16日から期間限定で、セットメニューに、もう1つハンバーガーを買った客に現金100円を返す。お得感があり客単価も下がらない
純損益5800億円赤字 増資で健全性は確保/農林中金
農林中央金庫が2009年3月期決算(単体)で、当期純損益が過去最大の5800億円程度の赤字になることが23日、分かった。世界的な金融危機の影響を受けて、保有する証券化商品の価格が大幅に下落したのが響いた。赤字幅が膨らんだのは、多額の損失を計上するとともに、損失処理の前倒しで早期の業績回復を図るためとみられる。信連など会員からの資本増強で、財務の健全性には影響がない。
当期純損益の赤字は、旧住宅金融専門会社(住専)向けの融資が焦げ付いた1996年3月期に540億円を計上して以来、13年ぶり2回目。経常損益では6200億円程度の赤字になる
在庫補充買い、GW需要などで和牛の末端従好転、交雑種は低迷脱せず
2月、3月と末端不振が強まった牛肉だが、ここへきて焼き材需要、ゴールデンウィーク需要の手当て買いなどもあって、和牛を中心に需給は好転し、一時の需要不振の底を脱した感がある。ただ、この状況はゴールデンウィークまでで、5月中旬以降は再び不振に転じる可能性もある。
3月までは決算期を控えて荷動きが極端に悪かったが、4月に入って在庫補充買いや焼き材の需要が強まり、和牛の荷動きは好転している。カタロースは引き続き動きが鈍いものの、バラ系の焼き材の引き合いは強く、ロース、ヒレ、モモの動きも出てきている。このため引き合いの強いバラ系を中心に相場も強気の展開となってきている。これに対して交雑種は、引き続き動きが鈍く、ホルスは、荷動きは悪くないが値が出ないという状況。4月に入っての動きは、値ごろ感のある和牛の需要が強まり、中間的な交雑種が苦戦を強いられているようだ。
今後、4月下旬にかけて末端のゴールデンウィーク需要の手当て買いが本格化してくるとみられるため、月内ついては和牛を中心に好調を維持するとみられるが、連休後はその反動も加わって低迷に転じるとの見方が強い。6月から7月にかけては梅雨期の不需要期に入るため、先行きの需給は依然厳しい見通しにある
牛肉消費拡大への挑戦 マネキン試食販売、外食、中食対応を強化?JA全農
JA全農は、配合飼料価格高騰による畜産危機に対応し平成19年9月からJA全農グループ独自の消費拡大運動を展開し、今年3月には国の平成20年度補正予算による国産牛肉の消費拡大対策事業を実施。21年度事業でも国産牛肉を中心とした消費拡大事業を積極的に進め、当面の牛肉危機を乗り切っていく考えである。
平成20年度の補正予算による事業では、全農ミートフーズが3月末から楽天市場でのインターネット販売を開始したほか、外食での国産牛肉利用拡大を推進するために東京・秋葉原の東京フードシアターで国産牛肉普及のセミナーを開催した。さらに全農ミートフーズでは、焼肉チェーンに対して国産牛肉のメニュー拡大のためにお試し価格での提供も行い、そこそこの実績をあげてきている。
平成21年度予算での事業も5月中にはスタートさせる予定だ。「21年度事業でも、引き続き外食対応を強化して外食での国産牛肉の利用拡大を推進するほか、小売でもマネキン試食販売を強化して既存対応の小売での店舗の拡大、量の拡大を図っていく」(畜産総合対策部倉橋畜産販売課長)考えだ。また、中食(弁当)分野においては、以前、国産黒豚弁当の対応を行ったことがあるが、21年度においては国産牛肉を使った弁当、総菜などの対応も進めていく
素牛価格下げ止まり感も先行き不安強まる、夏場にかけての枝肉相場がカギに
肉用子牛価格は、今年に入って下げ止まり感が出ているが、枝肉相場が引き続き低迷しているため今後の枝肉相場の動向によっては再び下げに転じる可能性もあり、関係者は今後の枝肉相場の動向を注視している。
肉用子牛価格は、米国産牛肉の輸入停止により04年から07年にかけて異常高値の展開となった。ところが、08年3月以降急落に転じ、一時はBSE発生前の価格を下回る状況となった。その後、マルキン、補完マルキンの交付などにより肥育農家の資金繰りが好転したことと、1月からの配合飼料価格が大幅に値下がりしたことで素牛導入意欲が強まり、1月、2月の子牛価格は下げ止まりの状況となっている。しかし、今後の相場について関係者は「牛肉の消費が冷え込んでいるので再び下げに向かう可能性もある」と、先行き警戒感を強めている。
今後の子牛価格の動向は、5月の連休需要、そして夏場需要で枝肉相場がどこまで上昇するかがカギとなり、「肥育農家は枝肉相場から逆算して採算を判断しているため、この時期に枝肉相場の回復が見られないと子牛相場はズルズル低下することも考えられる」としている
乳牛への和牛交配減 F1もと牛不足も/乳価アップでホル増頭意欲
乳牛への和牛交配が減っている。2008年度からの生乳増産や今年3月の乳価の再値上げで、酪農家が乳牛の増頭意欲を高めたことが背景にある。和牛交配率の低下は07年秋から始まり、すでに子牛の出回りが減り始めた。今後の肥育期間を経た10年秋以降、交雑種(F1)の肉牛の出荷が減る見通しだ。交配状況は、農水省が日本家畜人工授精師協会の協力を得て調査。乳牛への人工授精のうち、黒毛和種を交配した割合を四半期ごとに公表している。
