メニュー新時代「秋冬の食卓に定着した攻める鍋物アイテム」
百井大治先生寄稿

 

鍋料理提案の方向性

今年の鍋の傾向は、BSE以降、景気の低迷もあり、豚や鶏肉を使った鍋や、価格が安く、食べやすい肉ダンゴ鍋 が注目されている。

BSEや産地表示やトレーサビリティーの問題があるが、牛肉はほぼ消費が戻ってきてはいるが、豚肉・鶏肉の伸びは依然好調を維持しており牛肉以外の売上を確保することが精肉部門全体の売上を押し上げるポイトとなっている。

しかし、国産食肉の相場の高値安定の中で利益確保をどうするかがポイトにもなっている。

そこで、今回は、豚鶏肉を中心に内臓肉を含めて売上・利益確保 のための攻める鍋料理提案を考えてみたい。

最近の傾向は、若い人を中心に誰デモが食べやすく、料理や保存が簡単で便利な食肉を 「寄せ鍋」や「チャンコ鍋」など、本来は魚を多く使用していた鍋料理にも、豚肉・鶏肉を中心に、手軽で経済的で食べやすい食肉に振りかえられるようになってきている。

「肉」材料を多く活用する鍋に期待をかけて商品つくりの強化をしたいものである。

資料のように、「鍋」は昔のように魚中心ではなく、家庭で食べた鍋料理や、これから食べたい鍋料理の材料に「肉」が年々多く使われるようになってきているので魚に負けない鍋料理を提案したい。

■家庭で食べた鍋 (M社調べ)
ランク 99年度 00年度 01年度 実施率
01 おでん おでん おでん 90.6
02 すき焼き すき焼き すき焼き 73.1
03 寄せ鍋 寄せ鍋 寄せ鍋 71.9
04 湯豆腐 シャブシャブ 湯豆腐 65.9
05 シャブシャブ 水炊き 水炊き 58.1
06 キムチ鍋 キムチ鍋 キムチ鍋 56.6
07 水炊き 湯豆腐 シャブシャブ 46.6
08 肉だんご鍋 肉だんご鍋 肉だんご鍋 45.9
09 うどんすき うどんすき うどんすき 28.8
10 モツ鍋 モツ鍋 ちゃんこ鍋 26.3
11 かにすき ちゃんこ鍋 ポトフ 25.6
12 ちゃんこ鍋 かきの土手鍋 かきの土手鍋 24.4
13 かきの土手鍋 石狩鍋 かにすき 16.9
14 石狩鍋 かにすき 石狩鍋 13.1

■家庭で人気の鍋 (M社調べ)
ランク 99年度 00年度 01年度 実施率
1 すき焼き すき焼き おでん 63.8
2 おでん おでん 寄せ鍋 51
3 シャブシャブ 水炊き すき焼き 48.8
4 水炊き キムチ鍋 キムチ鍋 43.7
5 キムチ鍋 しゃぶしゃぶ 水炊き 37.2
6 石狩鍋 石狩鍋 湯豆腐 35.6
7 肉だんご鍋 肉だんご鍋 シャブシャブ 27.5
8 うどんすき モツ鍋 肉だんご鍋 25.7
9 ちゃんこ鍋 うどんすき ちゃんこ鍋 15.7
10 寄せ鍋 寄せ鍋 うどんすき 14.5
11 モツ鍋 かきの土手鍋 かきの土手鍋 13.2
12 かにすき ちゃんこ鍋 かにすき 11.8
13 かきの土手鍋 湯豆腐 ポトフ 10.3
14 湯豆腐 かにすき 餃子鍋 8.5

■今後食べたい鍋 (M社調べ)
ランク 99年度 00年度 01年度 実施率
01 ちゃんこ鍋 ちゃんこ鍋 ブイヤベース 40.9
02 かきの土手鍋 かにすき かにすき 36
03 かにすき キムチ鍋 キムチ鍋 33.7
04 石狩鍋 石狩鍋 ちゃんこ鍋 31.9
05 キムチ鍋 肉だんご鍋 餃子鍋 30
06 肉だんご鍋 かきの土手鍋 ポトフ 29.7
07 シャブシャブ シャブシャブ 石狩鍋 24.5
08 うどんすき モツ鍋 かきの土手鍋 24
09 モツ鍋 うどんすき ふぐ鍋 23.4
10 すき焼き すき焼き シャブシャブ 22.6
11 寄せ鍋 寄せ鍋 あんこう鍋 19.5
12 水炊き 水炊き うどんすき 19.4
13 おでん おでん 肉だんご鍋 18.2
14 湯豆腐 湯豆腐 すき焼き 17.9

