「食のクリップボード」2006年6月
1.牛肉・BSE情報

 
乳用牛飼養戸数・頭数毎年減少、頭数160万頭台
今年2月1日現在の畜産統計が公表されたが、乳用牛の飼養状況は戸数、頭数ともに減少傾向を続けており歯止めが掛かっていない。1997年2月現在の乳用牛飼養戸数は3万9、400戸であったが、2001年2月には3万2、200戸に18・3%減少、2006年2月には2万6、600戸と97年2月比で32・5%減となった。また、飼養頭数は1997年2月で189万9千頭であったのが、2001年2月には172万5千頭に9・2%減少、2006年2月には163万5千頭で13・9%もの減少になっている。飼養戸数・頭数ともに毎年、前年比減少が続いている。(単位=戸・1、000頭)

年次 飼養戸数 飼養頭数 うち経産牛頭数
1997年 39,400 1,899 1,205
1998年 37,400 1,860 1,190
1999年 35,400 1,816 1,171
2000年 33,600 1,764 1,150
2001年 32,200 1,725 1,124
2002年 31,000 1,726 1,126
2003年 29,800 1,719 1,120
2004年 28,800 1,690 1,088
2005年 27,700 1,655 1,055
2006年 26,600 1,635 1,046

肉用牛飼養頭数、肉用種横這いも乳用種減少傾向
2006年2月1日現在の畜産統計がまとまったが、肉用牛の飼養状況は前年比で飼養戸数は減少、飼養頭数は若干の伸びとなった。 2000年以降の肉用牛飼養状況を見ると次のようになっているが、2006年は2000年に比べ飼養戸数で26・5%減、飼養頭数が2・4%減となる。飼養頭数は、肉用種は0・2%増に対し、乳用種は6・4%減になっている。(単位=戸・1、000頭)

年次 飼養戸数 飼養頭数合計 うち肉用種 うち乳用種
2000年 116500 2,823 1,700 1,124
2001年 110100 2,806 1,679 1,126
2002年 104200 2,838 1,711 1,127
2003年 98100 2,805 1,705 1,101
2004年 93900 2,788 1,709 1,079
2005年 89600 2,747 1,697 1,049
2006年 85600 2,755 1,703 1,052

国内牛と畜頭数120万頭台で伸び悩み続く
国内の牛と畜頭数は、年間120万頭台と伸び悩み傾向が続いている。2001年9月のBSE発生の影響から2001年度には110万9千頭に激減した牛と畜頭数は、その後2002年度で123万6千頭に回復2004年度には125万3千頭まで伸びたが、昨年度2005年度は前年比2・2%減の122万5千頭にとどまった。牛枝肉相場が堅調で肥育経営は順調も、生産基盤が弱く子牛供給が安定しない中で素牛価格高や後継者難もあり飼養頭数が横這い(大規模層の増頭も中小零細の経営離脱が多い)であるのが影響している。現状は、米国牛肉輸入停止に伴う国内食肉相場の堅調推移と言える展開であるが、米牛肉輸入再開や為替円高推移で海外からの食肉輸入増などが現実になると国内の肥育経営がどう影響を受けるか不安材料もある。2000年度以降の牛と畜頭数推移は次の通り。(単位=頭・%)

年度 牛と畜頭数 前年比
2000年度 1,303,583 97・9
2001年度 1,108,866 85・1
2002年度 1,235,712 111・4
2003年度 1,234,308 99・9
2004年度 1,253,055 101・5
2005年度 1,225,401 97・8

05年度乳牛と畜頭数4年振り前年比減の739千頭
牛と畜頭数のうち乳牛は全体の6割強を占めているが、2005年度の乳牛と畜頭数は4年振りに前年比減少となる73万9千頭にとどまった。2001年度にはBSE発生から60万頭を割ると畜頭数に落ちた乳牛は、その後、3年連続前年比増加となり2004年度には76万3千頭まで伸ばしていた。しかし、昨年度は約2万4千頭減少となる73万9千頭に減少している。

酪農業界が、生乳生産抑制になってきているため素牛供給が不安定な状況になってきており、今後の乳牛と畜頭数増は期待しにくい情勢になっている。(単位=頭・%)

年度 乳牛と畜頭数 前年比
2002年度 716,759 120・5
2003年度 745,902 104・1
2004年度 763,413 102・3
2005年度 739,067 96・8