農林水産1兆302億円 首相、成立に強い意欲/政府・与党追加経済対策
政府・与党は10日、2009年度補正予算案に盛り込む追加経済対策を決めた。対策の財政支出は15兆4000億円で、事業規模は56兆8000億円となる。農林水産関係では過去最大となる1兆302億円を盛り込んだ。これを受け、政府は補正予算案の編成作業に入り、月内の提出を目指す方針だ。記者会見して対策を発表した麻生太郎首相は「対策を実施に移すため、補正予算案と関連法案を早急に取りまとめ国会に提出し、成立を急ぐ。それが景気を回復させ、国民生活を守ることにつながる」と述べ、補正予算の成立に強い意欲を示した。
利子補給など各種支援の迅速対応の徹底求める?全国畜産課長会議
農水省の09年度第1回全国畜産課長会議が9日に開かれた。各都道府県の畜産担当課長や関連団体に対して、3月に決定された畜産物価格関連対策を含む09年度畜産関連予算の内容について説明された。この中で、各種支援対策事業が充実する中、制度の中身が末端の畜産家に浸透していないケースや、支援を受けにいく実情などが指摘された。
特に配合飼料価格高騰などに伴う金融機関からの融資の際に利子補給が受けられる家畜飼料特別支援資金融通事業をめぐっては、金融機関などの理解不足から同事業に基づく融資が受けられないケースがあるほか、全く実績のない自治体が7件に上るなどの問題が報告された。体細胞クローン牛については、今後の取扱いの可能性について第三者を交え、積極的に検討することが明らかにされたほか、鳥インフルエンザ(AI)対策として、焼却処分場の確保に向けたリストアップを図るよう各都道府県担当者に要請した
生産増と値上寄与し卸売ベースで7.7%増の6,949億円?08年ハムソー産出額
08年のハム・ソーセージ類の産出額は、総生産量数の増加と製品価格の値上げにより、卸売価格ベースでの産出額は前年比7.7%増の6,949億円、小売価格ベースでも7.5%増の1兆2,531億円と大幅な増加となった(日本食肉加工記者会調べ)。08年のハム・ソーセージ類の生産量は、中国産ソーセージの輸入減少、消費者の国産志向の強まりなどを反映して前年比1.8%増の48万9,320tと増加に転じた。卸売価格は、2年続けての値上げによりハム類は前年比9.4%、ソーセージ類は6.0?9.7%それぞれ値上がりした。07年秋以降、製品価格が平均10%程度の値上げとなったことによるもの。このため卸売価格ベースでの産出額は前年比7.7%増の6,948億5,000万円と大幅な増加となった。
小売価格は、ソーセージ類は前年比10?17%高と卸売価格の値上げ幅を上回る上げ幅となったが、ハム類は逆に卸売価格の上げ幅を下回る3%前後の値上がりにとどまった。このため小売価格ベースでの産出額は前年比7.5%増の1兆2,531億4,400万円と、卸売価格ベースとほぼ同水準の増加率となった
農業の構造改革・規模拡大が不可避、アジア市場への輸出も?日本農業経済学会
日本農業経済学会(会長:泉田洋一東京大学教授)は6日、昨今の世界的食料価格変動問題に対して、2009年度大会シンポジウム等での議論を踏まえて、日本農業経済学会会長及びシンポジウム座長のコミットメント(意見表明)を取りまとめ発表した。コミットメントによると、食料価格変動の不確実性に対処するひとつの方策は、日本農業の体質強化、自給力の向上である。そのためには、構造改革による経営規模の拡大が不可避であり、構造改革を実現する具体的な検討が何よりも求められている。同時に、地域資源管理や環境サービス機能が発揮できるような制度設計と国民合意形成も重要である。また、成長が期待されるアジア市場向けの高品質・高付加価値商品の開発や、休耕地を活用する飼料・エネルギー作物の生産が奨励されるべきである?としている
「卵かけご飯」を輸出したい!ターゲットは海外富裕層
富山県内で初めて生食用鶏卵を香港に輸出した高岡市の養鶏会社「仁光園」が、5月に再度、香港のスーパーで卵を販売することが決まった。3月の輸出販売が好評だったためで、同社は「今後は卵かけご飯を日本料理店のメニューに加えてもらい、輸出を定着させたい」と意気込んでいる。
同社によると、香港の日系スーパーで5月12日から約1週間、約3600個を販売する。価格は6個入り1パック25香港ドル(約320円)前後と、通常の市販品の3倍程度にする予定だ。
再輸出は、同社の実績を香港側が評価したためで、現地の百貨店「そごう」と別の日系スーパーの計3店で3月18〜25日、輸出した約1万5000個の約7割が売れ、仁光園の当初の目標をほぼ達成した。
