今年の夏の販売計画 4つのターゲット

4-1 牛肉厚切りステーキ(ロイン)
牛肉の「ステーキ」は、BSE以降消費の回復していない代表アイテムの一つである。

特に、サーロインなどのロイン3点セットと呼ばれる部位は、2002年度の輸入量が4万8千トンとなり、6年前の10万トンから毎年輸入量が減少している部位である。

このことは、日本が不景気で「ステーキ」とくに、サーロインなどのステーキアイテムを食べていないと言うことになり、売上が確保しやすい「ステーキ」の販売が重要になる。

最近の傾向はフレークした牛肉を再加工した「サイコロステーキ」が価格も安く、トレイに盛り付けるだけの作業で済むので、1ケ10gのサイコロステーキや15gのダイスカットステーキなどの加工商品を販売していることが多い。

しかし、このままでは「美味しい牛肉ステーキ」をいつまでたってもSMでは販売出来ないことになってしまう。また、消費者も、「ステーキはこんなに美味しい!」と言う、牛肉本来の美味しさと食べた時の幸福感を経験してもらえないことになる。

そこで、SMでは「ステーキ」を販売強化するにあたって、「厚切りステーキ」で「豪快」にプレゼンし、ステーキカテゴリーの充実を計画してもらいたい。

厚みは、写真にもあるように、担当者一同で「厚さの試食会」を開催し検討してもらいたい。そうすれば、担当者の皆さんが、「厚切りステーキ」が美味しいものか感激してもらえるはずだ。
厚きリステーキ(美味しい厚みは15ミリの厚切りになることを確認してもらいたい)

*クリックで拡大図が見れます。


厚さは「15ミリ」と言う結果が体制を占める事になる。

アメリカ産ステーキレデイーで、1枚約200g。

国産交雑種で約220から240gになることが多い。

「ステーキ」がSMで敬遠されてきた理由は「儲からない」・「値入が少ない」という点にある。

ロインは確かに値入が取れない部分もあるが国産を陳列し、米国産の「チャックアイロール・ブロックカット」などの新しいスッペクで「厚切りカタロースステーキ」(筋切り済)を量販することで値入と売上をコントロールできる。

「ステーキ」はコーナー化」し、陳列する。

「国産・厚切り」を見せすじにして、下段で「チャックアイロール・ブロックカット」「ステーキレデイー」を量販するのが良い。

厚切りステーキ
導入期(ハシリ) ゴールデンウィーク
量販期(旬) 7月から8月
手仕舞い期(晩生) 秋分

アイテム売価と値入
アイテム 規格 スペック 入り数 容量 売価 値入
国産サーロインステーキ 交雑種B-3 サーロイン 1枚 220g 780円 20%
厚切りステーキ チョイス チャックアイ 3枚 350g 680円 50%

チャックアイロールブロックカットからの「肩ロースステーキ」

4-2 牛塩カルビ焼肉用(休日販促)
NTT「食のテーターマップ」による、1000食あたりの「焼肉」の出現回数(TI値)を見ると、焼肉は平日よりも、休日に出現する回数が多いことがわかる。

また、最近の3年の焼肉料理の食卓への出現回数をみると、9月から2月よりは、3月から8月までの春から夏にかけての出現回数が多いことがわかる。

このことは、焼肉というのは、3月から大きく売れ始め、7から8月にかけてピークをむかえる料理で、平日よりも、休日に多く出現する。

つまり、需要期の休日の焼肉の商品作りは通常の商品化とは異なる量目や、品揃えを加えて売場展開ししなくてはならないということになる。

夏場の需要期の休日は700gや1キロで「ニンニクの芽カルビ」などで、「塩カルビ」を量販する
「焼肉が、夏にもう一つ売り切れない」という原因の多くは、休日と平日の商品化の区別をしていないことが多いので、今年は、休日には、量目・味付け方法・使用部位・1パック価格 等を変えて、休日需要を高めたい。


「塩カルビ」は、従来の「醤油味ベース」の焼肉の味付けから、あっさりとたくさん食べることが出来る味付けである。


「塩味」の焼肉は、秋冬にはあまり売れず、高需要期に、「味付けのバラエテイー」として良く売れる。


平日は、300gを中心に品揃えし、休日には、700gや1キロ。といったボリュームで販促をかけたい。

BSE以降、価格訴求しなくてもそこそこ、牛肉は売れるようになっているが、今年は味付けの変化でプラスの需要を獲得したい。

塩カルビ
導入期(ハシリ) 3月
量販期(旬) 7月から8月
手仕舞い期(晩生) 8月末

アイテム売価と値入
アイテム 規格 スペック 入り数 容量 売価 値入
塩カルビ焼肉用(味付) 米国産 ショートプレート 1パック 300g 598円 40%
塩カルビ焼肉用(味付) 米国産 ショートプレート 1パック 1キロ 780円 24%



