「食のクリップボード」2006年6月
3.その他情報

 
17年外食規模0・8%減・24兆円、中食は初の6兆円台に
外食産業総合調査研究センターが推計した平成17年の外食産業市場規模は、前年比0・8%減の24兆2781億円となった。世帯1人当たりの外食支出は増加したものの、法人交際費が依然低迷し続けていることもあり、8年連続して減少した。業態別では、給食主体部門は0・7%減の19兆1166億円、料飲主体部門も1・3%減の5兆1615億円となった。一方で、持ち帰り弁当や惣菜店などの料理品小売業(いわゆる中食)は2・9%増の6兆1056億円と初めて6兆円台に乗り、外食の市場規模が縮小している中でも引き続き成長を続けている。

と畜豚の卵子を活用 黒豚純粋種を生産/鹿児島大
鹿児島大学は鹿児島県畜産試験場、キリシマドリームファームと共同で、と畜した黒豚から採取した卵子に黒豚の精子を直接注入し、その受精卵をLWD種に移植して純粋種を産ませることに成功した。顕微授精(ICSI)によるもので、日本では初めて。同大学農学部の吉田光敏教授は「運動能力の劣る精子も利用できるので、優良血統の維持などにも応用がきく」と話している。CSIは卵細胞質内に直接、精子を注入する技術。食肉センターでと畜した黒豚の卵巣から卵子を吸引採取し、42時間培養した後で成熟した卵子を選んで使った。精子は黒豚の射出精液を保存液で薄めた後、15度で1、2日間保存。洗浄してから卵細胞質内へ注入し、授精後に超音波を当てて活性化させた。LWD種には全身麻酔を施し、正中切開して移植した。両側卵管に、ICSI後1、2日目の受精卵140個を移植したところ、114日後に3頭の黒豚が誕生した。外見の特徴やDNA検査から、間違いなく黒豚だと証明できた。

採卵鶏飼養状況、毎年飼養戸数・成鶏めす羽数とも減少
2006年2月1日現在の畜産統計が公表されたが、1997年2月以降の採卵鶏の飼養状況を見ると次の通り。1997年2月現在の飼養戸数は6、530戸であったが毎年減少し2006年2月には3、610戸まで減少した。また、成鶏めす羽数も年毎に減り1997年2月の1億4、615万2千羽が2006年2月には1億3、691万6千羽に減少している。(単位=戸・1、000羽)

年次 飼養戸数 ひな 成鶏めす
1997年 6,530 37,613 146,152
1998年 5,390 37,345 145,299
1999年 5,070 36,633 143,148
2000年 4,890 38,102 140,365
2001年 4,720 38,148 139,248
2002年 4,530 39,729 137,718
2003年 4,340 38,750 137,299
2004年 4,090 37,334 137,216
2006年 3,610 40,039 136,916

食肉便覧を発刊 中央畜産会
(社)中央畜産会(小里貞利会長)は、農林水産省生産局畜産部食肉鶏卵課の編さんによる『平成17年食肉便覧』【写真】を発刊した。同書には、農業関係の各種指標や家畜生産、食肉の生産、価格、需給、輸入、国際需給、加工品、関係諸施設、関係法令の概要など、食肉全般のさまざまなデータが盛り込まれている。A5判372ページで、価格は2800円(税込み、送料340円)。注文・問い合わせは同会事業第1統括部情報業務担当の小田中、岩東の両氏(電03・3581・6685、F03・5511・8205)へ。

国の借金827兆円=国民1人648万円−05年度末
財務省が23日発表した2005年度末の国債、借入金、政府短期証券の合計残高(国の借金)は827兆4805億円と前年度末比45兆9288億円増え、過去最高を更新した。総務省の推計人口(1億2778万人)で割ると、赤ちゃんを含め国民1人約647万6000円の借金を負っている計算になる。

米の消費 「家庭外」伸びる/業務需要への対応が鍵
ご飯を外で買って食べる消費形態が一段と進んでいることが、農水省の調査で分かった。2004年では、主食用米のうち、外食・中食などで消費された米の割合が前年より2ポイントアップの37%。10年前と比べると6ポイント上がった。日本人の多くが今も家庭で炊飯する習慣を持つが、女性の社会進出などでそのウエートは徐々に落ちている。調査結果について、同省は「消費者の簡便化志向を背景に、食の外部化が進んでいる」とみる。外食店や中食業者向けの業務用米については、産地側も対応を強化している。こうした業者は低価格米志向が強く、業務用需要の増加は、米の価格にも影響を与えそうだ。調査によると、小売店などから購入して家庭で炊飯し食べる米の割合を示す「家計消費」は48%で、前年より1ポイント下がった。一方で、レストランでの飲食や、弁当などの商品を買って食べた米の割合を示す「外食・中食等消費」は37%。主食用米の国内年間需要量は約850万トンなので、315万トン程度が外食・中食などで消費された計算だ。