一方、課題も見えてきたという。価格を百貨店で約28香港ドル、スーパーで約25香港ドルとしたが、売れ行きは価格にあまり左右されずに、百貨店で約8割、スーパーで約6割だった。同社の島哲雄社長(67)は「富裕層を取り込むべきと感じた」と話す。各国商品間の競争も激烈だ。同社は店頭で卵かけご飯の試食会も開いたが、同百貨店では販売2日目に、マレーシア産卵の業者も景品付きで販促キャンペーンを始め、客を奪われた。タイの卵は仁光園産の半額、米国産も若干安かったという。このため同社は現地の日本料理店との連携を重視。卵かけご飯をメニューに加えるよう働きかけを強めており、既に1店が購入に関心を示している。 島社長は「今後目指す中国本土での販売に向け、良いきっかけを作ることができた」と話している。
食料高騰 主因は燃料/農経学会提言 規模拡大し増産を
日本農業経済学会は6日、世界的な食料価格の変動への対応についての提言を発表した。昨年、発生した食料価格高騰の要因を「バイオ燃料向けの需要拡大が大きい」と断定。グローバル化に伴うエネルギー市場と食料市場の連結などにより、市場の不安定性が高まっているとして対策の必要性を強調した。特に、国内対策では食料自給率向上に向けて「構造改革による規模拡大が不可避だ」と踏み込んだ。
提言は、3月末に開かれた同学会大会シンポジウムの成果をまとめたもので、今回が初めて。世界的な食料危機の発生を受けて「(食料・農業問題を担う)研究者の責任として、成果を広く社会に示す」(泉田洋一会長=東京大学大学院教授)必要があると判断した。
和牛切り落とし、焼き材中心に堅調、交雑種引き続き低迷?GW前牛肉需要
5月のゴールデンウィークを前にして、和牛を中心に牛肉の末端需要は強まりつつあり、2月、3月の荷動き不振からかなり好転してきている。交雑種は引き続き低迷しているが、月内は連休需要の手当買いが強まるため和牛を中心に牛肉の需要は堅調に推移しそうだ。
和牛の末端の需要は、切り落とし用に加えて焼き材の需要も強まり、ここにきてバラ系の部位は不足気味となっている。相対的にロース、ヒレ、カタロースの高級部位の需要はまだ弱いが、2月、3月より好転してきており、和牛は全体に良くなっている。焼肉など外食の需要も上向きはじめ、小売でも値ごろ感があって切り落とし用、焼き材を中心に動きが良くなっている。今後、5月連休前にかけて末端の手当買いはさらに強まってくるものとみられる。
これに対して交雑種の荷動きは低迷したままで、ゴールデンウィーク需要も期待薄となってきた。グレードの高い交雑種の引き合いはあるものの、2等級、3等級のものは低迷したままとなっている。値ごろ感が強まった和牛とホルス、輸入牛肉の板挟みとなっている。ホルスは、出荷減もあって荷余り感はそれほどなく動いているが、輸入牛肉との競合により枝肉相場に見合った値はとれない状況にある
自ら評価の基本原則決定へ、夏までに5ヵ国の結果を正式発表?プリオン調査会
食品安全委員会自ら行う「我が国に輸入される牛肉及び牛内臓に係る食品健康影響評価」、いわゆる「自ら評価」の判定基準として使われる「プリオン評価書」の策定作業を進めている同委員会プリオン専門調査会(座長・吉川泰弘東大大学院教授)は24日に開かれる会合で、評価書(案)の基本原則について了承する方向だ。
各国から集まったデータは基本原則に従って統一的に評価する一方、各国の事情などで異なる個別事項については、どのように扱うかを検討、その都度判断していくことになる。専門調査会での了承を受け、今回策定した評価書(案)に加え、評価書を作成する段階から暫定的に行ってきた豪州など5ヵ国の評価結果についても最終的な調整をした上で、同時にパブリックコメントを求める手続きに入る。食安委の最終判断を仰ぎ、夏までに自ら評価の第1弾として5ヵ国を対象にした評価結果を正式な形で発表する運び
GW前の豚肉需要予想外の不振、関西は先行して異例の安値相場に
4月下旬以降、上昇に転じるとみられていた豚枝肉相場だが、末端の需要は伸びず、末端での低価格競争が強まっているため関東周辺市場では400円強、関西では異例の400円を大幅に割り込む相場展開となっている。例年のような需要がみられないことと出荷増予想によるもの。
末端の豚肉需要は、ロース中心の動き。ロースの動きは良いもののバラ、カタロースの動きは鈍く、モモ、ウデのスソもの部位の動きもあまりよくない。ロースの好調は、量販店で売上げ確保を優先する動きを強め、単価の高いロースの販促を強めているためと言われている。その一方で、国産ロースの特売価格は従来の168円から128円、最近では98円というというものも出てきており、末端での価格競争も一段と強まっている。
大阪市場の相場は先行して急落している。17日以降400円を割り込み、22日には358円と400円を大幅に下回る異例の相場展開となっている。この理由は「買いが弱いことが一番の理由だが、地方からの出荷依頼も多く荷余り感が強まっているため」(市場関係者)としている。今後の見通しについては「増体も良くなってきているので相場上昇の材料は乏しい」と見ている。この関西先行の相場下落が今後の関東相場にどう影響してくるのか、関東の業界関係者もその成り行きを注視している
「国民的議論を高める必要」、酪肉近見直しへ議論開始?畜産部会