2006年2月現在飼養状況、採卵鶏・肉用牛で頭羽数増加
 農水省は、8日、2006年(平成18年)2月1日現在の畜産統計(飼養戸数・飼養頭羽数)を公表した。

 乳用牛、肉用牛、豚及び採卵鶏の全ての畜種で飼養戸数は前回調査に比べ減少した。また、飼養頭羽数は、乳用牛と豚が前回比減少したが、肉用牛と採卵鶏は前回比増加した。こうしたことから1戸当たりの飼養頭羽数はいずれの畜種も増加する結果となり、規模拡大が一層進展している状況となった。畜種毎の詳細は次の通り。なお、前回比は乳用牛と肉用牛が2005年2月1日との対比、豚と採卵鶏は2004年2月1日現在との対比となっている。

(1)乳用牛=飼養戸数は2万6、600戸で前年に比べて1、100戸、4・0%減少した。また、飼養頭数は163万5、000頭で前年に比べて2万頭、1・2%の減少となった。なお、1戸当たり飼養頭数は前年に比べて2頭増加し62頭となった。

(2)肉用牛=飼養戸数は8万5、600戸で前年に比べて4、000戸、4・5%減少した。また、飼養頭数は275万5、000頭で前年に比べて8、000頭、0・3%増加した。なお、1戸当たり飼養頭数は前年に比べて1頭増加し32頭となった。

(3)豚=飼養戸数は7、800戸で前回(2004年2月1日)に比べて1、080戸、対前回比12・2%減少した。また、飼養頭数は962万頭で、前回に比べて10万4、000頭、前回比1・1%減少した。なお、1戸当たりの飼養頭数は前回に比べて138頭増加し1、233頭となった。

(4)採卵鶏=飼養戸数(種鶏のみ成鶏めす羽1、000未満は除く)は3、610戸で、前回(2004年2月1日)に比べて480戸、11・7%減少した。また、飼養羽数(種鶏を除く)は1億7、695万5千羽で、前回に比べて240万5千羽、前回比1・4%増加した。なお、1戸当たり成にめす飼養羽数は、前回に比べて4、400羽増加し、3万7、900羽となった。

飼養頭数横ばい/05年度酪農調査
中央酪農会議が28日までにまとめた2005年度酪農全国基礎調査によると、1戸当たりの経産牛の平均飼養頭数は41頭で、04年度とほぼ同じだった。北海道は64頭、都府県は33頭で倍近い開きがある。1戸当たりの年間出荷乳量(04年度分)は、北海道が約490トンで前年度に比べ16トン増えたが、都府県は約254トンと若干減った。全国ベースでは316トンと前回並みだった。経産牛の廃用時平均産次数は4.2産。前年度と比べると、0.1産増えた。北海道は0.1産減ったのに対し、都府県は0.1産増え、異なる傾向を示した。酪農経営主の年齢は全国平均で54.2歳で0.7歳上がった。担い手の確保率(経営主が50歳未満または、50歳以上で16歳以上の後継者がいる)は52%。北海道が7割と高い。牧草・飼料作物の1戸当たり作付面積は16.4ヘクタールで0.3ヘクタール増えた。北海道が3.1ヘクタール増の50ヘクタール、都府県が0.2ヘクタール減の4.2ヘクタールだった。飼料作物の作付けを拡大したいという酪農家は全体では28%で、北海道は42%と高い。

肥育用子牛 輸入が加速/05年は2万3000頭
2005年の肥育用子牛の生体輸入がは2万3000頭を突破したことが、22日までの農水省の調査で分かった。前年に比べ17%増で、1991年の牛肉自由化直前以来の水準だ。国内の子牛相場の高値で、海外から調達しようという、肥育農家の動きが活発化しているためだ。輸入先はオーストラリアが9割を占める。アンガス種と黒毛和種の交雑種が多く、現地で9〜11カ月程度育成して輸入する。輸入頭数は03年から3年連続で2万頭台を維持。05年は2万3376頭となった。2万頭台を複数年にわたり維持するのは、牛肉の輸入自由化前後の86〜92年に次いで2度目だ。輸入子牛を扱う業者は「国内の子牛相場が高く、頭数もあまり増えないので、代替として求めている」と指摘する。最近は国内で導入しても、黒毛和種で1頭当たり50万円以上、交雑種が30万円以上、乳用種(ホルス)でも10万円以上掛かる。子牛の供給源となる繁殖農家は高齢化による離農が広がり、残った農家が規模拡大しても現状維持が精いっぱいの状態。

