年末年始はハレ型商品で楽しむ!

1. 年末商戦の流れ
12月から正月までのイベント及びポイントを表にまとめた。大きく5つの商戦に分けることが出来る。

1 ボーナス商戦
2 クリスマス商戦
3 年末年始準備商戦
4 年末商戦
5 年始商戦

表1 販促ポイント

日付  歴・イベント   ポイント
12月  1 ボーナス
商戦
クリスマス商戦に向けて骨付きモモ肉を売り込む
 2
 3
 4 ボーナス商戦 週末は鶏中抜き、ひな鶏を販売
 5 年末商戦を見越し大容量パックの販売を強化
 6 経済メニュー訴求で安価な商品を販売し売上確保
 7 大雪 ホットメニューで経済メニューを提案
 8
 9
 10 官公庁
ボーナス
支給日
ボーナス支給日はプチ豪華提案で牛肉を売り込む
 11 交雑牛でプチ豪華なファミリー忘年会提案
 12 クリスマスを見越したパーティーメニューの提案強化
 13
 14
 15 都心部12月売上折り返し
 16
 17
 18 クリスマス
商戦
クリスマス商戦売場最大、地方12月売上折り返し
 19 パーティーメニューでハレ型商品の拡大
 20 鶏肉コーナー拡大し、ローストレッグなどチキン商材拡販
 21 パーティーオードブル販売強化
 22 冬至 鶏中抜き、ひな鶏、ステーキでパーティーメニュー訴求
 23 天皇誕生日 クリスマス商戦売上最大日
 24 クリスマスイブ クリスマス商戦最終日
 25 クリスマス 年末年始
準備
年末年始準備 パーティーメニューでハレ型商品の継続販売
 26 年末商戦までの平日経済メニューの訴求
 27 煮豚、各煮商材としてブロック商材を単品大量販売
 28 官庁御用納め 年末商戦売場に変更し年末商戦を仕掛ける
 29 年末商戦 和牛を使った大容量パックを拡販
 30 牛肉コーナーを拡大し売上確保
 31 大晦日 大晦日の年越し鴨南蛮そば用の鴨を拡販
1月  1 元旦 年始商戦 年始商戦 初売りは鮮度の良い和牛でハレ型メニュー提案
 2 特大パック⇒大パックへシフト、鶏肉は雑煮用切身の提案
 3 大容量パックを製造しすぎないように調整
 4 官庁御用始め 通常売場・経済メニュー展開

例年同じ流れが続いているが、今年は例年になくデフレのために売上確保が難しい年となることが予想される。
円高の影響で、輸入の「USレッグ・ブラジル鶏モモ肉」などが、安く出回り、100グラム価格ダウン傾向に拍車がかかることも予想される。それだけに、売上数字を何でどのように作っていくかという戦略をしっかり組み立てていかないと、「安売り」で、年末・年始が終わり、「売上」という数字の確保が難しくなると思われる。
そのために、指標となる数字をチェックしながら進めることが重要だ。
12月の上旬で売上を出来るだけ稼ぎ、12月の「売上の折り返し地点」をいかに早く持ってくることが出来るかがポイントとなる。
都心部では12月の「売上折り返し地点」は、ほぼ月の半ばの15日〜17日、地方では年末商戦で売上が爆発するため18日〜20日前後にやってくる。
今年はデフレの影響で数量ベースでは安定的に消費されているにも関わらず、金額ベースでみると安いものを買う傾向は極めて強く、売上確保が難しくなる。
これは、盆商戦が売上確保することが難しかったことからも否めない。
したがって、いかに12月上旬に売上をどこまで確保できるかがポイントとなる。

2.商戦別売り込み戦略
それぞれの商戦でどのような売り込みをすれば効率的に売上を確保できるか。

1 ボーナス商戦
官公庁では今年は12月10日がボーナス支給日とされている。
しかし、ボーナスは直接的に通常の売上UPにはつながらない。
むしろ、お歳暮商戦で左右するものである。
もちろん、量販店でもお歳暮用ギフトを販売しているので、お歳暮用ギフトを買うお客様をターゲットに、年末商戦で購入してもらう和牛をこの時点で予め店頭で見せておかなければならない。
この時点では売上にはつながらないので、ギフトアイテムを数パック製造する程度で十分である。
そこで、以下のように売上確保を行う。
お歳暮を買うお客様は特にギフトでお金を使ってしまっているので、通常のメニューは安価に抑えたいと考える。したがって、単価の安い鶏肉、豚肉、輸入牛肉を中心に販売を行なう。
ただし、ユニット売価で価格訴求を行ない、均一セールなどパックの値段が決められた販売は行なわないことがポイントとなる。
メニューは「ホットメニュー」中心に展開し、定番の「鍋商材、豚しゃぶしゃぶ、輸入牛を使ったすき焼き」を提案して、安心感のある売場作りをするとよい。
また、トレーもシステムトレーなどを使い高級感を無理に出さないことで、買いやすい商品となる。