農水省が事務局を務める食料・農業・農村政策審議会畜産部会の09年度1回目の会合が22日、東京・三田の三田共用会議所で開かれた。今年度は、来年度以降に取り組まれる酪肉近代化基本方針を検討する。この日は、事務局から検討スケジュールが説明されたほか、次回以降の本格的検討を前に委員からは基本的な考え方などをめぐって議論が交わされた。
会合では、現行の酪肉近基本方針をめぐる08年度の取り組み状況と評価、09年度の取り組み内容のほか、08年度2次補正予算および09年度「経済危機対策」関連予算案(09年度1次補正予算案)、畜産業をめぐる情勢など、事務局から説明がなされた。委員からは、国民をまき巻き込んだ議論を求めるほか、畜産業を取り巻く自然環境や経営規模など日本の風土を前提とした多様性のある施策作りを目指すべき、との意見が出された。また、食の安全・安心に関連した政策を食育に結び付けていく必要性など、これまでの枠組みを超えた議論の必要性を指摘する声も聞かれた。
次期の酪肉近基本方針については、次回以降、生産、流通、消費者などをめぐって本格的議論を開始、9月までに主要論点を整理、来年1月下旬までに骨子案を提示したい考えだ
消費者の節約志向続く
昨年第4四半期の米国経済は、GDPベースで6.3%(前年比)縮小した。これは過去25年間で最大の落ち込みで、今年第1四半期の減退は5〜6%と予想するエコノミストもいる。個人消費はGDPの67%を占めているが、個人財産の大幅な目減りで消費者はひたすら節約し、節約分が消費に回っていない。最大で15兆3,000億ドルの、住宅と株式の市場価値の損失が大きな問題になっている。消費者が再びお金を使い始めるには、まず損失分の50%以上を取り戻すことが必要だろうとエコノミストは述べている。
景気低迷の影響は外食市場にも及んでいる。NPDグループの調査によると、ヤングアダルト(18〜24才)と子ども連れの外食が減少している。最も収益性の高いヤングアダルト層の外食は、ここ5年間減少が続いているが、2007年・2008年対比で、食事・スナックの外食機会は1人当たり254から233と、最大の減少巾になっている。また子ども連れの外食も夕食時間帯を中心に3%減少している。唯一ベビーブーム世代(50〜64才)だけは、2007年・2008年対比で204から209に増えている
【ロシアの牛肉消費量は減少傾向】
ロシアでは国内の牛肉・豚肉消費量が20%減少すると予想され、輸入量の調整が必要になるだろう。業界団体幹部は「世界的な経済危機の影響で、消費者は価格の安い鶏肉に切り替えている」と説明している。しかし「輸入割当量は、鶏肉と豚肉は現状維持でよいが、牛肉は国内の肉牛頭数の減少に伴い、2010年から最低3年間は20%〜25%増やす可能性もある」と述べている。
菜食主義者のほうが多い結腸癌発生率(調査)
赤身肉摂取と癌の関連性が指摘されているが、最近報告された調査では、「結腸癌の発病率は肉食者より菜食主義者のほうが高く、また悪性腫瘍のリスクは両者の間に差はない」という結果が報告された。
英国で1993年から1999年にかけて6万3,550人の男女を追跡調査したところ、結腸癌発病率は肉食者1に対し菜食主義者は1.39だった。ただし、すべての癌合計の発病率では菜食主義者のほうが低かった。調査はEuropean Prospective Investigation into Cancer and Nutrition (EPIC)が実施し、アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリションに掲載された。
減反廃止なら米価3分の2に=農政改革で−農水省試算
農水省は22日、主食用米の生産調整(減反)政策を見直した場合の米価や生産量の変化に関する5種類の第1次試算をまとめ、政府の農政改革特命チームに提示した。それによると減反を廃止した場合は、需要が伸びないにもかかわらず生産量が増えるため、米価(市場価格)が中期的に3分の2の水準に下がると予測。一方、現行の政策を継続すると、下落は3%程度に止まるとしている。
改革チームはこの日の会合で、試算を修正して論議の材料とし、政策の方向性を検討することを確認した。8月中旬ごろに基本方針の取りまとめを目指す。
試算によると、減反を廃止すれば、廃止から10年後のコメ生産量は現在より約70万トン増の929万トンとなり、60キログラム当たりの米価は2007年産(15075円)比でほぼ3分の2の9721円。一方、現行政策を継続した際は、それぞれ815万トン、14632円とみている。
米の生産調整廃止なら大暴落/農水省がシミュレーション公表
農水省は22日、農政改革関係閣僚会合の下に設置した特命チームの会合に、米の生産調整シミュレーションを示した。生産調整の強化や緩和、廃止など5つのシナリオで試算。廃止した場合は、1年目に現行の半値となる60キロ当たり7500円に暴落すると予測した。緩和によって30万ヘクタール作付けが増える試算でも、1年目に1万600円に大きく値を下げるなど、稲作経営への打撃が極めて大きいことが分かった。