やっぱり国産がいいね 農産物購入アンケート/農水省
農家や消費者の7割ができるだけ国産農産物を購入しようと意識していることが、農水省が11日までに公表したアンケート調査で分かった。安全性や鮮度、おいしさなどについても9割以上が「優れている」と答えている。国産の強みを生かした農業生産を展開するために農業者や消費者の意識を探ろうと、約3800人を対象に昨年11月中下旬に調査した。農産物を買う際に「できるだけ国産を購入するよう意識している」は農業者が72%、消費者が71%。野菜類でその意識が強く、果物類では弱い傾向が出ている。輸入農産物に比べ国産が優れていると思う点では、安全性、旬や鮮度、おいしさなどへの支持が高かった。安全性では農業者の97%、消費者の99%が「優れている」と回答。おいしさでも農業者の93%、消費者の97%が「優れている」とした。農産物の生産段階でどのような取り組みを重視するかについては、農業者の80%、消費者の84%が、「農薬などの生産資材の適正な管理・使用の徹底」を選んでいる。

2006年度指定食肉価格及び子牛価格据置
食料・農業・農村政策審議会畜産部会は、9日に開かれ2006年度畜産物価格を答申するが、牛肉・豚肉指定食肉の安定価格及び子牛保証基準・合理化目標価格は全て2005年度と同額の据え置きで決まる。

●指定食肉の安定価格 ●指定肉用子牛価格
○牛肉 上位価格=1、010円 ○保証基準価格
基準価格=780円 黒毛和種= 304、000円
○豚肉 上位価格=480円 褐毛和種= 280、000円
基準価格=365円 その他肉専= 200、000円
乳用種=110、000円
交雑種=175、000円

05年度和子牛相場/最高値を更新 黒毛は48万8000円
2005年度の和子牛取引価格が、1991年の牛肉輸入自由化以降の最高値を更新した。農畜産業振興機構が30日までに明らかにした、黒毛和種は1頭当たり48万8000円で、前年度比6%高。前年度に更新した最高値を再び更新した。褐毛和種は36万3000円で4%高、日本短角種は22万7000円で3%高となった。黒毛和種は、米国産牛肉の輸入停止長期化に伴って枝肉相場が堅調で、肥育農家の導入意欲が高い。取引頭数も増えていない。繁殖農家が規模拡大や母牛更新などで、優良血統の雌子牛を求める動きも重なり、相場を押し上げてきた。褐毛和種と日本短角種は、黒毛和種の子牛価格高騰が影響した。交雑種(F1)の価格は25万4000円で11%高と、集計を開始した1992年度以来の最高値となった。

米国産牛肉の輸入再開/慎重なスーパー 消費者の不安感ぬぐえず
日米両政府が21日に、米国産牛肉の輸入再開で合意したが、スーパー各社は、販売の再開には慎重な姿勢が目立つ。現段階では、米国産牛肉への消費者の不安や不信感が強いと判断しているためだ。再び輸出条件違反になった場合、特定の輸出業者だけでなく、全面禁輸になる可能性が高く、「1業者が安全の体制を整えても貿易問題になり、安定した仕入れが難しい」と仕入れリスクの大きさを指摘する声もある。イトーヨーカ堂は「販売再開の予定はない。米国産牛肉に対し消費者の安全・安心面で支持が得られていない」とし、イオンは「米国産牛肉の取り扱いは、今後の消費者の声や動向などの情勢を把握した上で対応する」と慎重だ。2005年12月に米国産牛肉の輸入が解禁した後、06年1月18日から販売を始めたスーパーの食品共同仕入れ会社のシジシージャパンは「今回は慎重に見極めたい」と話す。

牛肉輸入再開合意/「対策が不十分」 消費者ら反発
日米両国政府が米国産牛肉の輸入再開で合意したことに、「飼料規制など基本的な対策がとれていない」「施設の監視体制が不十分」などと、終始反対を続けてきた消費者団体などは怒りを隠さない。全国10カ所で開かれた意見交換会でも、参加者の多くが輸入再開に疑問を投げ掛け続けてきた。一方で、厳しい経営を強いられている酪農家ら生産者も、輸入再開合意に不安を訴えている。

◇消費者
拙速な合意に消費者団体は素早く反応した。21日、食の安全・監視市民委員会と日本消費者連盟は、小泉首相と農水・厚労両大臣に抗議文を送った。これまで、意見交換会では輸入再開反対の意見が「圧倒的に多かった」ことを指摘。今回の合意はこの声を無視し、日米首脳会談など「日米政府の政治的協議のスケジュールに沿った決着」と抗議した。