畜産物のポジティブリスト制度導入後の具体例等
来月29日からポジティブリスト制度が実施されるが、農水省が説明している農薬等の分類は、

(1)残留基準が設定されているもの=各食品について定められた残留基準値を超える濃度で食品中に残留してはならない。

(2)対象外物質として告示されたもの(65物質)=食品中に残留していても規制されない。

(3)残留基準が設定されていないもの=1全ての食品に残留基準基準が設定されていないもの。2一部の食品に残留基準が設定されていないもの=残留基準の設定されていない食品中に0・01ppm(一律基準値)を超える濃度で残留してはならない、としている。

また、残留基準値の動物用医薬品の基準値のイメージとして成分Aの基準値を次のように示されるとして例を次のように上げている。
食品 残留基準値(ppm)   食品 残留基準値(ppm)
牛の筋肉 0・1 0・05
牛の肝臓 0・3 鶏の筋肉 設定なし一律0・01
牛の腎臓 0・6 鶏の卵 設定なし一律0・01
豚の筋肉 0・05

「魚は割高」と消費者 水産白書、意識のずれ指摘
 中川昭一農相は21日の閣議に、2005年度の水産白書(水産の動向)を提出、了承された。水産業界による消費意識調査の結果などを基に魚介類の価格について、消費者は肉に比べて割高ととらえているが、生産者側は原油価格高騰に伴う漁船の燃料値上がりを考慮すると販売価格が安すぎるとみていると指摘。生産者側がこうした意識のずれを認識し「変化する消費者ニーズにどのように応えていくかが重要」と強調した。

 白書は、消費者が店頭で商品を選ぶ際に、肉の場合は「産地と銘柄」を決め手にする人が多いのに対し、魚は「鮮度」にこだわる人が多いとの調査結果を提示。消費者の求めに応える取り組みの事例として、漁協が取引先の首都圏のスーパーで商品の陳列、販売にかかわることで売り上げを伸ばした例を紹介。経営改善策としてはインターネットの活用により、流通の効率化やコストの改善に成功したケースを盛り込んだ。

キムチが世界の5大健康食品に選ばれる
 米健康専門月刊誌「ヘルス」(www.health.com)は24日、韓国のキムチと日本の大豆、スペインのオリーブ油、ギリシャのヨーグルト、インドのレンズ豆を世界の5大健康食品に定めた。 同誌は「毎年、韓国人はさまざまな食品とともに1人あたり平均で40パウンド(18キロ)ずつキムチを食べている」としながら、「そのキムチの中には、ビタミンA、B、Cなどが豊富に含まれている上、ヨーグルトなどの醗酵食品から出る乳酸菌もある」と紹介した。 また、「キムチには健康に良いバクテリアが多く含まれており、消化を助けるだけではなく、一部の研究結果によると、発酵した白菜にはがん細胞を抑制する働きがある」と報じた。 続いて、「キムチは繊維質を豊富に含む、低脂肪ダイエット食品」としながら、「キムチを家庭で漬けるよりはアジア系の食品店で買って食べる」ことを勧めている。キムチのおかげで、韓国には太った人がいないというのだ。 最後に「朝食には、タマゴやトマト、シイタケなどとともにキムチを交ぜ合わせ、スクランブルエッグを作るのも1つの手」と紹介した。

カナダビーフの2007年対日輸出3・4万トン目標
カナダビーフ輸出連合会は、全国四都市で「カナダビーフ感謝の集い」を開催した。スタートとなった福岡での開催には、業界関係者約120名が参集した。坂本智成駐日代表は、「この2年半は厳しい状況を強いられたが、大きく前進するチャンスにもなった。安全・安心の基盤となる畜牛個体管理システムを確立し、生産も拡大路線をとる」と挨拶した。アーノ・ダークセン会頭は、「カナダの牛飼養頭数は1510万頭と過去最高に達しており、月齢の分かる牛は1月末時点で170万頭、2007年には全ての牛の月齢が分かるようになる。生産能力も年間500万頭に拡大する計画だ。06年の輸出目標は51・1万トンで、このうち日本向けは6千トン。07年は3・4万トン、2010年4・8万トン、15年6・8万トンを見込んでいる」と述べた。 牧瀬賢二アルバータ州政府商務官は、「アルバータ州は13州の中で最大の肉牛生産州。再開は現地アルバータ州の全ての肉牛関係者の悲願である。会頭、マイケル・ヤング副会長に来日頂いて光栄」と歓迎の意を表した。