同省はこの試算を参考にしながら米政策の具体的な選択肢を示し、国民的な議論を行う方針だ。8月上中旬に生産調整の在り方を含む「農政改革の基本方向」を取りまとめる。
試算では廃止の場合、1年目で7500円まで下がった米価は、その後5年目には1万円程度に回復するが、7年目以降は9000円台後半で推移する。現行の経営所得安定対策による補てんを含めても、生産者手取りはわずか8500円程度に減少する。
30万ヘクタール作付けが増えた場合は、3年目以降1万2000円前後の水準で徐々に下落。作付けが10ヘクタール増えた場合でも、1年目で1万3800円に下がり、その後1万4000円台に回復するが、10年目には1万3500円水準になる。米価の下落や乱高下は稲作経営の安定を脅かし、将来的にわたる主食の安定供給に打撃を与えるのは必至だ。農水省は今後、米政策の具体策を検討するが、生産調整の役割を再度検証した上で、稲作経営安定の視点からの冷静な議論が求められそうだ。
在庫、行き場なく…価格低迷のリンゴ農家 加工用も処理限界/青森県
青森県のリンゴ農家が苦境に陥っている。2008年産の消費地での市場価格は、ひょう害の発生や景気悪化などで前年産の2割安と生産費を割り込む。ジュースなどの加工用でも処理しきれない。農家は大幅な減収に見舞われた上に、行き場のないリンゴを抱え、八方ふさがりの状況だ。政府・与党が10日決めた追加経済対策では、リンゴの本格的な経営安定対策が盛り込まれず、産地では国に支援を求める声が高まっている。きれいに整えられた園地の一角。うず高く積まれたリンゴが泥やわらにまみれ、酸っぱいにおいを放っている。リンゴが堆肥(たいひ)になる途中の光景だ。
【香港、カナダ産ボンインビーフ輸入へ】
香港は、月齢30ヵ月未満の牛由来のカナダ産ボンインビーフの輸入手続きを始めた。香港は2004年11月に同条件のカナダ産ボンレスビーフ製品の輸入を解禁し、その1年以上後に米国産にもアクセスを認めた。それ以降は米国産のシェアが拡大し、カナダ産のシェアは縮小していた。しかしここにきてカナダは、ボンインショートリブの人気が高い香港市場に各種のカットを提供できる体制になっているため、今後市場シェアの動向は変わる可能性もある
【米国産牛肉、中国市場の将来性】
中国の年間牛肉生産量は700万トンを超え、世界3位だ。しかし生産の担い手は小規模でローテク運営の農家が主流で、大規模の畜産農場、食肉処理工場のシェアは各々11%と13%にすぎない。また近年は収益性の低い肥育牛の在庫・牛肉生産量の下降が続いている。大手牛肉会社でも施設稼働率はわずか20%で、生産停止か廃業を迫られる小規模会社との統合が進むだろう。一方で中国は、発展途上国としては一人当たりの牛肉消費量が比較的高いため、今後は中国人の所得の伸びに伴い、牛肉消費量の増加や利用する牛肉製品・カットの変化・拡大が期待される。今のところ中国の牛肉自給率は高いが、生産方法は非効率的でインフラや各種資源も乏しいため、現状の消費レベルを支えるには輸入に頼らざるを得ないだろう
米国産豚肉輸出、中国・ロシア向け今年は足踏み
昨年の米国産豚肉輸出は、好調な中国・ロシア向けも手伝って、輸出金額は55%増加して17期連続の伸びとなり、食肉輸出を推進した。米国は現在、世界最大の豚肉輸出国だが、今年は努力が必要なようだ。昨年、豚肉輸出量は豚肉生産量の25%を占め、中国・香港は米国産豚肉の第2位の市場として浮上した。しかし既に中国国内の豚肉生産量は6%、肥育豚頭数は12%増加しており、昨年のような数字は達成できないだろう。一方ロシアは、米国内33ヵ所の豚肉工場と、処理加工施設の5割を輸出認可リストから除外している。この措置が石油価格の大幅下落とロシア経済が2%縮小した時期と重なり、需要の冷え込みと市場アクセス制限のダブルパンチで、今年の輸出は苦戦しそうだ
米消費者、クーポンやPB商品の利用増える
米最大手食料スーパーのクローガー社は、不況により外食を控え、スーパーでの食材購入が増えた消費者の行動変化を次のように説明している。
・欲しいものではなく必要なものを買う。
・PB食品・割引クーポン・フードスタンプ(低所得者向け食料費補助)の利用増加。
・食肉は低価格へ切り替え。
・総菜・ベーカリー製品売り上げが増加し、非食品売り上げが減少。
同社最新の四半期業績で、PB食品は販売量で全体の35%、販売高で27%を占めた。景気低迷の食肉への影響は、昨年11月実施の米国食肉協会(AMI)・米食品マーケティング協会(FMI)共同調査「Power of Meat」の結果にも出ている。前回と比べ、食肉を購入する小売店タイプ、カット、ブランド、量に変化が見られる。1週間の食料費は約91ドルと変わらないが、クーポン利用・必要なアイテムのみ購入・PB食品に切り替える(50%)、以前よりチラシをよく読んで食肉を購入する(71%)、セール時にまとめ買いをする(69%)、安いカットをよく購入する(67%)など使い方に変化があった。「ナショナルブランドが好き」は前回調査の37%から29%に減った