米国産牛肉 韓国、輸入を延期/衛生基準満たさず
韓国政府は、7日にも予定していた米国産牛肉輸入再開の決定を延期する。米国の食肉処理施設が、韓国の求めた衛生基準の一部を満たしていないと判断した。今月末にも韓国内で出回る見通しだった米国産牛肉は、輸入が再びずれ込むことが確実になった。韓国からの報道によると、韓国農林部の朴長官は5日、「米国の処理施設が基準に合っていないため、月内の再開は難しいかもしれない」と、延期の見通しを明らかにした。また、米国農務省報道官は「米国産牛肉輸入が再開されるまでには多くの課題があり、韓国への輸出が早期に再開される見込みはない」とロイター通信に語った。韓国政府は、米国にある食肉処理施設に係官8人を派遣し、検査を行った。同農林部は5月29日、「米国産牛肉の輸入に問題はない」と発表、7日に再開を正式に決める方針だった。米国で2003年12月に初めて牛海綿状脳症(BSE)感染牛が発見されて以来、韓国政府は米国産牛肉の輸入を禁じている。昨年12月の日本政府の輸入再開決定を受けて、韓国も今年3月に再開をする予定だったが、米国で3頭目の感染牛が発見され、6月再開で調整をしていた。

飼料規制強化を 米要望書に盛り込み/農相
中川昭一農相は6日の衆院農林水産委員会で、米国政府への日本政府からの年次改革要望書に、米国の牛海綿状脳症(BSE)対策として飼料規制の強化とBSE検査の維持・拡大の必要性を盛り込む意向を表明した。民主党の川内博史氏の質問に答えた。年次改革要望書は、両国政府が互いの経済発展のために、必要と考える相手国の制度や規制の問題点をまとめるもので、毎年交換されている。

牛の肉骨粉の豚や鶏への給与などによる交差汚染を防ぐ飼料規制の強化について中川農相はこれまで、米国のジョハンズ農務長官に直接申し入れるなどしている。さらに、同要望書にも盛り込むことで、米国側の早急な対応を迫る狙いがある。中川農相は同日の答弁の中で「私が言ったことは政府の公式見解だ。当然文書でも今後、きちっとやっていかなければならない」と述べ、同要望書に盛り込む意向を示した。米国産牛肉の輸入再開のリスクを評価した内閣府の食品安全委員会も、昨年12月にまとめた評価結果の付帯事項で、米国の飼料規制の強化とBSE検査の維持・拡大の必要性を求めている。

輸入乾牧草の残留農薬対策の対応が課題に
先月末にポジティブリスト制度が実施されて1週間にもならない先週末に、輸入乾牧草から基準を上回る残留農薬が検出されたと農水省が発表した。この飼料の販売、給与は停止とされ、回収、処分の指導が行われた。全ての農薬について残留基準値が暫定値を含め設定されており、飼料を取扱うえでどう対応するのか直ちに対策を講じる必要に迫られる事例となった。特に輸入乾牧草で基準値を超えるものが検出され現実になったことから、輸入乾牧草取扱商社や問屋、末端生産者は輸入先現地の栽培環境、農薬使用状況などトレーサビリティ対応をどう充実させ飼料安全対策を築くか課題となってきた。既に対策が行われているところが多いが、輸入先の生産農場・シッパーの対応をどこまで、どの範囲で、どういう形で安全性を担保していくか、それぞれバラバラの状況になっているのが現状で、今後、検査内容、安全保証体制、費用負担及び残留基準値を上回ったものが検出された場合の対処方法などのより具体化が必要になってきそう。

中国コーンの実質輸入国入り早いか
中国政府は、3月1日以降のコーンの新規輸出枠の発給を停止し現在に至っている。国内需給のタイト化で今年度のクロップサイズが見えてくるまでは新規の発給は無いのかもしれないとされている。一方では、中国の大手コーンスターチメーカーが米国産コーン(GMO)5万トンの買い付けが行われ、更に、追加で5万トン買い付けを行うとも伝えられている。同国のコーン需要は飼料、工業用共に急拡大している一方で、コーンの作付面積の伸びは少ない(工業化で農地が減少する)。しかし、イールドに関しては多く無く、今後、GMOなどの種子を採用するようになればイールドの増加は期待出来ると見られる。何れにせよ同国のコーン需給はタイト化に向かっており、早晩大豆同様にコーンも純輸入国に転換するとの見方が強い。

今後のBSE対策/末梢神経に病原体 2重の構え必要
世界初の牛海綿状脳症(BSE)発生確認から20年。英国で5月末に開かれた国際専門家会議で、牛肉に含まれる末梢(まっしょう)神経に病原体が蓄積することを報告した動物衛生研究所の横山隆プリオン病研究チーム長に、研究結果の意義と世界のBSE研究の動向を聞いた。末梢神経での蓄積から「特定部位の除去だけでなく、BSE検査との2重の対策が必要だ」とし、牛肉輸出の基準を緩和しようとする輸出国の動きをけん制した。研究は2004年に日本の死亡牛検査で見つかったBSE感染牛で、脳などの特定部位でない末梢神経から異常プリオンたんぱく質が検出されたことが発端。当時、海外で報告はなかった。目的は、どのBSE牛でも末梢神経に蓄積するのか、いつから蓄積が始まるのか調べることだ。もし、脳よりも筋肉の末梢神経に先に蓄積するなら、特定部位やBSE対策を根本から見直す必要があるからだ。