豪州牛肉対日輸出四〇万トン、春のキャンペーンでさらに上積みを
MLA豪州食肉家畜生産者事業団は、人気料理家の栗原はるみさんを起用した春のキャンペーンを今月から3カ月間展開する。このほど豪州大使館でキャンペーン説明会を開催した。 マリー・マクレーン駐日大使は、「06六年は日豪交流年の年で、オージー・ビーフ、ラムにとってもすばらしい年になることを期待している。オーストラリアではBSEの発生はなく、電子タグを使用したトレーサビリティシステムのNLISを全ての牛に導入しており、羊にも導入されつつある。国内、海外向けについても政府の検査官により厳しい検査が行われ、日本の消費者にオージー・ビーフは安全性と品質で高い信頼を得ている」と挨拶。サマンサ・ジャミソンMLA駐日代表は、「オーストラリアは世界100カ国以上に牛肉を輸出している。日本は最大の輸出国で、昨年は40・5万トンの牛肉を日本に輸出した。ラムの対日輸出量もこの2年間で倍増して1・1万トンとなった。人気の秘密は、厳しい品質管理システムによる安全性とおいしさにある。この2年間で対日輸出の半分がグレインフェッド牛肉となり確実に品質も向上している」と最近の対日輸出動向を説明した上で、「昨年のキャンペーンでは、全国約7000店舗の販売店の協力を得て15万通の応募があったが、今年は昨年を上回る成果を期待している」と語った。

「日本は再び、オージー・ビーフの時代へ」とのAPの記事
「In Japan, Aussie Beef Makes a Comeback」
http://www.examiner.com/Business-a58761~In_Japan__Aussie_Beef_Makes_a_Comeback.html
との記事だが、この中で、これまで、日本人の間では、オーストラリア・ビーフは、アメリカ牛肉に比して、硬くて、味ワイがない、との不評を得ていたが、ここにきて、飼料が草からグレーンに代えたりして、日本人の味覚にあわせようとする努力も実り、オージー・ビーフを見直す動きが急であり、さらに加えて、今回のアメリカの不始末が、アメリカ牛肉へのイメージを急速に低下させている。との趣旨が書かれている。

 また、すき家の新メニュー「牛丼イタリアーノ」に、「安全なオーストラリアの牛肉を使っている」ことをうたっていることから、すき家の話として、「われわれが、アメリカ牛肉を完全に安全だと言い切れる状態には、ない」との言をのせている。ちなみに、オーストラリアの検査体制は、以前にも、この掲示板にも取り上げたが、ここで下記に再掲しておく。オーストラリアのBSE検査体制は、National Transmissible Spongiform Encephalopathies Surveillence Program(NTSESP)と、いわれるものだ。

 このプログラムは、次の三つの意味をもつ。
第一は、開業獣医や、と畜場の獣医が、臨床学的に見て、神経症の兆候を見せ、TSE(transmissible spongiform encephalopathy)が疑われる牛について、政府の獣医がフィールド調査を行うこと。
第二は、そのうち、TSE(transmissible spongiform encephalopathy)でなく、単に、神経症症状を見せるものを摘出するため、過去の臨床学的履歴を提出させ、研究所の獣医によるスクリーニングを行う。
第三は、TSE診断について訓練された獣医の組織病理学者が、二才齢以上のすべての牛の脳について、神経症の履歴を持ったものかどうかについてスクリーニングをし、TSEの障害を持つものを検出し、それ以外の牛については、TSEでない診断を下す。このスクリーニングの方法によって、たとえ、それが、オーストラリア全土の牛や羊の1パーセントに神経障害が生じたものであっても、90パーセントの確率で、BSEやスクレイピーへの罹患を検出することが出来るという。このためには、少なくとも、オーストラリア全土で、牛については、400、羊については450の数についてのスクリーニングを行う必要があるとしている。以上に見たように、オーストラリアのBSE検査体制は、確率論に基づくものであり、日本の検査体制とはまったく異なるものである。ちなみに、オーストラリアの2003年における  検査数  464 と畜数 9,229,000  これまでのBSE牛総発見数 0である。

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