米国消費者の食肉購買トレンド
最新データによると、2008年10月〜2009年1月期で、消費者の食肉購買量は牛肉で3.9%、豚肉は3%増え、安価なカットに切り替えている。
【ビーフ】牛肉離れよりも安価なカットへの移行が多い。外食をしないかわりに、自分へのごちそうとして上級ステーキカットを購入(4.7%増、レギュラーステーキは1%減)。
【ポーク】安価なボンインへ切り替え。昨年第2四半期は販売量ベースでボンインチョップは14.6%増、ボンインローストは6.6.%増加。
また最近の外食から内食への回帰を反映して、割高の調理済み食品よりもフレッシュミートの購入が増えている。お金はないが時間はあること、暗いニュースが続くなか、家庭の味を食卓に並べると気分が前向きになるからではないかと思われる
食肉のマーケティングは世代別訴求
各世代の文化、世界観は、それぞれ育った時代の影響を受けて形成されるため、食肉のマーケティングも各世代の食意識に対応した訴求が必要だ。
【サイレント世代 : 66〜83才】
社会・経済的に最も上向き/強い中流意識の中で成長/洗練された味覚でしゃれた料理を好む
フードテーマ : 料理好き/一緒に食事を楽しむ
【ベビーブーム世代 : 48〜65才】
反権威/元祖自己中心世代/個人主義/強い価値志向
フードテーマ : 軽食/テイクアウト/ヘルシー
【X世代(ジェネレーションX) : 27〜47才】
世代との関連づけを嫌う/離婚・学校崩壊・子育ての意義喪失の時代/元鍵っ子
フードテーマ : 便利/効率/コスト/カジュアル/マルチカルチャー/アーバン
【新世紀世代(ミレニアル) : 26才以下】
ベビーブーム世代の親の過保護/家族・チーム志向/バランスを求める/テクノロジー
フードテーマ : 肉はバランスのとれた健康的な生活の一部/肉調理は人の和づくりの共同作業
21年度の目標は92万2000ヘクタール 飼料作物の作付面積
農林水産省は3月27日、飼料自給率向上戦略会議を開き、飼料自給率向上に向けた平成21年度の行動計画を策定した。3月17日の「飼料自給率向上・生産性向上に関する合同会議」で報告された(1)飼料作物の作付面積は、目標の2万ヘクタール増には届かなかったものの10年ぶりに増加し、90万2000ヘクタールとなった(2)稲WCS(発酵粗飼料)の作付面積が8900ヘクタールに達し、目標を1年前倒しで達成した(3)水田放牧への取り組みが拡大した――などの20年度の実績を踏まえ、21年度は飼料作物の作付面積を2万ヘクタール拡大、目標を92万2000ヘクタールに設定した。このうち飼料米については、21年度に新たに実施する「水田等有効活用促進交付金」(10アール当たり5万5000円を助成)などで従来を上回る支援を展開し、作付面積の拡大と利活用の円滑化に注力する。青刈りトウモロコシの作付面積の目標は、前年度実績から4000ヘクタール増の9万5000ヘクタールに設定。エコフィードについては「認証制度」の推進などによって、利用量を5万TDNトン(TDN=可消化養分総量)拡大するほか、20年度に当初目標の8000ヘクタールを達成した稲WCSは、22年度までに1万ヘクタールの達成を目指す。
エコフィード認証制度開始
(社)日本科学飼料協会(石橋晃理事長)は、食品循環資源の飼料化を推進するために創設した「エコフィード認証制度」の運用を、3月23日から開始した。
認証の基準は、(1)一定比率以上の食品循環資源を利用している(2)安全性が確保され、栄養成分や飼料製造工程管理が明らかになっている――ことなどで、認証された飼料は「エコフィード」の名称と「認証マーク」を使用できる。詳細は同協会(電03・3297・5631)またはホームページ(http://kashikyo.lin.go.jp/eco.html)へ。
5月の肉豚出荷1%増の130万頭、1日当たりで7.2万頭?肉豚出荷予測
農水省・食肉鶏卵課が発表した肉豚生産出荷予測によると、5月の全国の出荷頭数は前年比1%増の130万頭、6月は4%増の127.9万頭と予想。4?6月では3%増、7?9月も2%増と今後の出荷頭数は2?3%増の予想となっている。サーコワクチン効果や配合飼料価格値下げなどにより増頭傾向で推移しているものとみられる。
4月の出荷頭数は前月予測より1ポイント上方修正して138.1万頭、5月は前月予測なみの1%増の130万頭、6月は前月予測より1ポイント下方修正して4%増の127.9万頭と見込んでいる。5月の稼働日1日当たりの出荷頭数は7万2,200頭となり、前月の6万5,800頭より6,400頭ほど増加し、前年同月の6万8,100頭より4,100頭ほど増加する見通しにあり、5月の豚肉生産量は多めに推移しそうだ。6月の1日当たりの出荷頭数は5万8,100頭となり、前月より1万4,100頭減少し、前年同月比では300頭ほど減少する見通し
生体牛、春期の価格上昇始まる
