03年5つの販売重点商品

 
値ごろで販売できる「牛タンスライス・シャブシャブ用」
100g198円で販売し値ごろ感も出、利益率も50%近く確保できる。今年の輸入量も多いと予測される。
2002年度の食肉消費量部分肉ベースで約90万トンと予測される。(01年比約91%)

プラス内臓肉が国産と輸入合わせて約14万トンと推定される。
この中で、「牛タン」の輸入量は01年度54105トン(うち冷凍41067トン)で、02年度も、約4万トン強の輸入量があったと推定される。

特に冷凍のタンは01年度比が90%台と、輸入は旺盛であった。

牛肉の単品ベースでの規格を考慮すると、「牛タン」がもっとも使用量の多いスペックの一つと考えられる。これは、外食を中心のマーケットで飛躍的に伸びたアイテムであるが、最近の牛タンの卸価格は前年比2割ダウンで、国産牛肉・輸入牛肉の価格が前年比高騰している中で、また、今年も高値が予測される中では「g198円」で「値ごろ」で販売できるアイテムである。

そこで、卸値900円から1000円で推移している「牛ムキタン」を使って、ボデイサイドからスライスして、部分肉と同じカテゴリーで商品化し100円台のシャブシャブアイテムのポイントとしたい。

チャックアイロールから作る値ごろな「牛カタロースステーキ」
チャックアイロールは、チョイス級で、夏場650円から冬場810円/Kg位なので、ステーキに取れる部分以外は焼肉用切り落としで販売する。 ネックサイドとハンプは切り落としに商品化。
日本の牛肉消費は、輸入牛肉を中心に急激に伸びてきた。その中でも「ロイン系」の特売は量販店を中心に、プラスアルファの売上貢献をもたらしてくれた。

しかし、「ロイン系」の輸入は、好景気のアメリカ現地での価格の上昇と、日本の不景気の市場影響をまともにかぶり1997年の10万979トンをピークに、年々輸入量(消費量)を減少させ、02年度は6万トンと、40%近く減少したと推定される。

バラ系の輸入量が減少していないことから、牛肉販売にもデフレの影響をまともに受けており、単価の高いステーキ類の販売が上手くいかず、売上の伸びを期待できない状況に陥っている。

そこで、今年は、「ロイン系」を販売する前に、「ステーキの強化」で、もう一度ステーキを食卓に戻すための商品強化にチャレンジしたい。

「チャックアイロール」のロインサイドの霜降りの赤み部分で、「美味しい赤みステーキ」を、100g100円から148円で提供したい。

チャックアイロールは通常、「3Neck-On」なので、「頚骨5-7」の硬い部分と、「Hump(肩こぶ)2/1インチOn」なので、この部分を「切り落とし」に使い、残りの部分をステーキに商品化する。


ローストビーフ
精肉売上が右肩上がりを続けた90年代と比較して牛肉の「ステーキ・焼肉」と、「生食(オードブル)」といったカテゴリーでの売上が取れないことが最近多くなった。

特に「生食(オードブル)」カテゴリーは、O-157や、食肉の衛生管理という点で、ケースレデイーでの導入や店内で盛り付けるだけにする。あるいは殆ど売場からなくなってきているのが現状である。

そこで、肉中温度が65℃で加工して販売できる「ローストビーフ」の販売を強化したい。

 ローストビーフは、平日よりは週末によく売れる商品なんので、週末強化アイテムとして販売すれば生食カテゴリーで生じる決定的なロスも抑えられるはずである。

また、「フライパンで出来るローストビーフのキット」(タコ紐と、シーズニングのセット)などが、1パック198円で販売されているので、300gから400gのモモ肉のブロックとともに売り込んでいく。(同じくフライパンで出来るローストポークのキットもある)

商材的には、「トライチップ」で作られたローストビーフの流通が多いので、生のブロック198円/g。ローストビーフになったもの298/gで販売強化したい。


 (下段の数字は経過日数・NTT食のデーターマップから)
焼肉の盛合せ
焼肉盛り合わせ 980円
「焼肉」はSMでの牛肉の通年売上の60%を占める最大のカテゴリーで、牛肉売上の生命線と言うっても過言ではない。

しかし、家庭での調理器具の問題や、焼肉店をはじめとする外食での低価格攻勢で、網焼きなどの煙がもうもうと立つ焼肉需要はシュリンクしてきている。

国産牛肉が高騰・高値安定する中で、スライス肉需要中心では、売上も利益も取りにくくなっている。
そこで、もう一度売場で焼肉の展開を強化していく必要がある。

「牛タン」・「ショートプレートからのスペック(規格)を使ったカルビ」など値ごろで販売できるアイテムの強化と、売場で「テーブルクッキング」を強調できるアイテムを強化して売場のポイントと、家族で、複数の人数で料理をするアプローチをしていきたい。

焼肉用盛り合わせ1280円
「牛+豚+内臓肉」や、味付けのバリエーションで、「塩たれ+にんにく味+味噌味」などのいろいろな味付けで。また、「薄きり+焼肉用手切り+サイコロステーキ」など、厚みによる変化。

また、カルビでも、「ショートプレート+チャックリブ+ショートリブ」など、低価格部位から高級価格部位までの「カルビづくし」など、1プレートで週に一度はテーブルクッキングして頂けるアイテムで焼肉カテゴリー強化をしてもらいたい。




豚サラダ・冷シャブ用切り落とし
落とし「バラ・カタロース・ロース」と3種類から選べるように
ダイエットや健康にとって食肉消費は、大敵と考えられていたが、最近は特に豚肉は体に良い食物。長生きや疲労回復や健康には、適している。

という認識がテレビの「あるある大辞典・ハナマルマーケット」などで、多く取り上げられるようになり、食肉の健康への効用が認識されるようになってきた。

・ 豚肉の脂にはオレイン酸やステアリン酸が含まれており、コレステロールを低下させる作用があります。
・ ビタミンB−1が疲労回復ややる気を起こします。

など、食べて元気になる。健康になる。と云った訴求方法も出来るようになり、豚肉の薄切り消費は底堅いものがある。

冬は「しゃぶしゃぶ」、夏場は「冷シャブ」(食卓に上がる回数が3月から急上昇する。NTT食のデーターマップ)になる。

しかし、「冷シャブ」でも、「サラダのトッピング」で湯せんした豚肉の薄切りを、ドレッシングで食べてもらえるような提供や、POPでの訴求をすれば、一年中販売できる。

カタロース・ロースが今までの主力であったが、最近は「バラシャブシャブ」が加わり、この3品をシャブシャブ・サラダトッピング用として、選べる商品化で販売強化したい。