4-3 ビーフシチュー
ビーフシチューはカレー用も含めて、1度に多くの肉を使用する料理の代表である。

また、データーからも解るように、「平日と休日の料理の出現率に格差の無い肉料理」の代表でもある。

しかし、BSE以降、あまり力を入れて販売していないアイテムの代表にもなっていることが解る。

ハウス 「ビーフシチュールウ 190g」 では、牛肉を材料として500g。

S&B 「とろけるシチュー・ビーフ用160g」では、牛肉を500g。

ハウス「ふらんす厨房 ビーフシチュー用ソース 102g」では、牛角切用を500g用意するように指示している。

それだけ、一度に多くの牛肉が販売できる料理であるが、あまり「牛角切り用」アイテムにそれだけの力が入れていないのが現状ではないだろうか?

シチュー用は、ともすれば商品化した端材を利用して作ったりして、攻めるアイテムとしては活用していないのではないだろうか。

ハウス シチュードボーやデナーシチュー用 などは、200gから300gと材料欄には書いてあるので、交雑種などは、250g位で、米国産などは、500gの容量にして、同じ1パック価格で販売すると良い。

たくさんの牛肉を料理して、美味しく食べることが出来ると継続して250gや500g単位での購入経験が継続されることが多いからだ。

部位として、「もも」の赤身部位を多く使用することが多いが、赤身の中に霜降りのある「カタ」や米国「チャックアイロール」などで、提供することで赤身肉よりも美味しく食べてもらい始めることも重要である。

ビーフシチュー
導入期(ハシリ) 平日いつでも
量販期(旬) 週末・休日
手仕舞い期(晩生) なし

アイテム売価と値入
アイテム 規格 スペック 容量 売価 値入
国産牛カタシチュー用 交雑種B-3 うで 250g 580円 28%
牛シチュー用 米国産 チャックアイロール 500g 580円 35%



4−4 豚上ミノ
豚ガツ・上ミノ 生がツは、鮮度の良いもののみを使用する。
豚の胃袋にあたる内臓肉は「ガツ」と、呼ばれる。




1個の大きさは約一キロ弱。








胃袋の身の厚い部分を皮から剥ぎ取る。
豚の大腸や小腸は、ボイルして「煮込み用」として、冬場を中心に多く使われる。




通常、内臓の「シロ」呼ばれるものが、「ボイル」など、熱処理をして流通しているものは「煮込み」に、「ナマ」で流通しているものは、「焼肉用」に使用される。




左が上ミノ。右がガツの焼肉用。
「ガツ」は、通常、夏場には「焼肉用」として、「生ホルモン」などに、切り込まれて販売されている。



しかし、その「ガツ」の部分の、ユウモンの部分の身が厚くなって盛り上がっており、ここは、「豚上ミノ」として、最近はこの部分が、「牛上ミノ」よりも柔らかく、味もあっさりしているので、牛ミノよりも10円ほど高く価格設定して販売している。




通常、「牛上ミノ 100g240円・豚上ミノ100g250円」位。




味付けた場合は、230円位が適当である。
豚の内臓に良く合う、「韓国風味噌焼」のタレで味付け。豚上ミノは、100g230円くらいで牛のジョウミノと同じくらいの価格で販売する。





ガツ1個からは、100gしかとれないが、それだけに珍重される。



牛の上ミノと同じように、サイノメに、切り目を入れ、焼きあがったときにホタテのように、開くように商品かする。



残った、ガツは写真のように一口サイズに切り込み「豚生ホルモン」として商品かする。


冬場になれば、このガツも煮込み用の、ボイルモツに含まれて販売されるが、焼肉需要が高い中、今年からは冬場でも「豚上ミノ」を定番化して欲しい。


豚上ミノ
導入期(ハシリ) 6月
量販期(旬) 7月から8月
手仕舞い期(晩生) 8月末

アイテム売価と値入
アイテム 規格 スペック      容量 売価 値入
豚上ミノ 国内産 豚ガツ 100g 250円 合わせて
豚ガツ 国内産 豚ガツ 100g 50円 55%