商品名 単価
米国産牛バラ切落としすき焼き用 198円/100g
国産豚肩ロースしゃぶしゃぶ用 158円/100g
国産豚バラキムチ鍋用 148円/100g
国産鶏モモ肉切身水炊き用 128円/100g
国産鶏手羽元カレー鍋用 58円/100g


国産豚バラしゃぶしゃぶ用

 この間の週末は、家で行なうパーティーメニューを訴求するとよい。特に外食にかける金額もシビアになってきているので、友人と忘年会を家で行なう『プチ忘年会』提案を行なう。
こちらは、大勢で食べることが出来るようなメニューを提案。ホットプレートで「蒸ししゃぶ」などは安価で、大勢で、美味しく食べることの出来るメニューである。

2 クリスマス商戦
今年のクリスマス商戦は24日が金曜日のため、25日までクリスマス商材が売れることが予想されるが深追いすると、ロス発生の恐れがある。
「クリスマスパーティー」は「18日19日」と「23日24日25日」に行なうことが予想されるが、24日が金曜日のため外食へのシフトも懸念される。
外食需要に負けないために12月上旬から週末に必ず「チキン商材・鶏中抜き」などの商品の顔見せを行ない、ホームパーティーの提案を行なう必要がある。
12月上旬には、既に米国産や国産骨付きモモ肉は意識して販売を行なっているが、鶏中抜き、ローストビーフ用牛肉ブロック、ラム骨付きモモ肉も週末を中心に販売を始めておく必要がある。
また、今年は「ひな鳥」がローストチキン用として注目を浴びている。1羽780円程度で販売できることも魅力の一つである。
クリスマスイブ当日は、定番の「ローストレッグ・ローストチキン」、「唐揚げ用モモ肉」は必須で購入するので、無理な価格訴求をしなくても売り上げは確保できる。(惣菜コーナーとの価格の調整は必要)。
牛肉コーナーについては売上確保のためステーキ、焼肉関係も強く販売を行なう。
しかし、例年よりも高額商品は売上につながりにくいことが予想されるので、国産よりも米国産牛肉サーロイン1枚500円など安価な商品提案で集客する必要がある。
また、焼肉商材では今年注目度の高い『牛タン』『バックリブ』を売り込む。
牛タンの商品化では「厚切り牛タン」が人気で、穀物肥育した米国産の牛タン元は付加価値をつけて高く販売している店舗も多い。
「タン元」を100円/100g上げて付加価値商品として販売するだけでも、粗利に大きく貢献する。
この厚切り牛タンを「牛タンシチュー用」としてクリスマスメニュー提案するとより華やかな売場作りが出来る。5mm〜10mm程度の厚切りカットした牛タンに格子状に隠し包丁を入れると、見た目にも花が咲いたような綺麗な商品になる。
「バックリブ」は焼肉提案のほかにも、煮込みでも提案できる。
例年、スペアリブで販売しているものを、クリスマスパーティーメニューとして、バックリブの甘辛煮やブロックのままオーブンレンジで焼いた焼肉も目新しい。
クリスマス当日の25日、今年は土曜日のためクリスマス商材の需要が例年よりは強いと思われる。ほとんどの店舗でクリスマス商材は24日で撤去してしまうが、販売を続けた方が今年は売上につながる可能性が高い。
商品名 量目 売価 100g単価
米国産牛サーロインステーキ用 150g 500円 333円/100g
豪州産牛モモブロック 300g 380円 127円/100g
米国産牛タン厚切り焼肉・シチュー用 300g 1280円 427円/100g
銘柄鶏モモ肉切身唐揚げ用 275g 380円 138円/100g
銘柄鶏手羽先チューリップ唐揚げ用 100g 158円 158円/100g
国産若鶏モモ肉切身唐揚げ用 300g 380円 127円/100g
豪州産ラムフレンチラック骨付きステーキ用 100g 380円 380円/100g
中国産ローストレッグ 180g 258円 143円/100g
米国産ひな鳥 1羽 780円