韓国/米国産牛肉の輸入再開、9月以降延期も
韓国の米国産牛肉の輸入再開が、来月末という当初の予想よりも遅れ、9月以降にずれ込む可能性が出てきた。韓国政府の査察で指摘された不具合の修正に、時間がかかっているためだ。韓国は6月上旬に2年半ぶりの輸入再開を正式に決める計画だった。しかし、査察先の7つの食肉処理場で1.カナダ産などが米国産と区別がつかないまま、と畜されている 2.韓国が輸入を認める生後30カ月未満の牛肉と、それ以上の牛肉が、同一設備を使用している――ことが判明。輸入再開を見送り、米国政府に施設改善を求めた。米国の施設は、韓国の要求に応じて設備改善工事を進めているが、計画よりも長引く可能性が出ている。韓国の専門メディアは「輸入再開が9月以降にずれ込む見込み」と報道。ジョハンズ米農務長官らは「短期間で再開は可能だ」と楽観視していたが、空振りに終わる可能性が出てきた。韓国内の消費者、畜産団体からは、米国産牛肉の安全性を懸念する声が高まっている。

牛肉堅調を維持 米国産手当ての意欲薄く/東京市場
日米両政府が米国産牛肉の輸入再開条件で合意してから1週間近くが過ぎたが、牛肉相場は堅調だ。東京都中央卸売市場食肉市場の26日の価格は、競合する国産乳用種(ホルス)の去勢B2等級が1キロ830円で、前年同期に比べ1割高。米国産牛肉は7月下旬以降に輸入再開とみられるが、オーストラリア産の需要も根強く、夏場いっぱいは米国産の影響は出ないとの見方が広がっている。東京市場のホルス相場は5月の連休明け以降、高値反動からじり安傾向が続くが、前年同期に比べて高値を維持する。「と畜頭数が思ったほど伸びない」(市場関係者)ことが相場を下支えするほか、米国産牛肉の再開後も、すぐに出回りは回復しないとみる食肉業者が、国産の手当てを続けているためだ。一方、輸入牛部分肉では、焼き肉用のチャックロールなどの荷動きが日米合意の前後に一時鈍化したが、「すぐに回復した」と食肉業者は指摘する。日本食肉流通センターの6月前半の首都圏相場は、オーストラリア産冷蔵チャックロールが1キロ681円で、前年同期比9%高。「後半もこの水準でもちあい」と予想する業者がいる。

1カ月間米国査察 きょうから牛肉で/農水、厚労省
農水、厚生労働両省は23日、米国産牛肉の輸入再開に向けて日本が米国で行う対日輸出食肉処理施設の事前査察を24日から7月23日までの30日間で終える日程を発表した。事前査察は、両省の担当者による3チーム(9人)を派遣し、16州内の35施設で、牛海綿状脳症(BSE)特定部位除去など義務付けている対日輸出条件の順守状況を確認する。3チームは米国内で26日から7月21日まで査察し、23日に帰国する。

米国産牛肉、再開後も「食べない」6割…ネット調査
 7月下旬にも輸入が再開される米国産牛肉について、6割の人が米国産牛肉を「食べたくない」と考えていることが25日、読売新聞社とNTTレゾナントが共同で実施したインターネットによるアンケート調査でわかった。

 調査では、輸入再開に「反対」とした割合が「どちらかと言えば」も含め71%に達した。理由は「米国の食肉処理の安全性に疑問がある」(60%)が最多だった。再開後も米国産牛肉を「食べたくない」との答えは、「絶対」「できるだけ」の合計で61%に達した。外食などで牛肉の原産地表示の義務付けを求める回答は96%と圧倒的だった。調査は、19日から日米両政府が輸入再開に合意した21日にかけて、NTTレゾナントの「gooリサーチ」に登録している消費者モニターを対象に実施。有効回答は14歳から84歳の男女1059人(男性450人、女性609人)だった。