4月に入り、供給サイドの後押しを受けて生体牛の値上がりが始まっている。3週のコーンベルトの生体牛価格は前週比3〜4ドル高の89〜90ドルだった。サザン・プレーンズ(オクラホマ南部-テキサス北部)でも2〜3ドルの値上がりが見込まれる。予想を上回る生体牛現金取引価格の値上がりで、高値とその時期の予測がさらに難しくなっている。冬場の安値80ドルからの動きが鈍いため、3週前半の時点でパッカーは87〜88ドル以上はのまないとアナリストは見ていた。フィードロットのショーリストが前週より多かったため、パッカーはその前の4週間、処理頭数を大幅に削減していた。そのため、パッカーの手元の肉牛頭数は少なかったが、利用可能な頭数は多いと思われた。
価格上昇のきっかけはカットアウトの急騰だ。パッカーマージンが黒字転換し、肥育業者が望む89〜90ドルを可能にした。4週、5週で更に5〜7ドル値上がりするようなら、パッカーは1頭当たり92〜93ドル台の価格を受け入れ、肥育業者のマージンは1年半ぶりにプラスに転じることになるだろう。ボックスビーフ価格がさらに上昇すると、昨年のように生体牛価格は5月か6月にさらに値上がりする可能性もある
フィードロット肉牛の体重増加
4月17日付のCattle On Feed(米国農務省)によると、フィードロット内頭数と導入頭数は予想通りのレベルだったが、牛の体重は思ったより重かった。フィードロット内の牛の31.6%が体重800ポンド以上で、10年平均の25.3%を上回っている。アナリストは、これで大量の牛が出荷される6月頃には値が下がり、その後は値上がりが期待できるとみている。CMEグループの畜産日報は「飼料の値上がりがなければ、導入頭数が多い状況が続くと出荷牛の重量化が続き、等級制度の変更もあいまって、しばらくはチョイス級の牛が多くなる」と予測している
海外市場動向 - 韓国 【米国産牛肉の信頼回復へ】
昨年4月17日、米韓両国は5年ぶりに米国産牛肉輸入再開に合意したが、韓国消費者は依然として手頃な価格の米国産牛肉を買い控えている。最近実施した調査(回答者1,163名)では、「米国産牛肉購入の意向なし」は35%(昨年度52%)で、うち80%がBSEへの懸念を不買理由に挙げている。輸入再開以来、入荷量は増加しており、昨年10月には輸入額でオーストラリアを上回った。ウォン安のため今のところ輸入量は抑えられているが、今後徐々に増える見込みだ。しかし韓国消費者の信頼回復には、もう少し時間がかかるかもれない。
新パッケージングで消費者が扱いやすい商品の販売を促
健康志向、利便性、個人主義といった多様な消費者傾向の高まりが、商品の選択を左右している。最近登場した開けやすい缶詰は、普通のコストで消費者ニーズに対応している。
昔は缶切りを使用していたが、約15年前にイージーオープン(プルトップタイプ)缶詰が登場した。そして最近ではクラウン社がプルトップに指が入れやすいEasylift?や、リッドがはがせるフォイルタイプのPeelSeam?を開発している。こうした技術で、缶詰の強度、重ねて陳列可能、密封性に、テイクアウトした際の利便性が加わった。加熱・調理が不要、保存料なしでも栄養価が損なわれず、手も汚れない、捨てやすいとメリットは多い。開けやすさはテイクアウト時の便利さだけでなく、西欧諸国で現在は2割、2050年までには3割と言われる高齢者にもやさしい
<新型インフル>人から豚へ200頭感染 カナダ
カナダ保健当局は2日、同国西部のアルバータ州の養豚場で人から豚への新型インフルエンザ感染が確認されたと発表した。人から豚への感染確認は初めて。同国食品検査局は豚肉の安全性に問題はないと強調している。
保健当局によると、メキシコから4月12日に帰国した作業員が同14日から養豚場で働き、約200頭の豚に感染が広がったらしい。作業員と豚はすでに回復に向かっている。ウイルスの遺伝子に変異はなかった。
カナダでは、80人以上の感染が確認されている。ホンジュラスとウクライナがカナダからの豚肉を輸入禁止にし、カナダ政府は両国に抗議している。今回、豚への感染が確認されたことで、カナダ政府や農業関係者は、豚肉の輸入制限の動きが加速することを懸念している。
なぜ「豚」インフルと呼ばれたのか――フィナンシャル・タイムズ
(フィナンシャル・タイムズ 2009年4月30日初出 翻訳gooニュース) クライヴ・クックソン
これは「豚インフルエンザ」なのか? それとも「メキシコ・インフル」? あるいは「北米インフル」? さもなくば「新型インフル」? パンデミック(世界各地で広く蔓延する流行病)になるかもしれないこのメキシコ発の病気について、どういう名前で呼ぶかはかなり大事なことだ。
流行病発生が先週報じられた際、世界保健機関(WHO)を含む保健当局は「豚インフルエンザ(swine flu)」と呼んだ。これは、感染者から検出した検体を遺伝子解析して判明した病原体の成り立ちからこう呼ぶことにしたのだ。病原体は豚インフルエンザウィルスと鳥インフルエンザウイルスとヒト・インフルエンザウイルスの組み合わさったものだが、豚インフルエンザ・ウイルスの要素が最も特徴的だったからという。