1.肉ダンゴ鍋(つくね鍋)の商品つくり
「肉ダンゴ鍋」は、経済的で、子供から肉が苦手な人まですべての人に食べやすい鍋である。

「いわしのツミレ鍋」よりは臭みが無く食べやすい鍋として需要が増えている鍋である。

ミンチにする「つくね」は、「モモ:ムネ」が「50:50」の割合がもっとも良い。

また、「ムネ肉」だけで商品化する場合は、「トリ皮」を20%程度加えて商品化かすると良い。歯ごたえを出すために「軟骨」を加えて2度引きにして混ぜ込むのも良い。

盛り付けは、写真のように、家庭でダンゴにして楽しみながら「つくねダンゴ」を作ってもらう商品化や、20~25グラムで肉ダンゴにしてトレイに盛り付けても良い。

また、鶏肉モモ肉などとあわせた商品化や、豚肉のスライス(バラ肉がよい)にして、「ちゃんこ鍋」としてアイテム化する方法もある。

「つくね」はトリミンチばかりでなく豚ミンチで提案してもよい。

豚ミンチも冬場は鍋材料として肉ダンゴの提案をする。

参考売価 豚肉肉ダンゴ用 150グラム 1パック 298円



鶏肉のムネ肉とモモ肉を500グラムずつ2度引きミンチにしたものを「肉ダンゴのたれ」と混ぜ合わせる。

粘りが出るまで手でよくこねる。

粘りが出たところでトレイに200グラムを盛り付ける(2〜3人前)298円くらいの売価。

「鶏肉つみれ・肉ダンゴ」スプーンで1さじの大きさに目切りする。


「鶏肉つみれ200g・とりモモ肉切り込み150g」鶏肉とあわせた「とり鍋用」


「つみれ」を肉ダンゴにしたもの。1個20gから25gが適量。

野菜とあわせた鍋セット。

豚ミンチと、肉団子の素とのセット販売。

2.牛タンからの商品つくり
「タンシチュー」は赤ワインとデミグラソースから作ると美味しく出来上がるが、市販の「ビーフシチューの素(ルウ)」からでも手軽に簡単に作れることを「POP」のコピーなどでもっと告知して売り込んで行きたいアイテムである。

タンシチューの売れる商品化のポイントは切り身を大きめにカットすることである。

また、シチュー用として、ブロックでも「タン先」を2〜3本入れて「ブロック用」として。また、1本もののブロックを週末には提案したい。


牛タンは「ムキタン」を使う。

タン先と、ボデイーの部分とに2分割する。

タン先でシチュー、タンボデイーでシチュー・シャブシャブを商品化する。

たん先でシチューを商品化。


タンは、4センチ幅でカットする。


カットした、たん先。サイコロのように角切りにしないほうが良い。


ローレルなどを添えて商品化する。


タンボデイーは大き目のカットで、カレーや角切りシチューと商品化を区別する。

3.牛タンシャブシャブの商品化
タンのシャブシャブの商品化は、商品価値を高めるために、「タン先」をシチュー用に、「ボデイー」部分を「シャブシャブに商品化する。

「ボデイー」部分のスライスは、写真のようにサイドからスライスする。

スライサーでの切り残しは柔らかい部分なので、1センチくらいにカットして串にさして販売すると寝入れも高く良く売れる。

写真は、150グラム 680円売りの、(チルド)「牛タンシャブシャブ用」


タンは上部からスライスするのではなく、側面からスライスする。

通常のタンスライスよりも、断面が大きく用途が広がる。


シャブシャブように、盛り付ける。


ポン酢のたれで食べる。
4.牛テールからの商品つくり
韓国料理に欠かせないのが、「牛テール」である。

「コムタン」とは、「煮込んだスープ」と言う意味でテールを使った「コムタンスープ」を提案したい。

本来は、牛第2胃の「ハチノス」と一緒に煮込むのが本式である。

テールは、先端部分が「骨」だけで、「身」が付いていない部分があるので、これは、輸入・国産品にかかわらず、商品化しないほうが良い。

スープのだし汁になると言っても、「身」が無ければ美味しくないからである。
 
テールの間接部分の大きな切り身の部分は、写真でいう、テールの付け根、4間接部分は「テールシチュー用」で、それから先は「コムタンスープ用」として、商品化を区分けするほうが良い。


