食肉のプロショップを目指せ!
時代の変化に対応に対応するカテゴリーキラー
食肉では、家庭で肉料理が出来るように加工したものを「精肉」といい、戦後の畜産消費拡大の中で、スーパーマーケットが出現する昭和30年代までは精肉を販売するのは、食肉店に限られていた。
また、SM出現後も、畜肉には「屠畜⇒解体作業」があり、SM店舗で販売するのは食肉店のテナントが多く、SMが直営で精肉を自前で販売するまでには、数十年かかった。
食肉店は、昭和30年代から50年代まで精肉販売の主力で、それが、SMの店舗拡大により、シェアーを奪われていった 。
食肉店の店舗数が、4万店台であった昭和50年代から、現在の1万2千店台まで、店舗数は3割を割っている。
食肉店の店舗数が減少したのは、路面店の店舗がSMの便利性と品ぞろえに敗北したためで、フライなどの揚げもの惣菜や、外食店の卸売販売などを主力にし、現在に至っている。 しかし、昭和60年代からの大店法の改正等により、大規模な商業集積が各地に出現し、大規模な食肉販売を行う「食肉カテゴリーキラー」が各地方に出現し、出店を拡大していった。
百貨店やGMSも、カテゴリーキラーの食肉での集客力に目を止め、テナントや、自営の精肉とのコンセとして、販売強化のために導入が進んでいった。その後、BSEの発生や、適正表示など業界内で発生した問題や、SMとの競合で、淘汰されるものも多くなった。
食肉のカテゴリーキラーも、食肉小売業だけでなく、デリカを強化し、精肉とデリカで、百貨店などのテナントに不可欠な存在になるもの、外食店舗を小売店舗以上に展開するもの、商社と組み、生産・輸入・卸売・小売りの流れで店舗拡大するもの、SMの事業を展開するものなど、多様な形で現在に至っている。
食肉小売業店舗数
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事業所数 |
|
1972 |
39,366 |
1974 |
42,222 |
昭和49年 |
1976 |
43,836 |
昭和51年 |
1979 |
43,874 |
昭和54年 |
1982 |
41,371 |
昭和57年 |
1985 |
36,171 |
|
1988 |
32,979 |
1991 |
28,080 |
1994 |
24,723 |
1997 |
21,046 |
1999 |
19,066 |
2002 |
17,215 |
2004 |
14,829 |
2008 |
13,682 |
2014 |
12,534 |
経済産業省「商業統計速報」
プロショップ化の精肉売り場4つのポイント
食肉のプロショップとして、カテゴリーキラーの優位性を取り入れ、競争力のある売り場を作るために、
「品揃え・美味しさ・接客・販売価格」で、お客様に「感動を与える」ことが重要。売り場に限られている中で、SMに取り入れられることをまとめてみる。そして、お客のリピートを増やすことを目標にする。
そのためには、
ポイント1.
畜肉の自社開発、PB化によるブランド食肉の販売で、独自性と、利益を確保する 。
販売価格を下げるために、品質を下げることをせず、商品の高質化に絶えず取り組む。
販売価格を下げるためには、何かで利益を確保しなくてはならないからだ。なにで利益を確保するか、を計画する。
ポイント2
プロの食肉の「職人」作りの教育をする。
食肉の技術者としての、プロ職人の「誇り」を植え付けることがポイント。
身嗜みをはじめとした衛生管理、商品管理(温度、日付管理等)、商品化技術など、意識向上を計る教育を継続的に行う。
ポイント3.
接客で「対面販売」を行う気持ちで、店頭でお客に情報を発信する。
情報には、最新のアイテムや、食べ方。惣菜化が進む中での、デリカ・おつまみ、等の提案を増やし、お客の要望を取り入れる体制を作る。
ポイント4.
「産地・生産者」と「消費者」をつなぐ「絆」をテーマに。
日本の食肉の品質は、すべてが世界レベルにある。高品質の食肉を継続して販売するためには、まずは国内の産地・生産者の確保が重要。担当者各自の当事者意識を高めやる気をアップさせる。そのことはお客様にも伝わり、口コミでファンが増えていきます。売り場の社会的機能を高めていく。
食肉カテゴリーキラーは、安売りでばかりでなく、商品知識・技術、心のこもった接客、先見性のある原料購入と商品化で、それに感動した顧客が継続して買い求めにくることにあることが、ポイントといえる。