便利!!セルフスタンド 牛の尿液肥、無臭で無料/千葉
乳牛の尿処理施設で作った液状肥料を、農家や一般住民が利用できる液肥の供給スタンドが、千葉県南房総市にある道の駅「鄙(ひな)の里」の駐車場の一角に設けられ、定期的に使う農家や家庭菜園に利用する観光客でにぎわっている。液肥は特殊な有用微生物群で処理し、扱いやすい無臭。液肥の供給施設は、合併前の旧三芳村役場が約1500万円の事業費で今年2月に設置した。「大地へのめぐみスタンド」と名付けている。地下に10トンタンクを埋め込み、セルフサービスのガソリンスタンドと同じように希望者がノズルを操作し、持参したタンクや道の駅に置いたペットボトルに自分で注ぎ入れる。液肥は無料。液肥に植物への活性効果などを期待する利用者も多く、2月に設置してから利用者が徐々に増えてきた。これまでに2回ほど、地下タンクへ液肥を注ぎ足している。スタンドを訪れた農家は「畑と田んぼに使って重宝している」と言う。定期的に利用しているそうだ。

牛肉輸入再開で実効性を疑問視/食品安全委
食品安全委員会プリオン専門調査会は22日、農水、厚生労働両省から、米国産牛肉の輸入再開で日米両政府が合意した内容の報告を受けた。追加措置の日本側の事前査察や水際検査強化について実効性を疑問視する声が相次いだ。同調査会は4月に委員の半数が交代。同日は新委員による初会合で、座長に吉川泰弘東京大学大学院教授を再任した。吉川座長は、米国産牛肉の輸入停止の原因となった牛海綿状脳症(BSE)特定部位のせき柱(背骨)の混入問題について「個別施設の違反とする米国の主張を受け入れたのかどうか査察結果を含めて結論を出し、消費者に伝える必要がある」と指摘。実際に米国産牛肉が輸入される前に消費者に説明するよう両省に求めた。水際で20カ月齢以下の確認ができるか問う委員に対し、農水省担当者は「月齢の確認は書類に頼るしかない。現地査察で生産履歴や肉質による月齢判別法を確かめていく」と答えた。

01年10月以降の死亡牛BSE検査頭数25万4、680頭
農水省は、先週15日、今年4月のBSEサーベイランスの結果をまとめた。都道府県において実施した死亡牛等のBSE検査頭数は、6、950頭で全て陰性であった。 牛海綿状脳症対策特別措置法及び牛海綿状脳症に関する特定家畜伝染病防疫指針に基づいて行われている死亡牛等のBSE検査頭数は、2001年10月18日からスタートして今年2006年4月末までに総計25万4、680頭となり、そのうちBSE陽性となったのは6頭になる。

WCSの効果を確認、歩留・枝肉重量が増加/中央農研・畜草研
中央農業総合研究センターと畜産草地研究所はこのほど、肉用牛に稲発酵粗飼料(WCS)を給餌すると、増体向上や肉色を長く維持する効力を持つとされるビタミンE(α−トコフェロール)の濃度が高くなることが確認できたと発表した。これは、平成16年度から埼玉、千葉、群馬の3県と共同でWCSを利用した肉用牛の飼養管理技術の開発を目的に研究を進めてきたもの。 WCSを1日当たり5〜6キロ給与した試験牛と、稲わらを1〜1・5キロおよび配合飼料7〜9キロを給与した対象牛を25ヵ月齢で出荷し、実際にせりにかけ買受人から肉の一部を買い取った。その結果、試験牛は歩留基準値、枝肉重量ともに対象牛よりも多く、枝肉販売価格でも試験牛は59万8、325円で、対象牛より5万9、270円も高かった。また、肉色を長く維持する効果を持つとされるビタミンE(α−トコフェロール)も試験牛は対象牛より高い濃度を示し、ビタミンEによる抗酸化作用が期待できるレベルに達した。

05年乳牛1頭当たり乳量 14年ぶりに減少/家畜改良事業団
2005年のホルスタイン1頭当たりの乳量が14年ぶりに前年を下回ったことが、家畜改良事業団の調べで分かった。全国平均の乳量が9121キロで、前年に比べ75キロ減少した。同事業団は「北海道などで行われた生乳計画生産の影響があるのではないか」とみている。乳量が前年を下回ったのは1990年の7798キロが91年に17キロ減少して以来。79年と81年にもそれぞれ19キロ、9キロの減少があったが、いずれも今回よりも減少幅は小さかった。同事業団がまとめた2005年度の乳用牛群能力検定成績速報によると、地域別の平均は北海道で9089キロ(前年比112キロ減)、都府県で9179キロ(同8キロ減)で、いずれも前年を下回った。

近年の動向として同事業団は「乳量の伸び率は以前よりも鈍っているようだ」とみる。

ニュージーランドはBSE発生ゼロ OIEが認定と発表
ミート&ウールニュージーランド(本部=ウエリントン)はこのほど、パリの世界動物保健機構(OIE)が5月23日に満場一致でニュージーランド(NZ)が牛海綿状脳症(BSE)のない国と認定した、と発表した。ほかにBSEがないことが認定された国はオーストラリア、アルゼンチン、ウルグアイとなった。