3 年末年始準備商戦
 25日は例年クリスマス商材を撤去しているが、先にも述べた通り土曜日のため、深追いしない程度に販売を継続している方が得策な可能性が高い。時間帯で推移を見ながら、売場を変化させて準備商戦の単品大量販売の売場へ移行する。
年始営業が一般的になり、年末商戦の売上の落ち方が著しくなってきている。
以前と変わってきているのは、28日29日に売上が伸びなくなったことである。
クリスマスが終ってから29日までの間は売上が極めて悪くなる。
強い日替り商材を毎日用意して集客をしなくてはならない。
今年は26日が日曜日である程度の集客はあるが、27日〜29日までの3日間は店舗に見合った売れ筋商材を売り込んで、売上確保に臨む必要がある。
年末に人気の高い豚ブロック祭りは中でも売上の落ちると思われる27日に行なうことで、売上下落をカバーできる。強いインプロ、強い日替り商品を使って集客して販売強化しなければならない。
26日は日曜日のため、比較的売上は見込まれるので、作業も簡単に売上にもつながる豚肉切落としフェアなどで拡販する。27日月曜日は、仕掛けがなければ極めて売上が落ちやすい日であることが想定されるので、例年販売して、売上に貢献する豚肉ブロックフェアで売上確保を行なう。
今年は、エコに注目して「ノントレーでブロック祭り」を開催してみるのもよい。
トレーがない分、かさばらずに売場を使うことができるので、単品大量販売には有効な手段であると言える。真空包装機やノントレー包装機が無い店舗は、ナイロン袋に入れて販売することで、ノントレーを謳った提案をすることができる。
28日は販売側としては、出来るだけ年末商戦の売場に近づけたいので、和牛セットなどの余剰部位となる部分の単品大量販売を行なうとよい。
特に、年末は際まで経済メニューが好まれるので、牛すじやブリスケを使ったビーフシチューなどの提案で売上を確保する。

豚ブロックまつりリスト
商品名 100g単価
国産豚ロースブロック 168円/100g
国産豚肩ロースブロック 158円/100g
国産豚バラブロック 148円/100g
国産豚モモブロック 98円/100g
国産豚肩ブロック 78円/100g
米国産豚ロースブロック 98円/100g
米国産豚肩ロースブロック 88円/100g
米国産豚バラブロック 98円/100g


4 年末商戦
29日は地域によっては、帰省が完了しておらず、年末になっていない場合もある。
年始営業の影響もあり、29日の売上が下がってきているので、売場作りと商品製造量は注意が必要。特大パックは控え目に、大容量パックを中心に和牛スライスを製造する。
同時に、「ケ型商材」を販売することもポイントとなる。
見極めは難しいが、無理に年末商材を販売して売上を落とすことよりも、通常商品を売れるだけ売って売上を確保する方が得策な場合もあるので、前年の売れ方から判断しなくてはならない。
30日31日は全力で年末商戦にあたる。
一年間で最も売上が高い2日間である。ハレ型商材をきっちりと品揃えして、「年末はこの店に来てよかった!」と思わせる売場作りをしなくてはならない。
売り手は、「この売場で売れないわけが無い!」という売場を作って、一年最も売上の高い日を楽しむ!さらに、全店一番の売上を目指して売り込む楽しさを忘れてはならない。
30日31日は全店一番の店の売上を抜かすことが出来る数少ない日であるので、全店売り上げ一番チャレンジを行なって年末を楽しむ。
31日は年内商品を売り切る店舗は、製造量を夕方くらいから調整し始める。
以前に比べて、最終の売り切り時刻が早くなってきているので、お客様の量に注意して売り切りを行なう。
パック単価のボリュームゾーンは1980円ライン。
この価格帯を売り込むために2980円、5800円、9800円の商品を見せておくことが必要。逆に、1480円よりパック単価の低い商品は、売上が落ちるので、品揃え程度で販売を行なう。
モモ系など余剰部位となるスライスが多く残りそうな場合は、肩ロースなどの霜降り系のものと抱き合わせ販売を行ない、お買い得感のある商品化を行なうとよい。

商品名 量目 売価 100g単価
黒毛和牛ロースすき焼き用 220g 1980円 900円/100g
黒毛和牛肩ロースすき焼き用 250g 1980円 792円/100g
黒毛和牛肩・バラすき焼き用 400g 1980円 495円/100g
黒毛和牛モモすき焼き用 500g 1980円 396円/100g
黒毛和牛バラ切落としすき焼き用 400g 1980円 495円/100g




5 年始商戦
大型ショッピングモールに売上は偏る。逆に地域密着型の店舗は正月三が日は売上につながりにくい。
しかし、年末までに顧客が付いていれば、人の多い大型ショッピングモールで買うよりも、地域のスーパーで買おうと思ってもらえる。
そのためにも、年末、年始は「ハレ型商品」を多く販売してお客様にとって一番の売場作りをすることが、常にリピートにつながる。
特に年々薄れていく、ハレ型メニューやハレ型商品であるが、この商品があるから売場が楽しいと思わせることがストアロイヤルティにつながっていく。
年始商戦の商品は年末商戦に販売した商品とほぼ同じであるが、地域密着型の店は特大パックの販売はやや少なめ、大型ショッピングモールは特大パックを多めに品揃えすると効率的に売上を稼ぐことが出来る。
店舗に見合った品揃えと商品化が売上を左右するため、客層と売上のボリュームゾーンを知ることが最大の鍵となる。



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