しかし今週になって、この「豚インフル」という呼称について、複数の団体が抗議を始めた。たとえば、WHOが世界の保健衛生を監督するのと同じように、世界の食糧や農業を管理監督する国際機関「国連食糧農業機関(FAO)」や、動物の健康を管理する「国際獣疫事務局(OIE)」などが抗議の声を挙げたのだ。
養豚業者や動物の健康の専門家たちは、「豚インフルが世界中に蔓延する」というイメージは、豚のイメージを落とすだけでなく、誤解につながりやすく危険だと主張する。「豚」のイメージばかりが広まると、政策決定者たちが不適切な対策をとりかねないというのだ。
「豚インフル」という呼び名に抗議する人たちは、養豚業・食肉業の保護を目的の一部にしている。WHOがどれほど「適切に加熱調理した豚肉を食べて感染する危険は全くない」と強調したところで、豚インフルエンザについての報道は、豚肉に対する消費者の信頼感を損ねているからだ。すでに複数の国々が、メキシコ産豚肉の輸入を禁止している。こうした禁輸措置には、冷静な科学的な根拠など何もないのだが。
パリに本部を置くOIEは、科学情報の正確さも問われていると言う。「現在まで、このウイルスは動物からは分離・検出されていない。ゆえにこの病気を『豚インフルエンザ』と呼ぶ理由がないのだ」と。
ローマに本部を置くFAOは、今回の感染蔓延の原因となっている新型のH1N1型ウイルスが「豚から人間へ直接感染した」という事例を探しているのだが、まだそうした症例は発見できていないという。
新型ウイルスというのは、豚や人間や鳥といった生物が「混合容器」となると発生する。豚や人間や鳥などが、二つの異なるインフルエンザに同時感染し、それぞれのウイルスが遺伝子情報を交換すると、新型ウイルスが発生するのだ。今回のインフルエンザについてウイルスは4つの主な要素から成っていて、ひとつは人間由来、ひとつは鳥由来、そして二つは豚由来と思われている。
発現の大元は不明だが、ウイルスの専門家たちによると、すでに豚要素と鳥要素を含んでいたウイルスと、すでに豚要素と人間要素を含んでいたウイルスに、どこかで豚が同時感染した可能性があるのだという。まさにこういう現象が、メキシコのベラクルス州ラグロリアにある大きな養豚場で起きたのではないかと、今はそう推測されている。
「豚インフルエンザ」と呼ぶことについてこのほかに、宗教や文化の観点から抵抗する声もある。たとえばイスラエルのヤコフ・リツマン副保健相は「豚」への言及はイスラム教徒やユダヤ教徒にとってとても不快なものだと発現した。だとするならば、私たちはこの新しいウイルスを何と呼べばいいのだろう。欧州連合(EU)欧州委員会のアンドルラ・ワシリウ委員 (保健担当)は「新型インフルエンザ」と呼んだらどうかと提案した。
けれどもこれまでの習慣では、インフルエンザの大流行はその発生地で呼ぶのがならわしだった。最後に起きたのは1968年で、当時は「香港インフルエンザ(日本での通称は香港風邪)」と呼ばれたし、1918〜19年のパンデミックは「スペイン・インフルエンザ(日本での通称はスペイン風邪)」と呼ばれた。
OIEは、ならば「北米インフルエンザ」と呼んではどうかと提案している。しかしほとんどの保健当局にとって、それは長たらし過ぎる名前だ。かわりに発生地を正確に反映した「メキシコ・インフル(メキシコ風邪)」という名称を支持する声も多い。そんな呼び方をしたらメキシコが悪者扱いされるという懸念は、あまり気にしなくてもいいだろう。過去のパンデミックでスペインや香港の名誉が傷ついたという証拠はないのだから。
28日現在の時点で、医療専門家たちは今後どうなるのか、パンデミックが起きたとして、どれほど素早く、どれほどの致死率でどう広がるのか、まだ不確定だと話していた。けれども多くの専門家は、なんらかの形でのパンデミックは避けがたいと諦めている様子だった。インペリアル・コレッジ・ロンドン学長で、数理的疫学研究の第一人者のサー・ロイ・アンダーソンは、季節要因の影響を指摘する。「今から数ヶ月間は、英国など北半球の国々ではそれほど大したことのない状態が続くかもしれない。夏の間に時折、散発的に発生するという風に。しかし秋冬になれば、もっと大々的に感染が拡大する恐れがある」感染者がどの程度の割合で重篤な呼吸器系の疾患を患い、入院を必要とし、どれくらいの割合で死亡するのか、まだ何かを言うのは早すぎる。現状での致死率は1%未満。もっとも感染がひどく拡大しているメキシコでも、致死率は1%に達していない。
しかしインフルエンザは予測がつかない。スペイン風邪もそうだったが、一部のパンデミックは発生当初は軽度のものだったが、次第に悪化し、最終的には大量の死者を出すに至っている。2009年に起きたインフルエンザ大発生が今後どうなるのか、軽々に憶測すべきではない。けれども私は少なくともその呼称については、WHOが何といおうと、「メキシコ風邪、メキシコ・インフル(Mexican flu)」と呼ばれるようになるのだろうと予測しておく。
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