米の対日牛肉輸出、7施設不適
 米中堅食肉加工会社「クリークストーン・ファームズ」(カンザス州)のジョン・スチュワート最高経営責任者(CEO)が12日、ワシントンで記者会見し、日本への輸出資格を持つ米牛肉処理施設のうち7施設が、韓国政府の現地査察で不備を指摘されていたことを明らかにした。 韓国政府筋の情報として語った。 同氏によると、米国産牛肉を輸入停止している韓国政府が、輸入再開前の手続きとして米国内の38施設を査察したところ、対日輸出資格も持つ7施設で、カナダ生まれの牛が米国生まれの牛に紛れ込むなどの問題が見つかったという。 韓国政府は査察後、今月初めにも認める予定だった米国産牛肉の輸入再開を当面延期する方針を示した。米国産牛肉の輸入再開は7月に遅れる見込みだ。農林部傘下の獣医科学検疫院は7日、米国内の牛肉処理場37カ所に対する輸出承認をひとまず延期すると明らかにした。

 姜文日(カン・ムンイル)院長は、ほとんどの処理場では衛生や安全管理システムに大きな問題はなかったものの、一部で米国産と他国産の牛肉を混在処理していたり、生後30カ月以上と以下の牛に対し同一の作業道具を使用するなどの問題があったと明らかにした。 これに対し米国側は自国内基準では問題がないとしており、輸出の際には韓国側が示す方式で作業を行うことを理由に、一括承認すべきと主張しているという。農林部の朴玄出(パク・ヒョンチュル)畜産局長は、こうした見解の相違から、問題が確認された作業場の補完措置について議論した後、追って一括承認する方式をとることにしたと説明した。 保管措置に関する議論は1カ月以内に終わると見られる。朴局長は、「正確な再開時期は断定できないが、7月に遅れる可能性が高い」と述べた。

米、中国の部分再開に不満・牛肉貿易、日本に余波も
米国産牛肉の部分的な輸入再開を決めた中国に対して、米国側が不満を強めている。ジョハンズ米農務長官は30日、中国が生後30カ月以下で、骨なし牛肉との条件を付けたことに「失望している」とする声明を発表した。米議会からも無条件の輸入を求める声が上がっている。 中国は2003年12月に米国でBSE(牛海綿状脳症)に感染した牛が見つかって以降、輸入を停止してきた。米中両政府は今年4月の胡錦濤国家主席の訪米を前に、再開で基本合意した。貿易の条件を巡り協議を続けてきたが、中国側は29日付で部分的な再開を決めた。日米間では現在、日本政府が禁輸する原因になった米国の食肉関連施設の体制を点検している。ただ、輸入の条件は生後20カ月以下などで合意済みだ。条件面で米中が最終的に合意する前に、中国側が一方的に方針を伝えた可能性が大きい。実際の輸入再開の時期も確定していない。

6月牛枝肉相場、東京市場和牛去勢前年比4〜5%高
 6月の牛枝肉卸売相場は、東京食肉卸売市場の生体和牛去勢Aー3の平均相場で1、949円(キロ当たり)と高値圏でやや堅調に推移しており前年同月に比べると81円高、率にして4・3%の上げと前年を上回り堅調。また、同Aー4は2、174円で前年同月に比べ102円高、率にして4・9%高と高値推移が続いている。上場頭数が少ない乳牛去勢Bー2は平均して842円で前年同月の794円に比べ48円の上げ6・0%高になっている。

 全国1日当たり平均と畜頭数は、4、109頭で前年同月に比べ106頭減少している。6月の全国総と畜頭数は、9万0、400頭で前年同月に比2、330頭ほど少ない。

鶏肉、異例の安値/輸入多く国産も成育順調
国産鶏肉相場が7月に入り、モモ肉で1キロ500円、ムネ肉が200円を、それぞれ割り込む異例の展開になっている。鶏肉、鶏肉調製品が潤沢なことに加え、国産鶏の成育も順調で、予想を大きく上回る数量になっているためだ。7月の鶏肉相場は通常、梅雨明けを見越して業務用の手当てが入るため、前月より上向きになりやすい。しかし、今年はモモ肉が1月から、ムネ肉も3月からそれぞれ前年を下回る展開が続き、7月4日の相場(農水省調べ、東京地区)もモモ肉が499円、ムネ肉が193円と前年の同じ時期を下回る厳しい展開だ。業界関係者は「輸入の多さが最も影響した」とみる。財務省の貿易統計によると、5月の鶏肉と鶏肉調製品を合わせた輸入量は7万1014トンで前年同月比15%増。今年は3、4月を除き、前年を1割以上上回り、業界の予想を大幅に超えている。国産鶏肉も「鶏の成育が順調で、出回りをさらに上積みした」(鶏肉業者)状態だ。1羽当たりの処理重量が計画より1〜2割増が日常となった業者もいる。この結果、輸入物と合わせ、国内に「鶏肉や調製品があふれる」(業界関係者)状態になった。

