アメリカのSMに学ぶCABを軸とした新牛肉カテゴリーのマーチャンダイジング技術

CABプログラム(The Certified Angus Beef Program)とは
この「CABプログラム」とは何か。そして販売の認定(ライセンス)を受けることによって、どのような優位性をもたらすか、という点についてアメリカのSMの店舗クリニックを通じて、そのマーチャンダイジング技術について学んでみたい。


CABプログラム(The Certified Angus Beef Program)とは

アメリカの牛肉格付けシステムは「肉質等級(Quality Grade)」と「歩留まり等級(Yield Grade)」からできており、米国農務省(USDA)の格付け検査官により等級分けがされている。

肉質等級は、
  1. 牛の種類
  2. 性別
  3. 成熟度
  4. 脂肪交雑
などによって決定されている。

プライム、チョイス、セレクト、スタンダード、コマーシャル、ユーティリティ、カッター、キャナー・・・の8等級に分けられる。

「脂肪等級」は肉のフレーバーやジューシーさに関係するため、12肋骨間で切断されたリブ芯の断面で評価され、「アバンダント(Abundant豊か、多い)」など10段階に分類される。

このアメリカの「プライム、チョイス、セレクト」といった格付けでも「チョイス、プライム」の出現は80%以上になり、チョイスの幅が非常に広い。これは1976年にUSDAが行った牛肉のグレーディングの変更に起因する。

この幅の広いグレーディングだけでは、品質、味、消費者の満足度を保つには不十分であろうと、アメリカンアンガス協会(AAA、会員数2万5000人以上で構成)が1978年USDAの基準を上回る厳しい品質基準を設けた。それが「CABプログラム」と名づけられた制度である。

CABの格付けは「プライム」と「トップチョイス」のみで、脂肪交雑が「Modest、適度」以上のものだけをCAB製品としている。USDAの定めるチョイスグレードに占める脂肪交雑の「Moderate・Modest・Small」のうち、なんと「Small」は約76%にも及ぶ。従ってCABは厳しいグレーディンで選別された「クォリティービーフ」であるといえる。

アンガス種の牛肉は、やわらかくてジューシーで適度の霜降りがあり、おいしい。このことは日本人ばかりでなくアメリカ人もよくわかっており、アンガス種はアメリカの牛肉の約40%以上を占めているばかりか、その割合は年々増加しており、数年で45%以上になるといわれている。アメリカ人もおいしい牛肉を食べたいのだ。
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