21th KEYWORD

Deep Fry
コンベクションを活用したディープフライ
コンベクションオーブンで、160℃位の低温でトンカツ用切り身やチキンカツ用のムネ肉を素焼きすることで、肉がやわらかく、ジューシーで美味しく、また揚げても衣が肉からはがれたりしなくなります。
このような下ごしらえをすることで、従来の「パン粉付け」のトンカツやチキンカツとは違った商品提案ができます。
★トンカツ・パンフライ用パン粉づけ
1枚に100gにカットした豚ロース肉の両面に、ローストビーフシーズニングなどのスパイスをまぶす。味もしっかりつき、歩留まりも良くなる。 「玉子たっぷりバッター液」につける。
コンベクションオーブンで160℃で4分間焼き、1分間火を切ったままでホールディングする。 15mmカットの荒めのパン粉で衣づけをする。
素焼きしたトンカツ用のロース肉はふっくら、ジューシーに焼き上がっている。 パン粉はしっかりと押しつけるようにつける。

 まず、1枚100gに切った豚ロースの両面をシーズニングします。
 スパイスをつけずにコンベクションで焼くと、ドリップが大量に出て、歩留まりが悪くなり、かえってパサパサになります。従って、素焼きであっても、まず肉に味付けをします。

 今回は「ローストビーフシーズニング」を用いました。ローストビーフばかりでなく、ポークスペアリブなどの下味をつけるのにも最適だからです。豚ロース100gに対して3gのシーズニングが必要です(1kg1250円として1枚約3.7円)。
 コンベクションオーブンは160℃に熱しておきます。そして約4分焼いて、1分間、火を消したまま、ホールディングしておきます(この時点で歩留まりは94%になります。シーズニングしない状態ですと、85%くらいまで落ちてしまい、ジューシーさは残りません)。

 次に「玉子たっぷりバッター液」に素焼きをしたトンカツ用を付けます。
 1枚に20gくらい付きます(バッター液が1kg600円として1枚4円の原価。粉1kg600gとして1枚4円の原価。粉1kgに対し水wp2.5kg使用するので)。
 すぐに「パン粉」を付けますが、このパン粉は手作り感を強調する為に、通常の8mmカットではなく15mmの荒めの生パン粉を使用する方が見栄えが良くなります。1枚に38g前後パン粉が付きます(パン粉が1kg260円として約10円)。
 これで、1枚150〜160gのパン粉付きのトンカツになりました。豚ロースがUS産だと1枚70円プラス18円前後の商品原価になります。

 この素焼きしたトンカツは、フライヤーの油で揚げても、瞬時に浮いてきます。むしろ、揚げ目を付けるためにフライヤーに入れている、という感じです。歩留まりも、フライヤーで揚げて出来高比で95%と非常によく、目減りがしません。それだけ、出来たものは、写真でも分かるように肉と衣がはがれず、ふっくらと焼きあがっています。家庭のフライパンでは、パン粉の衣の半分よりやや多い目の油で、ひっくり返しながら焼き目を付けるように揚げてもらいます。
 その間、約2〜3分で、香ばしい、お手軽なトンカツが出来上がります。

 豚ロースに生パン粉を付けたアイテムはどのスーパーにも並んでいますが、フライパンでカツを簡単に美味しく食べてもらう提案方法に今後はチャレンジする方が良いのではないでしょうか。

フライパンで簡単に調理できる素焼きしたトンカツ用。
「2〜3分、焼くように揚げるだけでできる」等のPOPが必要。

コンベクションオーブンで素焼きしたものをフライヤーで揚げたもの。ふっくらしてやわらかく、衣が肉から分離していない。
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