06年度加工原料乳限度数量203万トン
今日(9日)開かれる食料・農業・農村政策審議会畜産部会で2006年度の加工原料乳など畜産物価格が諮問され答申を受けて決定される。8日の政府・自民党との最終調整で、最大の焦点の加工原料乳の補給金対象となる限度数量は今年度の205万トンより2万トン減少となる203万トンになったほか、生クリーム、チーズ向け等新規増加枠を今年度より5万トン多い10万トンに拡大される。また、補給金単価は1キロ当たり10円40銭の据え置きとなる。

牛乳100万本廃棄 「太る」印象、消費者敬遠 牧草スクスク、生産過剰
 高カロリー・高脂肪のイメージで健康ブームに乗り遅れた形の牛乳が大量に余り、廃棄処分される異例の事態になっている。「ホクレン農業協同組合連合会」では十八日から、千トン(一リットルパック百万本相当)の廃棄を始めた。昨夏の猛暑で牧草の生育が良好で生産過剰になり、飲料として余った牛乳を加工処理する工場がフル稼働しても追いつかない状況だ。さらに今後は春休みで給食がなくなり消費が激減、合計一万トン以上が廃棄処分される可能性が高い。ホクレンは北海道内三カ所の工場で、月内をメドに約二千万円かけて千トンの廃棄処分を始めた。「こんなことは初めて。もったいないし、残念」と板東寛之酪農部長。農水省によると、ホクレンのような大規模生産者団体の廃棄は初めて。乳牛四百五十頭を抱える北海道豊頃町の「Jリード」(井下英透代表)では今月初め、二十八トンを廃棄した。一リットルパック二万八千本に相当する量だ。二月まで一日十二トンだった出荷量を今月から五トンに減らされた。「それでも廃棄処分せざるを得なかった」と井下代表は話す。ほかの農家も同様という。牛乳の消費量は平成十六年から、前年比3%を超える減少が続いている。栄養豊富=太るという誤ったイメージが先行、他の健康飲料に押されている。百世帯当たりの対前年同期比で、豆乳108%、茶系飲料104%、スポーツドリンク111%、ミネラルドリンク106%と他の飲料が伸びているのに対し、牛乳だけが93%と大きく落ち込んだ。日本酪農乳業協会では「対策が遅れたのは確か。イソフラボンやカテキンのように、大人に飲んでもらえるように健康に直結するイメージ作りで消費を拡大したい」とPR活動の必要性を訴えている。これに対し、生産は昨年九月から前年比増に転じた。牛乳は飲料として消費されなかった場合、脱脂粉乳やバターに加工される。現在、北海道などで一日五百トン以上の牛乳を全国の工場に分散させ、フル稼働で処理している。しかし、脱脂粉乳からの加工品のうち56%を占める加工乳が十二年の雪印食中毒事件以降、急減し、昨年は事件当時の七割以下。バターも用途の30%に当たるパンの需要が十三年から前年割れを続け、在庫が積み上がっている。脱脂粉乳とバターを合わせた在庫は、一月現在で十一万トンと適正の二・五カ月分を上回る六カ月分に膨らんだ。今後はさらに深刻だ。暖かくなるにつれ、一頭当たりの乳量が増加。北海道では三月から四月にかけ、過去最高の生産が予想され、そこに小中学校の春休みも重なる。消費量全体の10%を占める給食が二週間以上なくなり、その時期だけで四万トン以上の牛乳が余ることが予想されている。

 生産者団体のJAなどは急遽(きゅうきょ)、余った牛乳を子牛に与えたり、高齢の牛を食用に回すことなどを呼びかけたりしているが、「減産といっても、工場と違い搾乳は休むわけにはいかない。乳房炎などの病気になってしまう。牛は生き物で蛇口じゃない」(井下代表)との反発は強い。ホクレンでは春休み中、道内のスーパーなどで一リットルパックに二百ミリリットルパックのサービスを行う。板東部長は「厳しいのは分かっているが、これ以上の廃棄はしないよう最大限の努力をする」と話す。農水省生産局畜産部では「現在でも加工工場が手いっぱいで綱渡りの状態だ。今後、減産がうまくいくかは不透明で危機的状況」としている。

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