テールは関節で切り分ける。


先端の肉のない部分は商品化しない。


国産ものは、
1ケが重量があるので1ケ・2ケ入りを商品化する。


5.どて鍋(もつ鍋)の商品つくり
牛豚のホルモンは原料も豊富で安価なため、ぜひ売り込んで行きたい商品である。

特に、国産の牛豚の大腸・小腸はBSE以降販売量が減少してしまっている。

生の白物ホルモンは、ボイルすることで商品の鮮度劣化を抑えられ、取り扱いがしやすくなる。

5年前からの「もつ鍋」ブームも定着し、牛・豚それぞれの「もつ鍋」が定着しつつある。

量販のポイントは試食からの取り組みである。

寒い日の「どて鍋(中京圏でのモツ鍋の愛称)煮込み」は原料ベースで10キロ。製品ベースで25キロを1日で販売できる商材である。

豚ボイルホルモンは、4センチにカットし、ダイコン・コンニャクをベースに同じ大きさに切りそろえて使用する。味のベースは味噌。

材料に、だし汁を加えて煮込む。

ダイコンが柔らかくなったら出来上がり。仕上げに「ピーナツクランチ」を「生姜汁」を加えて少し煮込むと香りよく仕上がる。(名古屋バージョン)


モツ鍋は、「ダイコン・コンニャク」をベースに赤味噌で味付けをする。

だしを鍋に入れて煮込む。

豚のモツばかりでなく、牛の小腸大腸も煮込み料理のベースになる。

6.ボイルホルモンからの商品バリエーッション
牛・豚の大腸・小腸は痛みにくいボイルで流通している。

ともに柔らかく、臭いも抑えられるので、「煮込み」料理のバリエーションとして提案していく。

商品そのものには、味が無いので味付けの強いメニューで提案していく。

味噌煮込み、スパイスの効いたカレー・シチューを活用してメニュー提案する。

カレーやハッシュドビーフにボイルホルモンをプラスして、「ルーとのセット」あるいは、「ライスのセット」で提案する。


モツ鍋は、味噌・チゲ・キムチ味など、スープでバリエーションが作れる。

牛モツを使った「ハッシュドビーフ」

牛のボイルモツを入れた「牛モツカレー」

7.合鴨鍋の商品つくり
合鴨は、昨年から中国さんの輸入が無くなり、輸入原料不足で相場も高いが、
冬場は鍋材料として非常に良く売れている。

「モモ肉」は価格が安いので、「つくね」や「合鴨だんご」を「鍋セット」の中にいいれて商品化すると利益の取れるアイテムとなる。

鴨鍋を強調する場合は、写真のように「ムネ肉(ロース肉)」を使用するが、このときに脂肪をトリミング氏過ぎないように注意する。

また、1枚1枚のスライスの大きさを一定にすることが重要で、野菜トクロスで販売するほうがボリューム感が出来てよい。また、「きのこ鍋」など、白菜ベースの野菜セットに「エノキ・シメジ・しいたけ・エリンギ」などで他の野菜鍋との違いを強調するのも鴨鍋を売り込みやすい方法である。


合鴨は、むね肉(ロース)を使用するほうが良い。

余分な脂をカットする。脂に旨味があるのでをトリミングしすぎないように注意。

先のほうから、斜めにスライスし、同じ大きさに揃えるように。

「合鴨きのこ鍋」

8.鶏シャブシャブ・鶏鍋の商品つくり
原料高の状況の中で、ブロイラーの「ムネ肉」だけは依然として安値が続いている。

本年度の東京相場も7月までは 平均232円/Kg で、年末まで相場は軟調に推移すると思われる。

鶏のシャブシャブは、「ムネ肉」で商品化するほうがたれと馴染みやすい。

また、「カワナシ」で商品化するので、「トリ皮」の売価から考慮すると、検めて歩留まり計算の必要も無い。

シャブシャブは、1枚1枚の大きさと、重量をそろえるようにカットする。

写真の盛り付けは、内容量で250グラムである。

トレー・シール・添付のたれを含めて、トータルコストは1パック100円までで納まる。

 
また、銘柄鶏などのセット仕入れの「モモ肉」との利益バランスを取るために、このようにムネ肉を活用することがポイントである。

この場合、シャブシャブの売価設定の目安としては、銘柄鶏のモモ肉に、ムネ肉の売価をあわせるほうが良い。

「トリ 水炊き用セット」は、副産物と添付用のたれをセットして販売する。

イロイロな味が楽しめ、栄養のバランスもよい。

銘柄鶏や特殊鶏のセット仕入れのバランスで副産物が余る場合など、売り切るには不可欠なアイテムである。

「とりすきセットの内容」             参考売価(合計 220グラム・合計価格)
  モモ切り身 80グラム4切れ               ブロイラー  1パック 298円
  ムネ切り身 80グラム5切れ               銘柄鶏    1パック 398円
  レバースライス 30グラム
  砂肝 20グラム  2個分
  ハート 10グラム 2個分
  添付スープ     1袋


鶏ムネは、皮を取り除く。

カワをとった面を下向きにして斜めに、出来るだけ薄くスライスする。

箸でスライスを11枚取れるようにトレーに並べる。

ぽんづたれを添付する。
5
「とりすき鍋セット」